義理のご両親が愛犬を連れてくることに、心底お困りのことと思います。お気持ち、とてもよく分かります。犬が苦手な上に、賃貸規約違反や衛生面の問題、近隣への配慮など、様々な心配事が重なって、ストレスも相当なものでしょう。
今回は、そんな状況を打開するために、義理のご両親との関係を損ねることなく、愛犬の同伴を控えてもらうための具体的な方法を、犬との暮らしをサポートする賃貸アドバイザーの視点からお伝えします。
最も大切なのは、あなたの気持ちを正直に、しかし丁寧に伝えることです。その上で、犬を連れてきて欲しくない具体的な理由を説明し、代替案を提案することで、相手も納得しやすくなります。
義理のご両親にとって、愛犬は家族の一員であり、一緒に過ごす時間を大切にしたいという気持ちがあるでしょう。また、あなたに喜んでもらいたい、楽しい時間を共有したいという思いも、当然あるはずです。
しかし、犬好きの価値観と犬嫌いの価値観は大きく異なるため、あなたの苦痛が理解されないこともあります。特に、長年の習慣になっている場合、それを変えることは容易ではありません。
Aさんは、あなたと同じように、義理のご両親の愛犬同伴に悩んでいました。Aさんのご主人は犬好きでしたが、Aさんの気持ちも理解しており、夫婦で話し合った結果、以下の方法を試すことにしました。
1. 手紙で伝える
直接話すのが難しい場合、手紙で気持ちを伝えるのは有効な手段です。Aさんは、手紙の中で、犬が苦手であること、賃貸規約でペット禁止であること、そして何よりも、義理のご両親との関係を大切に思っていることを丁寧に伝えました。
2. 具体的な理由を説明する
アレルギー体質であること、子供が犬を怖がること、近隣への迷惑になる可能性があることなど、具体的な理由を説明しました。感情的に訴えるのではなく、客観的な事実を伝えることで、相手も理解しやすくなります。
3. 代替案を提案する
犬を預けて遊びに来てもらう、近くのドッグカフェで会う、一緒にペット可の旅行に行くなど、代替案を提案しました。これにより、「犬を連れてくること」以外の選択肢があることを示し、相手の気持ちに寄り添う姿勢を見せることができました。
Aさんの場合、これらの方法を試した結果、義理のご両親は愛犬を連れてくることを控え、代わりに近くのドッグカフェで会うようになりました。Aさんは、「最初は不安でしたが、思い切って伝えて本当に良かった」と話しています。
Aさんのケースを参考に、具体的なステップを見ていきましょう。
1. 伝えるタイミングを見計らう
相手がリラックスしている時、または事前に電話やメールで「少し相談したいことがある」と伝えておくなど、話を聞いてもらいやすい状況を作りましょう。
2. 感謝の気持ちを伝える
「いつも気にかけてくれてありがとう」「お義父さん、お義母さんと会えるのは本当に楽しみなんです」など、日頃の感謝の気持ちを伝え、良好な関係を築きたいと思っていることを示しましょう。
3. 正直な気持ちを丁寧に伝える
「実は、私は子供の頃に犬に追いかけられた経験があり、少し苦手なんです」「可愛いのは分かっているのですが、どうしても怖くて…」など、正直な気持ちを、相手を傷つけないように丁寧に伝えましょう。
4. 具体的な理由を説明する
「このマンションはペット禁止なので、もし大家さんに知られたら退去しなければならなくなるんです」「子供たちが犬の鳴き声に驚いて、夜泣きしてしまうんです」「アレルギーがあるので、犬の毛がどうしても気になって…」など、具体的な理由を説明しましょう。
5. 代替案を提案する
「もし可能であれば、〇〇ちゃん(愛犬の名前)はお留守番させて、遊びに来ていただけないでしょうか?」「近くに素敵なドッグカフェがあるので、そこで一緒に過ごすのはどうでしょう?」「今度、ペット可の温泉旅行に一緒に行きませんか?」など、代替案を提案し、相手の気持ちに寄り添う姿勢を見せましょう。
ここでは、状況に合わせた具体的な伝え方をいくつかご紹介します。
ケース1:初めて犬連れで訪問すると言われた場合
「お義父さん、お義母さん、〇〇ちゃんも一緒に来てくれるのは嬉しいのですが、実はこのマンション、ペット禁止なんです。もし内緒で飼っていることがバレたら、退去しなければならなくなるので、今回は〇〇ちゃんはお留守番させていただけないでしょうか? その代わりに、今度〇〇ちゃんと一緒に遊べる場所に一緒に行きましょう!」
ケース2:すでに何度も犬連れで訪問されている場合
「いつも〇〇ちゃんを連れてきてくれてありがとうございます。とても可愛いのですが、実は私は犬アレルギーを持っていて、〇〇ちゃんが来るとどうしても体調が悪くなってしまうんです。本当に申し訳ないのですが、次回からは〇〇ちゃんはお留守番させていただけないでしょうか? もしよければ、〇〇ちゃんも一緒に楽しめるドッグカフェに一緒に行きましょう!」
ケース3:ご主人が犬好きで、義両親に強く言えない場合
まずはご主人とよく話し合い、あなたの気持ちを理解してもらいましょう。そして、ご主人から義両親に伝えてもらうのが、最もスムーズな方法です。ご主人から「〇〇(あなたの名前)が犬アレルギーで困っているんだ」「マンションがペット禁止だから、今回は我慢してほしい」などと伝えてもらいましょう。
上記の方法以外にも、以下のような対策を講じることで、犬連れ訪問を避けることができるかもしれません。
事前に伝えておく
訪問日が決まる前に、「実は犬が苦手で…」と伝えておくことで、相手も配慮してくれる可能性があります。
ペット不可の場所で会う
レストランやカフェなど、ペット不可の場所で会うようにすれば、自然と犬連れ訪問を避けることができます。
イベントを企画する
遊園地や映画館など、犬を連れて行けないイベントを企画することで、犬連れ訪問を避けることができます。
ペット行動学の専門家である獣医のDr. Kによると、「犬を家族の一員として大切に思っている飼い主にとって、犬を置いていくことは非常に辛いことです。しかし、相手の気持ちを理解し、丁寧に説明することで、必ず理解してもらえるはずです」とのことです。
義理のご両親に愛犬同伴を控えてもらうためには、あなたの気持ちを正直に、しかし丁寧に伝えることが大切です。具体的な理由を説明し、代替案を提案することで、相手も納得しやすくなります。
今回の記事が、あなたの悩みを解決する一助となれば幸いです。