退去時の費用、気になりますよね。特に長年住んだ賃貸物件の場合、どこまでが自己負担になるのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、築20年以上の賃貸アパートからの退去を控えた方から寄せられた質問をもとに、退去費用の相場や高額請求への対策について、詳しく解説していきます。
今回のケースは、築20年以上の木造アパート、2DKという条件に加え、喫煙による壁の黄ばみ、落書き、壁の穴、シミといった複数の要因が絡み合っています。さらに、近隣住民が高額な退去費用を請求されたという事例もあり、不安を感じるのも無理はありません。
しかし、ご安心ください。高額請求には必ず理由があり、適切な知識と対応で費用を抑えることは可能です。
まず、退去費用の相場について理解しましょう。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、賃借人の負担となるのは、故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超える損耗・毀損とされています。
今回のケースで考えると、
喫煙による壁の黄ばみ: 喫煙は通常の使用を超える損耗とみなされる可能性が高く、張替え費用を負担する必要があるかもしれません。
落書き: 明らかな故意・過失による毀損であり、修繕費用を負担する必要があります。
壁の穴: 1センチ四方という大きさから、通常の使用による損耗とは言えず、修繕費用を負担する必要があるでしょう。
シミ: シミの原因や程度によりますが、通常の使用によるものであれば、負担する必要はないと考えられます。
ただし、これらの費用は、経過年数によって減価償却されることを考慮する必要があります。つまり、築年数が古いほど、借主の負担割合は少なくなるのです。
近隣住民が120万円という高額な退去費用を請求されたのは、犬を飼育していたことが大きな要因と考えられます。ペットによる傷や臭いは、原状回復費用が高額になる代表的なケースです。
しかし、今回のケースではペットの飼育歴はないため、そこまで高額な請求になる可能性は低いと考えられます。ただし、喫煙による壁の黄ばみや落書き、壁の穴などは、修繕費用が発生する可能性が高いことを覚悟しておきましょう。
もし、高額な退去費用を請求された場合は、以下の手順で対応しましょう。
1. 請求明細の内訳を確認する: どのような項目にどれだけの費用がかかっているのか、詳細な内訳を提示してもらいましょう。
2. 国土交通省のガイドラインと照らし合わせる: 請求項目がガイドラインに沿っているか確認し、不当な請求がないかチェックしましょう。
3. 見積書の取得: 大家さんの提示した見積もりだけでなく、複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。
4. 交渉: ガイドラインや見積もりを根拠に、大家さんと交渉しましょう。減額交渉の余地は十分にあります。
5. 専門家への相談: 交渉が難航する場合は、弁護士や消費者センターなどの専門機関に相談しましょう。
退去費用を抑えるためには、日頃からの注意と退去前の準備が重要です。
入居時の状況を記録する: 入居時に、壁や床の状態を写真や動画で記録しておきましょう。退去時の原状回復義務の範囲を明確にするために役立ちます。
日頃から丁寧な使用を心がける: 壁の落書きやペットによる傷など、故意・過失による損耗は修繕費用を負担する必要があります。日頃から丁寧な使用を心がけましょう。
退去前にできる範囲で清掃する: 退去前に、できる範囲で清掃を行いましょう。特に、水回りの汚れや油汚れは、念入りに清掃することをおすすめします。
ハウスクリーニングの相場を把握する: ハウスクリーニングを依頼する場合、事前に相場を把握しておきましょう。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
退去費用は、様々な要因によって金額が変動するため、一概に相場を断定することはできません。しかし、国土交通省のガイドラインを理解し、適切な対応を行うことで、高額請求のリスクを減らし、スムーズな退去を実現することができます。
今回のケースでは、喫煙による壁の黄ばみや落書き、壁の穴など、修繕費用が発生する可能性のある箇所がいくつかあります。しかし、築年数を考慮すれば、借主の負担割合は少なくなるはずです。
まずは、大家さんに請求明細の内訳を提示してもらい、ガイドラインと照らし合わせて不当な請求がないか確認しましょう。必要であれば、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
もし、交渉が難航する場合は、専門機関に相談することも検討しましょう。弁護士や消費者センターなどの専門家は、あなたの権利を守り、適切な解決策を見つける手助けをしてくれます。
退去は、新しい生活のスタートです。不安を解消し、気持ちよく新生活を迎えましょう。