ご安心ください。入居時の契約と異なる状況になった場合、一方的に「自己都合」と判断されることはありません。今回のケースは、契約内容の根幹に関わる重大な変更であり、退去交渉の余地は大いにあります。
この記事では、同様のケースで悩む方のために、以下の情報をお届けします。
契約内容変更時の退去交渉の進め方
専門家への相談窓口
犬嫌いでも快適に暮らせる賃貸物件探しのコツ
登場人物
Aさん:犬嫌いのあなた。現在の賃貸マンションの状況に困っている。
B先生:不動産・法律に詳しい専門家。
Aさん:先生、助けてください!今のマンション、入居時はペット禁止だったのに、オーナーが変わったら犬OKになっちゃったんです。しかも、事前の説明もなしで…。犬が大嫌いな私は、どうしたらいいんでしょう?
B先生:それはお困りでしょうね。まず確認したいのは、契約書に「ペット禁止」と明記されているかどうかです。
Aさん:はい、はっきりと書かれています。「動物を飼育することは禁止」だと。
B先生:なるほど。その契約書は、オーナー変更後も有効ですか?
Aさん:はい、契約更新はまだしていません。
B先生:でしたら、今回のペット可への変更は、契約内容の重大な変更とみなされる可能性があります。本来、契約内容を変更するには、オーナーと入居者双方の合意が必要です。事前の説明もなく、一方的に変更されたのであれば、Aさんは契約解除を申し出ることができる場合があります。
Aさん:契約解除ですか?つまり、引っ越せるってことですか?
B先生:はい。ただし、スムーズに退去するためには、いくつかポイントがあります。
1. 内容証明郵便で意思表示
まずは、オーナーに対して「契約内容の変更により、契約解除を希望する」旨を、内容証明郵便で通知しましょう。内容証明郵便は、言った言わないの水掛け論を防ぎ、後々の証拠となります。日付、誰が誰に、どんな内容の手紙を送ったのか、ということを証明する郵便です。
内容証明郵便に記載すべき内容
契約時の状況(ペット禁止の特約があったこと)
現状(オーナーの都合でペット可になったこと)
契約解除を希望する理由(犬が苦手であること、平穏な生活が脅かされていること)
退去希望日
敷金・礼金の返還希望
2. 話し合いで合意を目指す
内容証明郵便を送付後、オーナーと話し合いの場を持ちましょう。感情的にならず、冷静に、論理的に、ご自身の状況を説明することが大切です。
話し合いのポイント
契約内容の変更が一方的であったこと
犬が苦手であること
引越し費用や違約金の負担について
敷金・礼金の返還について
3. 専門家への相談
話し合いが難航する場合は、弁護士や不動産に関する専門家(不動産コンサルタントなど)に相談しましょう。専門家は、法律や判例に基づいたアドバイスをしてくれますし、交渉の代理人となってくれる場合もあります。
相談できる専門家
弁護士:法律の専門家。裁判になった場合にも対応可能。
不動産コンサルタント:不動産に関する知識が豊富。交渉術にも長けている。
消費者センター:消費者の相談窓口。無料で相談できる。
Aさん:なるほど。内容証明郵便を送って、話し合いをするんですね。でも、オーナーが全然話を聞いてくれなかったら…。
B先生:その場合は、専門家の力を借りるのが一番です。弁護士に依頼すれば、法的な観点から交渉を進めてくれますし、不動産コンサルタントなら、不動産業界の慣習を踏まえた上で、有利な条件を引き出してくれる可能性があります。
Aさん:専門家への相談費用が心配です…。
B先生:確かに、費用はかかりますが、弁護士や不動産コンサルタントに依頼することで、結果的にAさんが得をする可能性もあります。例えば、引越し費用をオーナーに負担してもらえたり、敷金・礼金を全額返還してもらえたりするかもしれません。まずは、無料相談などを利用して、費用対効果を検討してみるのが良いでしょう。
今回の件を教訓に、次の賃貸物件選びは慎重に行いましょう。
ペット不可物件を徹底的に探す
不動産会社に「絶対にペット不可の物件」であることを伝え、契約書にも明記してもらいましょう。
物件周辺の環境をチェック
近隣にペット可のマンションや公園がないか確認しましょう。
内見時に確認
実際に物件を内見する際に、動物の臭いや鳴き声がしないか確認しましょう。
管理体制を確認
管理会社がしっかりしているか、共用部分の清掃が行き届いているかなどを確認しましょう。
Cさんは、Aさんと同じように、入居後にペット可になった賃貸マンションに住んでいました。Cさんは、弁護士に依頼してオーナーと交渉し、引越し費用と敷金・礼金の全額返還を認めさせ、円満に退去することができました。
Cさんは、「弁護士に相談するのはハードルが高いと思っていましたが、思い切って相談して本当に良かったです。法律の知識がなくても、専門家が味方になってくれるだけで、心強かったです」と語っています。
今回のケースは、Aさんにとって非常に不利益な状況です。しかし、諦めずに、内容証明郵便の送付、話し合い、専門家への相談というステップを踏むことで、必ず道は開けます。
犬嫌いでも快適に暮らせる賃貸物件は必ずあります。今回の経験を活かして、次の住まいでは安心して暮らせるように、しっかりと準備しましょう。