相談事項です。
①7月20日に発覚し、オーナーは1週間以内に退去しろと管理会社を通じて通告。1週間以内の退去は難しく、8月1日に引越し決定しました。そしたらオーナーは怒ったのか書面にて、10日分×賠償金1万円=10万円の支払いを要求してきました。契約書には契約終了後、明け渡し完了まで賃料の倍額(1日あたり5000円なので10000円)の賠償の記載はありますが、これは本当に応じる必要はあるのでしょうか? 1週間以内の退去は常識的に困難で、こちらは最大限努力をして10日程度での退去は果たします。
②契約はオーナーとではなく、不動産管理会社が代理人として契約を私としております。この場合でもオーナーからの通達に応じなければなりませんか?かなり感情的なので管理会社とのみ、話をしたいです。
③応じない場合は弁護士を使う。この際の費用も持ってもらう。と書面にありました。これも弁護士代はこちらが本当に負担をしなければなりませんか?
ペット不可の賃貸物件で犬を飼育することは、契約違反にあたります。しかし、今回のケースでは、やむを得ない事情(親の入院)があったこと、短期間での飼育であったこと、そして何より、既に退去に向けて動いているという点が考慮されるべきポイントです。
結論として、オーナーの要求に全面的に応じる必要はありません。冷静に状況を整理し、法的な視点も踏まえて、適切な対応を取りましょう。
今回のケースは、まさに「緊急事態におけるペット飼育」という、非常にデリケートな問題です。Aさんのケースを参考に、具体的な対応策を検討していきましょう。
Aさんは、親の入院という緊急事態のため、一時的にペット不可の賃貸物件で小型犬を飼育せざるを得なくなりました。しかし、オーナーに発覚し、契約違反を理由に退去を迫られ、さらに高額な賠償金を請求されています。
この状況を打開するために、Aさんは以下の3つのステップで行動しました。
1. 状況の整理と記録:まずは、今回の経緯を詳細に記録しました。親の入院期間、犬の飼育期間、オーナーとのやり取り、管理会社とのやり取りなど、時系列に沿って整理することで、状況を客観的に把握することができました。
2. 専門家への相談:弁護士や不動産に関する専門家に相談し、法的なアドバイスを求めました。専門家からは、今回のケースでは、Aさんの状況が考慮される可能性が高いこと、賠償金の請求額が過大である可能性があることなどを指摘されました。
3. 冷静な交渉:オーナーや管理会社との交渉では、感情的にならず、冷静に状況を説明し、理解を求めました。専門家からのアドバイスを踏まえ、法的な根拠に基づいた主張を展開することで、交渉を有利に進めることができました。
結果として、Aさんは、賠償金の減額に成功し、円満な退去を実現することができました。
今回のケースで問題となっている3つの点について、Q&A形式で詳しく解説していきます。
Q1:10日分の賠償金10万円の支払いに応じる必要はありますか?
A1:必ずしも全額を支払う必要はありません。
契約書に「明け渡し完了まで賃料の倍額」という記載がある場合、原則として契約違反に対する損害賠償義務が生じます。しかし、今回のケースでは、以下の点を考慮して、減額交渉の余地があります。
緊急性:親の入院というやむを得ない事情があったこと。
短期性:数日間の飼育であったこと。
協力姿勢:退去に向けて最大限の努力をしていること。
これらの点を踏まえ、まずは管理会社に事情を説明し、賠償金の減額交渉を試みましょう。具体的には、以下のような提案をすることができます。
日割り計算:実際に犬を飼育していた期間のみの賠償金とする。
減額交渉:事情を考慮し、賠償金額を減額してもらう。
もし交渉が難航する場合は、弁護士に相談し、法的なアドバイスを求めることをお勧めします。弁護士は、Aさんの状況を詳細に分析し、適切な交渉戦略を立ててくれます。
Q2:契約は管理会社としている場合でも、オーナーからの通達に応じる必要がありますか?
A2:管理会社を通して交渉を進めるのが基本です。
契約当事者はAさんと管理会社であり、オーナーはあくまで管理会社への委託者という立場です。したがって、オーナーからの直接的な通達に直接応じる必要はありません。
まずは管理会社に状況を説明し、オーナーとの間に入ってもらいましょう。管理会社は、契約内容や法律に基づいて、Aさんの権利を守る義務があります。
ただし、オーナーがどうしても感情的に話を進めようとする場合は、弁護士に依頼して、交渉を代行してもらうことも検討しましょう。弁護士は、法的な知識と交渉力で、Aさんをサポートしてくれます。
Q3:オーナーが弁護士費用を負担させるという主張は認められますか?
A3:原則として、Aさんが負担する必要はありません。
相手方が弁護士を立てたとしても、その費用を相手に負担させることは、原則としてできません。弁護士費用の負担は、訴訟において敗訴した場合に、一部を負担することがありますが、今回のケースでは、まだ訴訟に発展していません。
したがって、オーナーが弁護士費用を請求してきたとしても、支払いに応じる必要はありません。もし、執拗に請求してくる場合は、弁護士に相談し、適切な対応を検討しましょう。
今回のケースから学べる教訓として、犬との賃貸トラブルを避けるための予防策をいくつかご紹介します。
契約内容の確認:契約前に、ペットに関する条項を必ず確認しましょう。ペットの種類や数、飼育に関するルールなどが明確に記載されているかを確認し、不明な点があれば、必ず管理会社に質問しましょう。
ペット可物件の選択:犬を飼育する場合は、ペット可の物件を選ぶのが最も安全です。ペット可の物件であれば、犬を飼育すること自体が契約違反になることはありません。
近隣への配慮:ペット可の物件であっても、近隣住民への配慮は欠かせません。鳴き声や臭い、抜け毛など、迷惑にならないように注意しましょう。
ペット保険の加入:万が一、犬が原因でトラブルが発生した場合に備えて、ペット保険に加入しておくことをお勧めします。ペット保険は、治療費だけでなく、損害賠償責任もカバーしてくれる場合があります。
信頼できる管理会社を選ぶ:トラブルが発生した場合、管理会社の対応が非常に重要になります。信頼できる管理会社を選び、日頃から良好な関係を築いておくことが大切です。
今回のケースは、ペット不可物件での犬の無許可飼育という契約違反が原因ですが、緊急性や短期性などの事情を考慮すれば、オーナーの要求に全面的に応じる必要はありません。
まずは、状況を整理し、管理会社と冷静に交渉することが大切です。必要に応じて、弁護士や不動産に関する専門家に相談し、法的なアドバイスを求めることも検討しましょう。
犬との賃貸生活は、楽しいものですが、トラブルも起こりやすいものです。契約内容をしっかりと確認し、近隣住民への配慮を忘れずに、快適な犬との暮らしを実現しましょう。