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犬の多頭飼育と賃貸物件の環境維持:契約解除は可能?【弁護士監修】

#犬との暮らし
 

賃貸物件を所有されている大家さんにとって、借家人とのトラブルは大きな悩みの種ですよね。特に、ペット可の物件で犬の多頭飼育をされている場合、鳴き声や臭い、庭の管理など、様々な問題が発生する可能性があります。今回は、実際にあった大家さんの事例をもとに、犬の多頭飼育による環境問題が、賃貸契約の解除に繋がるのかどうかを詳しく解説していきます。

一軒家を貸していますが、問題の多い借家人で一年間もめています。一度契約打ち切りの旨を伝えたところ、借家人は借家借家法に基づいて、契約違反を一切していないと言われ追い出すことができませんでした。問題点として、犬が数十匹いること(契約に頭数の記載はなく、最初から複数匹飼育していることは伝えていた)、犬の吠えや臭いの問題(近所からの苦情はなし)、庭の草刈り管理をせず草がボーボーになっていること(契約に草刈りの義務は記載なし)、蔵に犬の糞を袋に入れて積んでいることが挙げられます。これらの理由で契約破棄を拒否されましたが、草刈りについては環境維持の破壊にあたり、犬の糞を蔵に放置することは環境汚染として、訴えることは可能でしょうか?明け渡し控訴で有利になるのでしょうか?

結論:環境汚染・維持破壊を理由に契約解除できる可能性は?

結論から言うと、今回のケースで「環境汚染」や「環境維持破壊」を理由に、直ちに契約解除や明け渡し請求が認められる可能性は低いと考えられます。しかし、諦めるのはまだ早いです。状況を詳しく分析し、適切な対策を講じることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

ケーススタディ:大家Aさんの苦悩

今回の質問者である大家Aさんは、田舎にある一軒家を賃貸に出しています。借家人は犬好きで、契約当初から複数匹の犬を飼育することを伝えていました。しかし、入居後、犬の数は増え続け、数十匹にまで膨れ上がってしまいました。鳴き声や臭い、庭の荒れ放題の状態に、Aさんは頭を抱えています。

Aさんは一度、契約解除を申し出ましたが、借家人は「契約違反はない」と主張し、立ち退きを拒否。Aさんは途方に暮れていましたが、知人から「環境汚染や環境維持破壊で訴えることができるのではないか」とアドバイスを受け、今回の質問に至ったのです。

専門家の見解:弁護士B先生に聞いてみた

そこで、今回は賃貸トラブルに詳しい弁護士B先生に、今回のケースについて詳しく解説していただきました。

B先生「まず、今回のケースで重要なのは、契約書の内容です。契約書に犬の飼育に関する条項がどのように記載されているかを確認しましょう。頭数制限や、鳴き声、臭いに関する条項があれば、それを根拠に契約解除を求めることができる可能性があります。」

B先生「次に、近隣住民からの苦情の有無も重要です。近隣住民からの苦情があれば、借家人の行為が平穏な生活を侵害しているとして、不法行為に基づく損害賠償請求や、契約解除を求めることができる可能性があります。」

B先生「今回のケースでは、近隣住民からの苦情はないとのことですが、だからといって諦める必要はありません。例えば、犬の鳴き声や臭いが、客観的に見て社会生活上受忍すべき限度を超えている場合、近隣住民からの苦情がなくても、契約解除が認められる可能性があります。」

B先生「また、庭の草刈りや、犬の糞の放置についても、契約書に明記されていなくても、賃貸物件の維持管理義務として、借家人が行うべき行為と解釈される場合があります。特に、犬の糞の放置は、悪臭や衛生上の問題を引き起こす可能性があり、環境汚染として問題視される可能性があります。」

環境汚染・維持破壊で訴えることは可能か?

今回のケースで、Aさんが「環境汚染」や「環境維持破壊」を理由に訴えることができるかどうかですが、これは非常に難しい問題です。なぜなら、「環境汚染」や「環境維持破壊」の定義は曖昧で、具体的な基準がないからです。

しかし、諦めるのはまだ早いです。以下のポイントに注目し、証拠を集めることで、訴訟で有利に立つことができる可能性があります。

契約解除に向けて:具体的なステップ

今回のケースで、Aさんが契約解除に向けて具体的にどのようなステップを踏むべきか、B先生にアドバイスをいただきました。

  1. 契約書を再度確認する

    犬の飼育に関する条項、禁止事項、特約事項などを確認し、違反がないかチェックしましょう。

  2. 内容証明郵便で催告書を送付する

    借家人に対し、契約違反の内容(犬の鳴き声、臭い、庭の荒れ具合、犬の糞の放置など)を具体的に指摘し、改善を求める催告書を送付します。内容証明郵便を利用することで、催告した事実を証明することができます。

  3. 証拠を収集する

    犬の鳴き声や臭いの程度、庭の荒れ具合、犬の糞の量などを客観的に証明できる証拠を収集します。写真、動画、騒音計や臭気測定器のデータ、専門業者の評価書などが有効です。

  4. 近隣住民に協力を依頼する

    近隣住民に、犬の鳴き声や臭い、庭の状況について証言してもらうよう依頼します。証言は録音または書面で残しておきましょう。

  5. 弁護士に相談する

    専門家である弁護士に相談し、今後の対応についてアドバイスを求めましょう。訴訟になった場合の勝算や、具体的な訴訟手続きについて詳しく教えてもらうことができます。

  6. 調停を申し立てる

    裁判所に調停を申し立て、借家人との話し合いによる解決を目指します。調停では、調停委員が間に入り、双方の意見を聞きながら、和解案を提示してくれます。

  7. 訴訟を提起する

    調停で解決しない場合は、訴訟を提起し、裁判所に判断を仰ぎます。訴訟では、収集した証拠や、弁護士の主張に基づき、契約解除の正当性を訴えます。

犬との共生:トラブルを未然に防ぐために

今回のケースは、犬の多頭飼育が原因で発生したトラブルですが、犬との共生は、飼い主だけでなく、大家さんや近隣住民にとっても大切なテーマです。トラブルを未然に防ぐためには、以下の点に注意することが重要です。

まとめ:諦めずに、専門家と協力して解決を目指しましょう

今回のケースでは、Aさんが「環境汚染」や「環境維持破壊」を理由に、直ちに契約解除や明け渡し請求が認められる可能性は低いと考えられます。しかし、諦めるのはまだ早いです。状況を詳しく分析し、適切な対策を講じることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

まずは、契約書の内容を再度確認し、借家人に内容証明郵便で催告書を送付しましょう。そして、犬の鳴き声や臭いの程度、庭の荒れ具合、犬の糞の量などを客観的に証明できる証拠を収集し、近隣住民に協力を依頼しましょう。最後に、専門家である弁護士に相談し、今後の対応についてアドバイスを求めることをお勧めします。

犬との共生は、飼い主だけでなく、大家さんや近隣住民にとっても大切なテーマです。トラブルを未然に防ぐためには、ペット可物件を選ぶ際の注意点、犬の飼育に関するルール作り、近隣住民とのコミュニケーションが重要です。今回の記事が、犬との共生におけるトラブル解決の一助となれば幸いです。

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