猫と犬、どちらにも快適な賃貸物件にリフォームしたいけれど、猫のことはよく分からない…そんなお悩みをお持ちではありませんか?特に、階段しかない物件で、ペット共生型にするには、どんな工夫が必要なのでしょうか?今回は、犬を飼っている大家さんが、猫にも喜ばれる物件にするためのリフォーム術と、階段物件でも入居者を惹きつける秘訣を、具体的なアドバイスと共にご紹介します。
猫は高い場所が好きで、立体的な動きを好みます。そのため、猫が快適に過ごせる空間を作るには、縦の動線を意識したリフォームが不可欠です。
キャットウォークとキャットタワーの設置
    壁面に取り付けるキャットウォークや、天井まで届くキャットタワーは、猫の運動不足解消に役立ちます。材質は、猫が爪とぎできる自然素材のものがおすすめです。また、複数の猫が同時に使えるように、広めのステップや隠れ家になるボックスなどを設けると、猫同士のストレス軽減にも繋がります。
猫専用の出入り口
    猫は狭い場所を通り抜けるのが好きです。ドアに猫専用の出入り口を設けることで、自由に移動できるようになり、ストレスを軽減できます。特に、トイレや食事の場所へのアクセスを容易にすることで、猫の生活の質を向上させることができます。
安全なベランダ対策
    ベランダは猫にとって魅力的な場所ですが、転落の危険性も伴います。猫が安全にベランダを楽しめるように、以下の対策を講じましょう。
転落防止柵の設置:猫が通り抜けられない目の細かいネットや柵を設置します。
日よけ対策:夏場のベランダは高温になるため、日よけを設置して猫が快適に過ごせるようにします。
植物の配置:猫が口にすると有害な植物は避け、安全な植物を選びましょう。猫草などを植えて、猫が自然を楽しめるようにするのもおすすめです。
犬は猫と異なり、床での活動が中心となります。そのため、犬が快適に過ごせる空間を作るには、床材の選定や安全対策が重要です。
滑りにくい床材の選定
    犬はフローリングなどの滑りやすい床材では、関節を痛めやすいです。滑りにくい素材の床材を選びましょう。
クッションフロア:適度な弾力性があり、防音性にも優れています。
タイルカーペット:汚れた部分だけ交換できるので、お手入れが簡単です。
コルクマット:自然素材で、滑りにくく、防音性にも優れています。
消臭・抗菌対策
    犬は特有のニオイを発することがあります。消臭・抗菌効果のある壁材や床材を選びましょう。
漆喰:調湿効果があり、消臭効果も期待できます。
珪藻土:吸水性が高く、消臭効果もあります。
消臭機能付き壁紙:手軽に導入でき、デザインも豊富です。
安全柵の設置
犬が立ち入ってほしくない場所には、安全柵を設置しましょう。キッチンや階段など、危険な場所への侵入を防ぐことができます。
犬と猫が仲良く暮らせるように、両者に配慮したリフォームを行いましょう。
食事場所の分離
    犬と猫の食事場所は、それぞれ আলাদাに設けることが重要です。犬が猫の食事を横取りしたり、猫が落ち着いて食事できなかったりするのを防ぐことができます。
トイレの場所
    犬と猫のトイレは、それぞれ別の場所に設置しましょう。猫は清潔な場所を好むため、トイレが汚れていると排泄を我慢してしまうことがあります。
遊び場所の共有
犬と猫が一緒に遊べるスペースを設けましょう。ただし、犬が猫を追いかけ回したり、猫が犬に怯えたりしないように、お互いの性格を考慮して、安全に遊べる環境を整えることが大切です。
階段しかない物件は、ペットを飼っている人にとっては、大きな負担となることがあります。しかし、以下の対策を講じることで、階段物件のデメリットを克服し、入居率アップに繋げることができます。
ペット専用の設備
足洗い場:玄関前に足洗い場を設置することで、散歩帰りのペットの足を清潔に保つことができます。
ペット用ゴミ箱:ペットの排泄物を捨てる専用のゴミ箱を設置することで、ニオイ対策になります。
リードフック:玄関やベランダにリードフックを設置することで、ペットを一時的に繋いでおくことができます。
共用スペースの改善
滑り止めマット:階段に滑り止めマットを設置することで、ペットの足腰への負担を軽減できます。
消臭剤の設置:共用スペースに消臭剤を設置することで、ニオイ対策になります。
ペットに関する掲示板:ペットに関する情報を共有できる掲示板を設置することで、入居者同士の交流を促進できます。
家賃設定
階段物件であることを考慮して、家賃を相場よりも少し低めに設定することも有効です。ペット共生型物件としての付加価値を考慮しつつ、入居者が納得できる価格設定を行いましょう。
実際にペット共生型賃貸物件に住んでいる入居者の声を聞いてみましょう。
Aさん(犬と猫を飼っている):
    「以前住んでいたマンションは、ペット可ではあったものの、特にペットのための設備はありませんでした。今のマンションは、足洗い場やリードフックなど、ペットのための設備が充実しているので、とても快適に暮らせています。階段は少し大変ですが、ペットのことを考えて作られたマンションなので、満足しています。」
Bさん(犬を飼っている):
    「階段しかないマンションなので、最初は不安でしたが、滑り止めマットが敷いてあったり、共用スペースに消臭剤が置いてあったりと、配慮が行き届いているので、安心して住んでいます。他の入居者の方もペットを飼っているので、散歩中に情報交換をしたり、交流が深まったりするのも嬉しいです。」
ペット共生型賃貸物件のリフォームを行う際には、以下の点に注意しましょう。
専門業者への相談:ペットの生態に詳しい専門業者に相談し、適切なリフォームプランを立てましょう。
安全性の確保:ペットが怪我をしないように、安全性の高い素材や設備を選びましょう。
メンテナンスの容易さ:清掃やメンテナンスがしやすい素材や設備を選びましょう。
入居者のニーズの把握:入居者のニーズを把握し、ニーズに合ったリフォームを行いましょう。
犬と猫、両方に優しい賃貸物件にするためには、それぞれの特性に合わせたリフォームが必要です。猫には縦の動線を意識した空間作り、犬には安全で快適な居住空間の提供を心がけましょう。階段物件のデメリットを克服するために、ペット専用の設備や共用スペースの改善も重要です。入居者の声や専門家のアドバイスを参考に、ペットと人が快適に暮らせる賃貸物件を目指しましょう。
これらの対策を講じることで、階段物件でもペットを飼っている入居者にとって魅力的な物件となり、空室対策にも繋がります。ぜひ、今回の記事を参考に、犬と猫に優しい賃貸物件作りを実現してください。