事前審査はまだですが、不動産会社に旦那様の源泉徴収票を見せたところ、4000万円位なら銀行から借りられるかもしれないと言われたそうです。引っ越し後は奥様もアルバイトやパートで月10万円程度の収入を得る予定です。
この状況で実際に新築一戸建てを購入した場合、生活は厳しいでしょうか? もし厳しい場合、いくら以下の物件で、月々の返済額をいくら以下にすれば無理なく暮らせるでしょうか?
元々はマンション、アパート、一軒家を問わず賃貸で引っ越しを考えていたそうですが、中型犬を飼っているため、なかなか条件に合う物件が見つからず、借りたとしても月々10万円程度の家賃になりそうだったため、家を買おうという話になりました。
正直計画的ではないため、ご夫婦ともに一戸建て購入にかかる金額や注意点等の知識があまりないとのことです。
質問は以下の3点です。
【私達の条件で暮らしていけるのかどうか?】
【新築一戸建て購入する時の注意点】
【不動産会社と契約する時の注意点】
ご質問ありがとうございます!愛犬との暮らしを大切に考え、住まい探しをされているのですね。新築一戸建ての購入は大きな決断ですから、不安に思うのは当然です。今回は、3つの質問にお答えしながら、愛犬との新生活を無理なくスタートするためのポイントを解説していきます。
今回の相談者様と似た状況で、新築一戸建てを購入したAさんのケースをご紹介しましょう。Aさんは30代のご夫婦と小型犬1匹の3人家族。奥様が妊娠を機に、将来を見据えて家を購入することを決意しました。
Aさんのご主人の年収は550万円。奥様は出産後、しばらくは育児に専念するため収入はありませんでした。当初は3500万円の新築一戸建てを検討していましたが、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談した結果、将来の教育費や犬の医療費などを考慮し、2800万円の物件に絞り込みました。
Aさんは、住宅ローンの返済だけでなく、固定資産税や都市計画税、修繕費などの維持費も考慮して資金計画を立てました。また、奥様が育児休業から復帰した後も、無理なく返済できるよう、繰り上げ返済の計画も立てていました。
Aさんは不動産会社との契約前に、必ず複数の物件を比較検討し、住宅ローンの金利や諸費用も比較しました。また、契約書の内容を隅々まで確認し、不明な点は納得いくまで質問しました。
その結果、Aさんは愛犬との快適な新生活を送ることができています。Aさんの成功の秘訣は、焦らずにじっくりと情報収集し、無理のない資金計画を立てたこと、そして、不動産会社との契約前にしっかりと確認作業を行ったことです。
まず、一番気になる「今の条件で暮らしていけるのか」という点についてですが、結論から言うと、慎重な資金計画と物件選びが不可欠です。
旦那様の年収500万円、奥様のパート収入10万円、合計600万円の収入で、3000万円の住宅ローンを組む場合、毎月の返済額は約8.5万円になります(金利や返済期間によって変動)。
しかし、住宅ローン以外にも、固定資産税、都市計画税、住宅ローンの保証料、火災保険料、地震保険料、修繕費などの維持費がかかります。これらの費用を合計すると、毎月2~3万円程度になる可能性があります。
つまり、毎月の住居費は10~11.5万円程度になる計算です。現在の家賃10万円と同程度ですが、賃貸と異なり、固定資産税などの税金や、家の修繕費用を自分で負担する必要があります。
さらに、犬を飼っている場合は、食費、医療費、トリミング代などの費用もかかります。これらの費用も考慮して、毎月の生活費を計算し、無理なく返済できるかどうかを確認する必要があります。
新築一戸建てを購入する際には、物件価格以外にも様々な費用がかかります。
仲介手数料: 不動産会社に支払う手数料で、物件価格の3% + 6万円 + 消費税が上限です。
登記費用: 土地や建物の所有権を登記するための費用です。
住宅ローン関連費用: 住宅ローンの保証料、融資手数料、団体信用生命保険料などがかかります。
引越し費用: 引越し業者に支払う費用や、不用品処分費用などがかかります。
家具・家電製品購入費用: 新居に合わせて家具や家電製品を買い替える費用がかかります。
その他費用: カーテンレールや照明器具の設置費用、インターネット回線の工事費用などがかかる場合があります。
これらの費用は、合計で数百万円になることもあります。事前にしっかりと見積もりを取り、資金計画に含めておくことが重要です。
住宅ローンの専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)に相談することで、無理のない返済計画を立てることができます。FPは、あなたの収入や支出、家族構成などを考慮し、最適な住宅ローンの選び方や返済方法をアドバイスしてくれます。
また、不動産会社の担当者だけでなく、複数の専門家の意見を聞くことで、客観的な判断をすることができます。
新築一戸建ての購入は、人生で最も大きな買い物の一つです。後悔しないために、以下の点に注意しましょう。
通勤・通学の利便性: 最寄りの駅やバス停からの距離、電車の混雑状況などを確認しましょう。
周辺環境: スーパー、コンビニ、病院、公園などの生活に必要な施設が近くにあるかを確認しましょう。
治安: 夜間の人通り、街灯の有無などを確認しましょう。
騒音: 近隣の交通量、工場の有無などを確認しましょう。
日当たり: 周囲の建物の影響で日当たりが悪くないかを確認しましょう。
地盤: 地盤が弱いと、地震の際に建物が傾いたり、液状化現象が発生したりする可能性があります。
ハザードマップ: 洪水、土砂災害、地震などの災害リスクを確認しましょう。
特に犬と暮らす場合は、近くに散歩できる公園や緑地があるか、動物病院があるかなども重要なポイントです。
構造: 耐震性、耐久性、断熱性などを確認しましょう。
設備: キッチン、バス、トイレなどの設備が使いやすいか、省エネ性能が高いかなどを確認しましょう。
間取り: 家族構成やライフスタイルに合った間取りになっているかを確認しましょう。
内装: 壁、床、天井などの仕上げが丁寧か、傷や汚れがないかを確認しましょう。
アフターサービス: 保証期間、保証内容、定期点検の有無などを確認しましょう。
住宅の品質をチェックする際には、住宅診断(ホームインスペクション)を利用するのも有効です。住宅診断士が、建物の構造や設備の状態を専門的な視点からチェックし、欠陥や不具合がないかを診断してくれます。
愛犬との暮らしを快適にするためには、以下の点も考慮しましょう。
庭の有無: 犬が自由に遊べる庭があると、運動不足解消になります。
床材: 滑りにくく、掃除しやすい床材を選びましょう。
壁材: 傷や汚れがつきにくい壁材を選びましょう。
収納: 犬用品を収納できるスペースがあると便利です。
ペット用設備: ペット用の洗い場やトイレなどを設置すると、より快適な暮らしを送れます。
不動産会社との契約は、慎重に進める必要があります。以下の点に注意しましょう。
複数の不動産会社に相談し、それぞれの担当者の対応や提案内容を比較検討しましょう。信頼できる担当者を見つけることが、良い物件を見つけるための第一歩です。
契約書の内容を隅々まで確認し、不明な点は必ず担当者に質問しましょう。特に、以下の点に注意して確認しましょう。
物件情報: 所在地、面積、間取り、設備などが正確に記載されているかを確認しましょう。
契約条件: 契約解除の条件、手付金の額、違約金などについて確認しましょう。
重要事項説明: 物件に関する重要な情報(権利関係、法令上の制限、設備状況など)が記載されています。
瑕疵担保責任: 契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)の内容を確認しましょう。
契約内容に不安な点がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。専門家は、契約内容をチェックし、法的なアドバイスをしてくれます。
宅地建物取引業法では、不動産会社は契約前に「重要事項説明」を行うことが義務付けられています。重要事項説明では、物件に関する重要な情報(権利関係、法令上の制限、設備状況など)が説明されます。必ず説明を受け、内容を理解した上で契約するようにしましょう。
手付金は、契約を解除する場合に放棄しなければならないお金です。手付金の額は、一般的に物件価格の5~10%程度ですが、高額な手付金を支払う場合は、慎重に検討しましょう。
新築一戸建ての購入は、愛犬との暮らしをより豊かにするための素晴らしい選択肢です。しかし、そのためには、慎重な計画と情報収集が欠かせません。
今回の記事でご紹介したポイントを参考に、ご夫婦でじっくりと話し合い、愛犬との幸せな新生活を実現してくださいね。応援しています!