せっかく愛犬と暮らせる理想の戸建てを見つけたのに、契約直前で破棄されるなんて、本当に悔しいですよね。しかも、礼金の上乗せまで了承したのに…。今回は、このような不当な破棄に対して、どのようなアクションを起こせるのか、諦める前に確認すべきポイントを徹底解説します。
これは、Aさんの体験談を基にした物語です。Aさんは、長年連れ添った愛犬のポメラニアン「モコ」と共に、広々とした庭付きの戸建てで暮らすことを夢見ていました。
数ヶ月かけて探し、ようやく理想の物件を見つけました。不動産屋Bの担当者Cさんも親身になって相談に乗ってくれ、大家さん(不動産屋Aの社長)との交渉もスムーズに進みました。
元々、外犬はOKの物件でしたが、Aさんはモコを室内で飼いたいと考えていました。そこで、Cさんが大家さんと交渉した結果、礼金に1ヶ月分を上乗せすることで、特別に許可を得ることができました。
初期費用や家賃、契約条件など、全てに納得し、あとは契約書にサインするだけという段階で、突然、大家さんから「大手の法人に貸し出すことになったので、今回は白紙にしてほしい」と告げられたのです。
Aさんは、Cさんと共に大家さんに抗議しましたが、大家さんの決意は固く、結局、契約は破棄されてしまいました。
Aさんは、モコと共に途方に暮れました。「どうしてこんなことに…」Aさんは、Cさんに言いました。「何かできることはないのでしょうか?」
Cさんは、Aさんにこう答えました。「諦めないでください。まだできることはあります。」
今回のケースは、残念ながら「契約前」の状態です。一般的に、賃貸契約は、大家さんと入居者の双方が合意し、契約書にサインした時点で成立します。つまり、契約書にサインする前であれば、法的には契約は成立していないとみなされる可能性が高いのです。
しかし、今回のケースでは、Aさんは、礼金の上乗せを了承し、鍵の交換費用も支払うことで合意しています。これは、民法上の「契約の申し込み」とみなされる可能性があります。
大家さんが、Aさんの「契約の申し込み」を承諾したにも関わらず、一方的に破棄した場合、Aさんは、大家さんに対して、損害賠償を請求できる可能性があります。
損害賠償を請求できる可能性があるのは、主に以下の費用です。
引越し準備にかかった費用:引越し業者への見積もり費用、梱包材の購入費用など
仮住まいの費用:契約破棄によって、一時的にホテルなどに宿泊した場合の費用
精神的苦痛に対する慰謝料:契約破棄によって受けた精神的な苦痛に対する賠償金
ただし、これらの費用を請求するには、大家さんの行為によって損害が発生したことを証明する必要があります。
損害賠償を請求するためには、以下の証拠を集めることが重要です。
不動産屋とのやり取りの記録:メール、LINE、手紙など、契約に関するやり取りの記録
契約破棄の理由が書かれた書面:大家さんから契約破棄の理由が書かれた書面
損害額を証明する書類:引越し費用の見積もり書、仮住まいの領収書など
これらの証拠があれば、大家さんとの交渉を有利に進めることができます。
1. 内容証明郵便を送付する
まず、大家さんに対して、内容証明郵便を送付しましょう。内容証明郵便とは、いつ、誰が、誰に、どのような内容の手紙を送ったかを証明する郵便です。
内容証明郵便には、以下の内容を記載します。
契約の申し込みをしていたこと
大家さんが契約を承諾していたこと
一方的な契約破棄によって損害が発生したこと
損害賠償を請求する意思表示
内容証明郵便を送付することで、大家さんに対して、法的な責任を追及する姿勢を示すことができます。
2. 不動産屋Bに相談する
仲介に入っていた不動産屋Bの担当者Cさんは、今回の事態に納得していない様子です。Cさんに、今回の経緯を詳しく説明し、今後の対応について相談しましょう。
不動産屋Bは、大家さんとの交渉を代行してくれる可能性があります。また、他の物件を紹介してくれる可能性もあります。
3. 弁護士に相談する
内容証明郵便を送付しても、大家さんが交渉に応じない場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士は、法的な専門家として、あなたの権利を守ってくれます。
弁護士に依頼すると、費用がかかりますが、損害賠償請求が認められた場合、弁護士費用も大家さんに請求できる可能性があります。
愛犬との賃貸生活は、楽しいことばかりではありません。トラブルを避けるためには、契約前にしっかりと確認しておくことが重要です。
ペット可の条件を確認する
ペット可の物件でも、犬種やサイズ、頭数などに制限がある場合があります。契約前に、ペット可の条件をしっかりと確認しましょう。
ペットに関する特約を確認する
ペット可の物件では、ペットに関する特約が設けられている場合があります。特約の内容をしっかりと確認し、納得した上で契約しましょう。
近隣住民への配慮を忘れない
犬の鳴き声や臭いなどは、近隣住民とのトラブルの原因になることがあります。散歩の時間帯や場所、排泄物の処理など、近隣住民への配慮を心がけましょう。
今回のケースは、契約前の破棄であり、法的に争うことは難しいかもしれません。しかし、諦めずに、できる限りのアクションを起こすことで、損害賠償を請求できる可能性があります。
愛犬との幸せな生活のために、泣き寝入りせずに、専門家や不動産屋に相談しながら、解決策を探していきましょう。