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犬との素敵な物語〜犬との暮らし〜

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犬と暮らした20年の戸建て賃貸退去時、原状回復費用は?修繕義務と費用負担の境界線

#原状回復
 
20年住んでいる戸建賃貸の現状回復について相談です。昨年の大掃除で2階の天井板に複数のシミを発見し、触ると崩れそうでした。全室確認したところ、1、2階のサッシが施錠できず、引き戸の不具合や建物の傾きも判明しました。室内壁は砂壁で、以前室内犬を飼育していた際に壁を汚したため、自己負担で補修しましたが、それ以外は未補修です。サッシは使用可能ですが施錠はできません。建物は築40年以上で、20年間でトイレ、風呂、キッチンの床のみ補修されています。契約上、気になる箇所は連絡すれば自由に補修して良いとのことでしたが、今更する気はありません。退去する場合、原状回復費用を請求される可能性はありますか?また、修繕不履行で引越し費用などを請求できるでしょうか?

はじめに:20年の重みと原状回復義務

20年という長い間、同じ戸建て賃貸で愛犬と共に暮らしてきたのですね。年月が経つにつれて、建物の老朽化が進み、様々な箇所で不具合が出てくるのは自然なことです。しかし、退去時の原状回復となると、どこまでが借主の負担になるのか、不安に感じるのも当然です。今回は、長年連れ添った愛犬との思い出が詰まったお家を退去する際の、原状回復義務について、詳しく解説していきます。

結論から言うと、今回のケースでは、20年間という居住年数、建物の老朽化、そして過去の補修履歴などを考慮すると、借主であるあなたが原状回復費用を全額負担する必要はない可能性が高いです。しかし、そのためには、契約内容や法律、そして具体的な状況をしっかりと把握しておく必要があります。

ケーススタディ:原状回復義務を巡る物語

今回のケースをより深く理解するために、似たような状況で原状回復費用を請求されたAさんの事例を見てみましょう。Aさんも築40年以上の戸建て賃貸に20年近く住んでおり、退去時に高額な原状回復費用を請求されました。しかし、Aさんは諦めずに、弁護士に相談し、以下の点を主張しました。
建物の老朽化は自然損耗であり、借主の負担ではない
契約書に特約がない場合、通常損耗は家賃に含まれていると解釈される
過去の補修履歴から、貸主が修繕義務を怠っていた可能性がある

その結果、Aさんは原状回復費用の大幅な減額に成功し、最終的にはほとんど費用を負担せずに退去することができました。Aさんの事例は、諦めずに交渉することで、原状回復費用の負担を軽減できる可能性を示唆しています。

原状回復義務とは?法律の基本を理解する

原状回復義務とは、賃貸契約終了時に、借主が借りたときの状態に戻して物件を返還する義務のことです。しかし、これはあくまで原則であり、実際には、経年劣化や通常損耗については、借主が原状回復義務を負わないとされています。
経年劣化:時間の経過とともに自然に発生する劣化(例:壁紙の変色、畳の摩耗)
通常損耗:通常の使用によって発生する損耗(例:家具の設置による床のへこみ、日焼けによる変色)

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復義務について、以下のように定義しています。

> 原状回復とは、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではありません。賃借人の居住、使用により発生した損耗のうち、通常の使用を超えるような特別の損耗を回復することを意味します。

つまり、あなたが20年間普通に生活していた中で発生した損耗については、原状回復義務を負わないということです。ただし、犬を飼育していたことによる壁の汚れなど、通常の使用を超える損耗については、原状回復義務を負う可能性があります。

愛犬との暮らし:ペットによる損耗の範囲

犬を室内で飼育していた場合、壁や床に傷や汚れがつくことは避けられません。これらの損耗は、通常損耗を超えるものとして、原状回復義務を負う可能性があります。しかし、その範囲については、以下の点を考慮する必要があります。
損耗の程度:傷や汚れの程度が著しい場合、原状回復義務を負う可能性が高くなります。
補修の難易度:補修が容易な場合、費用負担は少なくなります。
契約内容:ペット飼育に関する特約がある場合、その内容に従う必要があります。

今回のケースでは、過去に壁を汚した際に自己負担で補修したとのことですので、その点は考慮される可能性があります。しかし、それ以外の箇所についても、損耗の程度や補修の難易度などを考慮して、貸主と交渉する必要があります。

交渉の切り札:修繕義務と費用負担

今回のケースで重要なポイントは、貸主が修繕義務を怠っていた可能性があるということです。民法では、貸主は賃貸物件を正常な状態で維持する義務を負っています。今回のケースでは、サッシの不具合、引き戸の不具合、建物の傾きなど、貸主が修繕すべき箇所が複数存在します。

もし、これらの不具合が長期間放置されていた場合、貸主は修繕義務を怠っていたとみなされる可能性があります。その場合、あなたは、修繕不履行を理由に、原状回復費用の減額や、場合によっては引越し費用の請求をすることも可能です。

ただし、そのためには、以下の証拠を揃える必要があります。
不具合箇所の写真:不具合の状況を具体的に示す写真
貸主への連絡記録:不具合を貸主に伝えた日時、方法、内容
専門家の意見書:建物の傾きなど、専門的な知識が必要な場合は、専門家の意見書

これらの証拠を揃えて、貸主と交渉することで、有利な条件で退去できる可能性が高まります。

プロの視点:不動産鑑定士からのアドバイス

ここで、不動産鑑定士のBさんに、今回のケースについてアドバイスを求めてみましょう。

Bさん:「今回のケースでは、20年という居住年数が非常に重要です。一般的に、建物の価値は年々減少していきますので、20年経過した建物に、新品同様の状態を求めるのは無理があります。また、過去にあなたが壁を補修したという事実は、貸主が修繕義務を認識していたことの証拠になります。これらの点を踏まえて、貸主と交渉することで、原状回復費用の減額は十分に可能です。」

Bさんはさらに、交渉のポイントとして、以下の点を挙げました。
感情的にならず、冷静に交渉する
法律や判例を根拠に、論理的に主張する
第三者(弁護士や不動産鑑定士)の意見を求める

これらのアドバイスを参考に、冷静かつ論理的に交渉を進めることが、原状回復費用の負担を軽減するための鍵となります。

賢い選択:引越し費用を請求できる?

今回のケースでは、修繕不履行を理由に、引越し費用を請求できる可能性も考えられます。しかし、そのためには、以下の条件を満たす必要があります。
修繕義務違反:貸主が修繕義務を怠っていたこと
契約解除:修繕義務違反によって、賃貸契約を解除せざるを得なくなったこと
因果関係:契約解除と引越し費用の間に因果関係があること

今回のケースでは、サッシの不具合、引き戸の不具合、建物の傾きなど、貸主が修繕義務を怠っていた可能性があります。もし、これらの不具合が原因で、あなたが安全に生活できなくなった場合、契約解除を検討することもできます。

ただし、契約解除をする場合は、必ず内容証明郵便で貸主に通知する必要があります。また、引越し費用を請求する場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

最終チェックリスト:退去前に確認すべきこと

最後に、退去前に確認すべきことをチェックリスト形式でまとめました。
[ ] 賃貸契約書を確認する
[ ] 不具合箇所の写真撮影
[ ] 貸主への連絡記録の整理
[ ] 見積もりの取得(複数の業者から)
[ ] 弁護士への相談(必要に応じて)
[ ] 内容証明郵便の送付(必要に応じて)
[ ] 退去時の立会い

これらの項目をしっかりと確認し、準備万端で退去に臨みましょう。

まとめ:愛犬との思い出を胸に、新たなスタートを

今回は、20年住んだ戸建て賃貸の退去時の原状回復義務について解説しました。今回のケースでは、20年という居住年数、建物の老朽化、そして過去の補修履歴などを考慮すると、借主であるあなたが原状回復費用を全額負担する必要はない可能性が高いです。

しかし、そのためには、契約内容や法律、そして具体的な状況をしっかりと把握しておく必要があります。今回の記事を参考に、貸主としっかりと交渉し、納得のいく形で退去できるように頑張ってください。

そして、愛犬との思い出が詰まったお家を後に、新たなスタートを切ってください。きっと、素敵な未来が待っています。

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