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犬との賃貸生活:退去時の修繕費、どこまで負担する?ケーススタディで徹底解説

#退去費用
 

賃貸物件でのペットとの暮らしは、かけがえのない喜びをもたらしてくれます。しかし、退去時には修繕費の問題が頭を悩ませることも。特に、愛犬が柱や襖をかじってしまった場合、どこまで費用を負担する必要があるのでしょうか?今回は、築30年以上のペット可物件に7年間居住したケースを基に、修繕費の負担割合について詳しく解説します。

まずは、今回のご相談内容を確認しましょう。

賃貸物件の退去時の修繕費について質問です。築30年以上の一軒家に7年住みました。ペット可の物件です。犬を飼っているのですが、柱と襖のレールをかじってしまい、噛み跡があります。この場合、修繕費を全額負担する必要があるのでしょうか?それとも、経年数を考慮して、1割か2割程度の負担で済むのでしょうか?契約書にはペットに関する特約はありません。

この質問に対する答えを導き出すために、今回は、犬と暮らす賃貸物件にお住まいのAさんのケースを参考に、退去時の修繕費について考えていきましょう。

ケーススタディ:Aさんの場合

Aさんは、都心に近い築25年のマンションに、愛犬のポメラニアン「ポム」と一緒に5年間暮らしていました。ペット可の物件であることはもちろん、Aさんは日頃からポムの安全と、マンションの美観維持に気を配っていました。しかし、退去時、管理会社から「壁の数カ所に犬の引っ掻き傷がある」として、修繕費の見積もりが提示されたのです。

Aさんは見積もりの金額に納得がいかず、私たちに相談にいらっしゃいました。

「日頃から壁に傷がつかないように、ポムにも言い聞かせていましたし、自分なりに気をつけていたつもりです。でも、よく見ると小さな傷がいくつかあって…。これは全額負担しなければいけないのでしょうか?」

Aさんの不安はもっともです。そこで、私たちはAさんのケースを詳しくヒアリングし、修繕費用の負担について、いくつかのポイントを整理しました。

修繕費用の負担割合を左右する3つのポイント

賃貸物件の退去時、修繕費用の負担割合は、以下の3つの要素によって大きく左右されます。

1. 契約内容の確認
2. 原状回復義務の範囲
3. 経年劣化の考慮

1. 契約内容の確認:ペットに関する特約の有無

まず重要なのは、賃貸契約書の内容を確認することです。特に、ペットに関する特約の有無は、修繕費用の負担に大きく影響します。
ペット可物件の場合:
ペット可物件であっても、契約書に「ペットによる損害は借主が負担する」といった特約が記載されている場合があります。この場合、Aさんのように、犬が原因で発生した傷や汚れについては、借主が修繕費用を負担する義務が生じる可能性があります。
ペット不可物件の場合:
ペット不可物件で無許可でペットを飼育していた場合、契約違反となり、修繕費用の全額を請求される可能性もあります。

Aさんの場合、契約書を確認したところ、ペットに関する特約は特に記載されていませんでした。しかし、ペット可物件である以上、ある程度の傷や汚れは想定されているはずです。

2. 原状回復義務の範囲:通常損耗と特別損耗

次に、原状回復義務の範囲を確認しましょう。原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、入居時の状態に戻すことを意味します。しかし、国土交通省のガイドラインによると、借主が負担すべきなのは「借主の故意・過失、または通常の使用を超える使用によって生じた損耗」のみとされています。
通常損耗:
日焼けによるクロスの変色、家具の設置による床のへこみなど、通常の使用によって発生する損耗は、貸主が負担すべきとされています。
特別損耗:
借主の不注意や故意によって生じた損耗(例:タバコのヤニ汚れ、落書き、ペットによる傷など)は、借主が負担する必要があります。

Aさんのケースでは、犬の引っ掻き傷は「通常の使用を超える使用によって生じた損耗」とみなされる可能性が高く、Aさんが修繕費用を負担する必要があると考えられます。

3. 経年劣化の考慮:築年数と使用期間

最後に、経年劣化を考慮しましょう。建物や設備は、時間の経過とともに劣化していくものです。そのため、修繕費用を算出する際には、築年数や使用期間を考慮し、借主の負担割合を減額する必要があります。

一般的に、建物の価値は年々減少していくと考えられています。そのため、築年数が古い物件ほど、借主の負担割合は少なくなる傾向があります。また、同じ損耗であっても、使用期間が長ければ長いほど、経年劣化による影響が大きいため、借主の負担割合は少なくなる可能性があります。

Aさんの場合、マンションの築年数は25年、居住期間は5年です。これらの要素を考慮すると、Aさんが修繕費用の全額を負担する必要はないと考えられます。

Aさんのケースの解決策:交渉と専門家への相談

上記の3つのポイントを踏まえ、私たちはAさんに以下の2つの解決策を提案しました。

1. 管理会社との交渉:
まずは、管理会社と交渉し、修繕費用の減額を求めることを提案しました。その際、以下の点を主張することが重要です。
ペット可物件であること
日頃からペットの飼育に配慮していたこと
築年数と居住期間を考慮し、経年劣化による影響を考慮すべきこと
類似の判例を提示し、借主の負担割合は一部であるべきこと
2. 専門家への相談:
管理会社との交渉が難航する場合、弁護士や消費者センターなどの専門家に相談することを提案しました。専門家は、法律の専門知識や交渉のノウハウを持っており、Aさんの代わりに管理会社と交渉してくれる可能性があります。

Aさんは、まず管理会社との交渉に臨みました。すると、管理会社は当初の見積もりから大幅に減額し、Aさんは一部の修繕費用を負担することで合意しました。

Aさんは今回の経験を通して、「契約内容をしっかり確認すること」「日頃からペットの飼育に配慮すること」「困ったときは専門家に相談すること」の大切さを学んだと言います。

今回のケースから学べること:犬と暮らす賃貸物件での注意点

Aさんのケースから、犬と暮らす賃貸物件での注意点を改めて確認しましょう。
契約時にペットに関する特約をしっかり確認する
ペットによる損害を防ぐために、日頃から対策を講じる
退去時の修繕費用について、事前に管理会社と確認しておく
修繕費用の負担割合に納得がいかない場合は、専門家に相談する

これらの点に注意することで、退去時のトラブルを未然に防ぎ、安心してペットとの賃貸生活を送ることができます。

まとめ:犬との暮らしを豊かにするために

今回は、犬と暮らす賃貸物件の退去時に発生する修繕費について、Aさんのケースを基に解説しました。修繕費用の負担割合は、契約内容、原状回復義務の範囲、経年劣化など、様々な要素によって左右されます。

もし、あなたが今、修繕費用の問題で悩んでいるのであれば、まずは契約書を確認し、管理会社と交渉してみましょう。そして、必要であれば、専門家への相談も検討してみてください。

犬との賃貸生活は、素晴らしいものです。しかし、そのためには、事前の準備とトラブルへの対処が不可欠です。今回の記事が、あなたの犬との暮らしをより豊かにするための参考になれば幸いです。

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