立会いの際、畳は裏返せば問題ない、フローリングは犬のオシッコで黒ずんだ箇所を一部張り替えれば良いという話でした。しかし後日、大家さん側の業者から「一部張り替えはできないので全部張り替えで42万円」と見積もりが出ました。クッションフロアへの変更を提案したところ、敷金から出た分を負担してほしい、それができないならフローリングを元に戻してほしいと言われました。こちらで業者を手配すると申し出ましたが、大家さん側の業者を使いたいと断られました。フローリングは入居時から新品ではありません。畳の色が変わっていることについても、「日が経つにつれて色が変わることを知らないのか」と言われました。その他に傷などはありません。
畳の経年劣化、フローリングの張り替え費用は全額負担になるのでしょうか?犬のオシッコ以外に故意の傷はありません。入居時からの傷については証明するものはありません。クッションフロアにする場合、全額負担になるのでしょうか?
お金を払いたくないわけではありません。しかし、大家さんが母の知り合いということもあり、住んでいる間の不便な点には何も言わず、自分たちで直してきた部分もあります。無償でクロスの張り替えやペンキの補修も行いました。フローリングの見積もりをするまで電気を繋げてほしいと言われ、協力したにも関わらず、このような状況になり納得がいきません。
また、無償で行ったクロス代、ペンキ代を請求することは可能でしょうか?
補足として、3年間、子供が生まれたばかりで、0歳から保育園に預け夜遅くまで働いていました。保育園後も私の母に預けており、帰宅後は寝るだけの生活でした。食事もほとんど家で作らず、家は綺麗な状態でした。クーラーの取り外し業者の方に「3年住んでいたとは思えないほどクロスが綺麗だ。普通はクーラーの跡があるのに全くない」と言われたほどです。フローリングのオシッコ跡以外は綺麗でした。
愛犬との暮らしはかけがえのないものですが、賃貸物件の退去時には思わぬ費用が発生することがあります。特にペット可物件の場合、原状回復義務を巡ってトラブルになるケースも少なくありません。今回のケースでは、フローリングの張り替え費用42万円という高額な請求に直面し、困惑されていることと思います。
結論から申し上げますと、フローリングの全額負担が妥当かどうかは、契約内容、フローリングの状態、経過年数などを総合的に考慮して判断する必要があります。しかし、今回のケースでは、全額負担を求められるのは不当である可能性が高いと考えられます。
この記事では、賃貸物件の退去費用に関する基礎知識から、今回のケースにおける具体的なアドバイス、そして、費用負担を最小限に抑えるための交渉術まで、詳しく解説します。愛犬との暮らしを守りながら、賢く退去するためのヒントが満載です。ぜひ最後までお読みください。
今回のケースは、愛犬と暮らす賃貸物件の退去時に起こりうるトラブルの典型例と言えるでしょう。大家さんとの直接契約、ペット可物件、フローリングの張り替え費用、そして、無償で行った修繕費用の請求など、様々な要素が絡み合っています。
そこで、今回のケースを参考に、同様のトラブルに直面した場合にどのように対処すれば良いのか、具体的なステップを解説します。
まずは、賃貸契約書を隅々まで確認しましょう。特に、原状回復義務に関する条項、ペットに関する特約、そして、退去時の費用負担に関する条項を重点的にチェックします。
今回のケースでは、「退去時には畳、フローリングを入居時の状態に戻す」という条項が問題となっています。しかし、この条項が、フローリングの全額張り替えを意味するのか、それとも、通常の使用による損耗や経年劣化は考慮されるのか、解釈の余地があります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、賃借人(入居者)は、通常の使用による損耗や経年劣化については、原状回復義務を負わないとされています。つまり、今回のケースでは、犬のオシッコによるフローリングの変色以外の、通常の使用による傷や汚れについては、費用負担を免れる可能性があります。
次に、フローリングの状態を客観的に評価しましょう。入居時の状態、現在の状態、そして、変色の原因などを詳しく調べます。
今回のケースでは、フローリングは入居時から新品ではなく、犬のオシッコによる変色が見られるとのことです。しかし、変色の程度、範囲、そして、フローリング全体の劣化状況などを考慮すると、全額張り替えが必要かどうか疑問が残ります。
専門業者に依頼して、フローリングの状態を鑑定してもらうのも一つの方法です。鑑定結果を基に、大家さんと交渉することで、費用負担を減らせる可能性があります。
契約内容とフローリングの状態を把握したら、大家さんと交渉しましょう。感情的にならず、冷静に、そして、論理的に、自分の主張を伝えることが大切です。
今回のケースでは、以下の点を主張することができます。
フローリングは入居時から新品ではないこと
犬のオシッコによる変色以外の、通常の使用による傷や汚れについては、費用負担を免れること
全額張り替えではなく、部分的な補修で済む可能性があること
無償で行ったクロスの張り替えやペンキの補修費用を考慮してほしいこと
また、クッションフロアへの変更を提案したにも関わらず、大家さん側の都合で断られたことも、交渉の材料になります。
大家さんとの交渉が難航する場合は、専門家に相談しましょう。弁護士、不動産鑑定士、消費者センターなど、様々な専門家が相談に応じてくれます。
専門家のアドバイスを受けることで、自分の権利や義務を正しく理解し、適切な対応を取ることができます。また、専門家が大家さんと交渉することで、事態が好転する可能性もあります。
今回のケーススタディから、退去費用トラブルを回避するためのポイントを学ぶことができます。
契約時に、原状回復義務に関する条項をしっかり確認する
入居時に、物件の状態を写真や動画で記録しておく
退去時に、大家さんと一緒に物件の状態を確認する
費用負担について合意できない場合は、専門家に相談する
これらのポイントを実践することで、退去時のトラブルを未然に防ぎ、安心して愛犬との賃貸生活を送ることができます。
今回のケースについて、弁護士Aさんに意見を伺いました。
「今回のケースでは、フローリングの全額張り替え費用を請求されるのは、法的に問題がある可能性があります。賃借人は、通常の使用による損耗や経年劣化については、原状回復義務を負いません。犬のオシッコによる変色が、通常の使用による損耗と言えるかどうかは、個別の状況によって判断が異なりますが、全額張り替えが必要なほどの損害とは言えない場合もあります。まずは、契約内容を再確認し、フローリングの状態を客観的に評価することが重要です。その上で、大家さんと交渉し、合意できない場合は、専門家に相談することをお勧めします。」
以前、同様のケースで相談を受けたBさんの事例をご紹介します。Bさんは、ペット可物件で猫を飼っており、退去時にフローリングの傷を理由に高額な張り替え費用を請求されました。しかし、Bさんは、入居時の写真や動画を証拠として提出し、フローリングの傷は入居時からあったこと、そして、通常の使用による損耗であることを主張しました。その結果、大家さんとの交渉の末、費用負担を大幅に減額することに成功しました。
愛犬との賃貸生活は、喜びと癒しを与えてくれますが、退去時には思わぬトラブルが発生することもあります。今回のケースを参考に、契約内容をしっかり確認し、物件の状態を客観的に評価し、そして、冷静に大家さんと交渉することで、費用負担を最小限に抑えることができます。
もし、トラブルに巻き込まれてしまった場合は、一人で悩まず、専門家に相談しましょう。あなたの権利を守り、安心して愛犬との暮らしを送るために、弁護士、不動産鑑定士、消費者センターなど、様々な専門家がサポートしてくれます。