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敷金は戻ってこない?ペットと暮らす賃貸、原状回復のリアル

#ペット可賃貸
 
ペット可の賃貸に住んでいます。愛犬が歯のムズムズする時期にあちこち(木でできている所、扉など)を噛んでしまい、歯形がつくくらいになっています。壁の張り替えなどは敷金には関係ないと聞いていますが、具体的にどのような場合に敷金から費用が引かれるのでしょうか?同じコーポに住む犬を飼っていない方は、3年しか住んでおらず、綺麗に使っていたにもかかわらず敷金が戻ってこなかったそうです。うちの大家さんはとてもケチで、トイレが水漏れしている(3回目)にもかかわらず、「次は実費で直してもらいますからね」と言われます。建物が古く、ガタがきている状態です。このような状況で、敷金が戻ってこないことはあり得るのでしょうか?

結論から言うと、残念ながら、ペットと暮らす賃貸では、敷金が全額戻ってこないケースは十分にあり得ます。しかし、諦めるのはまだ早いです!敷金が戻ってこない理由をしっかりと理解し、対策を講じることで、少しでも多くの敷金を取り戻せる可能性があります。

ここでは、ペットと暮らす賃貸における敷金と原状回復義務について、具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。

1. 原状回復義務とは?

まず、賃貸契約における「原状回復義務」について理解しておきましょう。これは、賃貸物件を退去する際に、借りたときの状態に戻す義務のことです。ただし、ここでいう「原状」とは、あくまで「通常の使用による損耗」を除いた状態を指します。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、原状回復について以下のように定義されています。

> 賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用によって生じた損耗・毀損を復旧すること

つまり、普通に生活していれば発生するような、日焼けや家具の跡などは、原状回復義務の対象外となります。

2. ペットによる損耗は「通常の使用」に含まれる?

残念ながら、ペットによる損耗は、通常の使用による損耗とはみなされません。ペットの爪による床の傷、ペットの粗相によるシミや臭い、今回のケースのようにペットが柱や壁を噛んでしまった場合などは、原状回復義務の対象となる可能性が高いです。

特に、ペット可の賃貸物件の場合、契約書に「ペットによる損耗は借主の負担とする」といった条項が盛り込まれていることが多く、その場合は、ペットによる損耗の修繕費用は借主が負担することになります。

3. 敷金が戻ってこないケースとは?

敷金は、家賃の滞納や原状回復費用に充当されるものです。つまり、以下のようなケースでは、敷金が戻ってこない可能性があります。
家賃を滞納している
ペットによる損耗が激しく、原状回復費用が敷金を上回る
契約書に「敷金は償却とする」という条項がある

今回のケースでは、愛犬が柱や壁を噛んでしまったとのことですので、原状回復費用が発生する可能性が高いでしょう。また、同じコーポに住む方が綺麗に使っていたにもかかわらず敷金が戻ってこなかったという事例もあるため、大家さんが原状回復に厳しい方である可能性も考慮する必要があります。

4. 敷金を少しでも多く取り戻すためにできること

では、敷金を少しでも多く取り戻すために、私たちはどのようなことができるのでしょうか?

(1) 入居時の状況を記録しておく

入居時に、物件の状態を写真や動画で記録しておくことは非常に重要です。特に、傷や汚れなど、気になる箇所は細かく記録しておきましょう。退去時に、それが元からあったものなのか、入居後にできたものなのかを証明する証拠となります。

(2) 日頃から丁寧な飼育を心がける

これは当然のことですが、日頃からペットの飼育環境を整え、できる限り物件を傷つけないように心がけることが大切です。今回のケースのように、愛犬が物を噛んでしまう場合は、噛み癖を直すためのトレーニングをしたり、噛んでも良いおもちゃを与えたりするなどの対策を講じましょう。

(3) 退去時の立ち会いに備える

退去時には、大家さんまたは管理会社の担当者と一緒に物件の状態を確認する立ち会いが行われます。この際、修繕が必要な箇所やその費用について、しっかりと話し合いましょう。納得できない場合は、その場でサインをせず、後日改めて話し合うことも可能です。

(4) 相見積もりを取る

原状回復費用が高額になる場合は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。大家さんや管理会社が提示する業者だけでなく、自分で探した業者に見積もりを依頼することも可能です。

(5) 消費者センターや弁護士に相談する

もし、大家さんとの間で意見が対立し、解決が難しい場合は、消費者センターや弁護士に相談することも検討しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、法的な観点から適切な解決策を見つけることができるかもしれません。

5. ケーススタディ:Aさんの場合

Aさんは、ミニチュアダックスフンドと3年間、ペット可の賃貸マンションに住んでいました。退去時、管理会社から提示された原状回復費用は、なんと30万円!内訳は、フローリングの張り替え、壁紙の張り替え、消臭作業などでした。

Aさんは、入居時に撮影していた写真を確認したところ、フローリングには元々小さな傷があったことがわかりました。また、壁紙の張り替えについても、犬が引っ掻いた箇所は一部であり、全面張り替えの必要はないと考えました。

そこでAさんは、管理会社に写真を示し、交渉を重ねました。その結果、フローリングの傷は元からあったものとして、壁紙の張り替えも一部のみで済むことになり、原状回復費用は15万円まで減額されました。

Aさんのように、証拠となるものを示し、冷静に交渉することで、原状回復費用を減額できる可能性は十分にあります

6. 専門家の視点:弁護士Bさんのアドバイス

弁護士Bさんは、賃貸トラブルに詳しい専門家です。Bさんは、ペットと暮らす賃貸における原状回復について、以下のようにアドバイスしています。

> ペットを飼育する以上、ある程度の損耗は避けられないということを、大家さんも理解しているはずです。しかし、その程度が著しい場合は、借主が原状回復費用を負担しなければならないこともあります。大切なのは、契約書の内容をしっかりと確認し、退去時に備えて証拠を揃えておくことです。また、困ったことがあれば、専門家に相談することも検討しましょう。

7. まとめ:諦めずに、できることから始めよう!

ペットと暮らす賃貸では、敷金が戻ってこないケースは確かに存在します。しかし、諦めるのはまだ早いです!
入居時の状況を記録する
日頃から丁寧な飼育を心がける
退去時の立ち会いに備える
相見積もりを取る
消費者センターや弁護士に相談する

これらの対策を講じることで、少しでも多くの敷金を取り戻せる可能性があります。

今回のケースでは、まず、愛犬の噛み癖を改善するための対策を講じるとともに、大家さんとコミュニケーションを取り、現状を正直に伝えることが大切です。そして、退去時に備えて、できる限りの準備をしておきましょう。

愛犬との快適な暮らしと、納得のいく退去のために、今からできることを始めてみませんか?

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