飼っている2頭の犬のことなんですけど、先週1頭が老衰で亡くなりました。いつも亡くなった子の後をついていたもう1頭の犬は、死を理解しているのでしょうか?亡くなった子はご飯や遊びを催促するときに、甘える声や高い声を出したり、私を手で叩いたりしていました。亡くなった次の日から、残された犬が同じ行動をするようになったんです。嬉しい気持ちと悲しい気持ちが入り混じっています(圧倒的に嬉しかったですが)。やはり、死を知って同じ行動をするのでしょうか?両方とも可愛い子ですが、正直、今生きている子の方が頭が良いです。しつけが上手くいっていないので、その子の潜在能力を生かせてあげられていない気がして、申し訳ない気持ちです。
愛犬との別れは、飼い主にとって計り知れない悲しみをもたらします。特に、複数頭飼いをされている方にとって、残された犬への心配は、ご自身の悲しみと重なり、大きな負担となるでしょう。ご質問にあるように、残された犬が亡くなった犬と同じ行動を始めたこと、そして、その行動の背景にある「死への理解」について、一緒に考えていきましょう。
愛犬の死を、残された犬は理解しているのか?
結論から言うと、犬が人間の死を「理解」しているかどうかは、明確には解明されていません。犬は、人間の言葉の意味を完全に理解しているわけではないからです。しかし、犬は飼い主の感情の変化や、日常のルーティンの変化を敏感に察知します。愛犬の不在、飼い主の悲しみ、静まり返った家…これらの変化は、残された犬にとって大きなストレスとなり、行動の変化につながる可能性があります。
ご質問にあるように、亡くなった犬がご飯をねだる際に特定の行動をしていた場合、残された犬はその行動を真似することで、飼い主とのコミュニケーション、そして、安心感を得ようとしている可能性が高いです。それは、亡くなった犬の代わりをしようとしている、というよりも、飼い主の愛情を再び得たいという本能的な行動と言えるでしょう。
例えば、亡くなった犬が特定の場所でよく寝ていたとしたら、残された犬はその場所を好んで寝るようになるかもしれません。これは、亡くなった犬の「匂い」や「気配」を感じ取ろうとしている、あるいは、その場所が安心できる場所だったという記憶が、行動に影響していると考えられます。これは、死への理解というよりも、環境の変化への適応と言えるでしょう。
残された犬への接し方:愛情と安心感を届ける
愛犬を失った悲しみは、想像以上に深いものです。しかし、残された犬のためにも、ご自身の悲しみにとらわれすぎず、前を向いていくことが大切です。残された犬は、飼い主の感情を敏感に感じ取っています。悲しみに暮れる飼い主の姿を見ることで、犬自身も不安やストレスを感じてしまう可能性があります。
残された犬への具体的なケア
- いつものルーティンを維持する:散歩の時間、食事の時間、遊びの時間など、出来る限り普段通りの生活リズムを保ちましょう。これは、犬に安心感を与えるために非常に重要です。急激な変化は、犬にとって大きなストレスになります。
- 十分な愛情を与える:たくさん撫でてあげたり、一緒に遊んであげたり、言葉をかけてあげたりすることで、犬に安心感を与えましょう。抱きしめたり、一緒に寝たりするのも効果的です。
- 新しいおもちゃや遊び方を導入する:亡くなった犬との思い出が詰まったおもちゃをすぐに片付ける必要はありませんが、新しいおもちゃや遊び方を導入することで、犬の気を紛らわせる効果があります。新しい刺激は、犬の心を癒すのに役立ちます。
- 獣医への相談:もし、残された犬の行動に大きな変化が見られる場合、または、食欲不振や元気がないなどの症状が見られる場合は、獣医に相談することをお勧めします。獣医は、犬の健康状態をチェックし、適切なアドバイスをしてくれます。
賢い愛犬とのより良い関係のために
ご自身は、残された犬のしつけに不安を感じておられるようですが、大切なのは「完璧なしつけ」を目指すことではなく、「犬との信頼関係を築くこと」です。犬は、飼い主を信頼し、愛情を感じているからこそ、従順になります。しつけは、一方的な命令ではなく、犬とのコミュニケーションを通して行うべきです。
しつけのポイント
- 褒めて伸ばす:犬が正しい行動をとった時は、すぐに褒めてあげましょう。言葉だけでなく、撫でたり、ご褒美を与えたりするのも効果的です。褒めることで、犬は飼い主の期待に応えようという気持ちになります。
- 叱る時は優しく:犬を叱る必要がある場合は、優しく、そして、具体的な言葉で伝えましょう。大声で怒鳴ったり、体罰を与えたりするのは、犬との信頼関係を壊す原因となります。
- 根気強く続ける:しつけは、一朝一夕でできるものではありません。根気強く、継続して行うことが大切です。犬のペースに合わせて、焦らず、ゆっくりと進めていきましょう。
- プロの力を借りる:どうしてもしつけに困る場合は、ドッグトレーナーなどのプロの力を借りるのも良い方法です。プロは、犬の性格や行動パターンを分析し、適切なアドバイスをしてくれます。
大切なのは、残された犬への愛情を注ぎ、犬との信頼関係を築くことです。そして、ご自身の悲しみを乗り越え、前向きに生きていくこと。それは、亡くなった愛犬への最高の弔いとなるでしょう。
愛犬との生活は、喜びと悲しみが交差する、かけがえのない時間です。この経験を糧に、残された犬と、より幸せな日々を過ごしてください。