ご質問ありがとうございます。定年退職後の生活設計、特に住まいの選択は、今後の生活の質を大きく左右する重要な決断です。愛犬との暮らしを大切にしながら、経済的な安定も確保したいというお気持ち、とてもよく分かります。
結論から申し上げますと、「築35年のご自宅に戻る」ことが必ずしも最適解とは限りません。複数の選択肢を比較検討し、ご家族にとって最もメリットが大きい方法を選ぶことが重要です。
この記事では、以下の3つの選択肢について、メリットとデメリットを比較検討し、具体的なアドバイスをさせていただきます。
1. 築35年の自宅に戻る
2. 自宅を売却し、賃貸マンションに住む
3. 自宅を売却し、バリアフリー対応の分譲マンションに住む
メリット
住宅ローンの完済: 退職金で住宅ローンを完済できるため、毎月の住居費負担が大幅に軽減されます。
持ち家という安心感: 賃貸と異なり、自分の資産となるため、将来的な安心感があります。
住み慣れた環境: 日当たりが良く、住環境も良好とのことですので、生活の基盤を大きく変える必要がありません。
犬にとってのびのびとした環境: 戸建てであれば、マンションと比べて犬が自由に動き回れるスペースを確保しやすいです。庭があれば、散歩の回数を減らすことも可能です。
デメリット
築35年の老朽化: 建物の老朽化が進んでいるため、修繕費用がかさむ可能性があります。特に、水回りや断熱性能の改善は必須となるかもしれません。
寒さ対策の必要性: 戸建ては気密性が低いため、冬場の寒さ対策が必要です。暖房費がかさむだけでなく、ご主人の健康にも影響を与える可能性があります。
奥様の収入減: 現在賃貸に出している自宅に戻ることで、奥様のパート収入がなくなってしまいます。
バリアフリーへの対応: 将来的にご夫婦のどちらかが介護を必要とする状態になった場合、バリアフリーへの改修が必要になる可能性があります。
メリット
まとまった資金の確保: 自宅を売却することで、まとまった資金を手にすることができます。この資金を元に、老後の生活設計を立て直すことができます。
住まいの自由度: 賃貸であれば、ライフスタイルや収入に合わせて住み替えが可能です。
固定資産税・修繕費の心配なし: 賃貸なので、固定資産税や修繕費の負担はありません。
バリアフリー対応の物件を選べる: バリアフリー対応の賃貸物件を選ぶことで、将来的な介護の必要性にも対応できます。
駅近など利便性の高い物件を選べる: 車を手放すことを検討する場合、駅近など利便性の高い物件を選ぶことで、生活の質を維持できます。
デメリット
家賃の支払い: 毎月家賃を支払う必要があるため、持ち家と比べて住居費負担が大きくなる可能性があります。
ペット可物件の制約: 犬と暮らせる賃貸物件は限られているため、希望する条件の物件が見つからない可能性があります。
老後の不安: 賃貸暮らしは、持ち家と比べて老後の安心感が少ないと感じるかもしれません。
更新料の負担: 2年に一度、更新料が発生します。
メリット
バリアフリー対応: バリアフリー対応のマンションであれば、将来的に介護が必要になった場合でも安心して暮らせます。
管理体制の充実: 分譲マンションは管理体制が整っているため、共用部分の清掃や修繕などが適切に行われます。
資産価値の維持: 立地条件の良いマンションであれば、資産価値を維持できる可能性があります。
コミュニティ: マンション内での交流を通じて、地域社会とのつながりを築くことができます。
犬との暮らしやすさ: ペット可のマンションであれば、犬と一緒に快適に暮らせます。トリミングルームやドッグランなどの共用施設が整っているマンションもあります。
デメリット
購入費用: 分譲マンションを購入するには、まとまった資金が必要です。
管理費・修繕積立金: 毎月、管理費や修繕積立金を支払う必要があります。
固定資産税: 毎年、固定資産税を支払う必要があります。
住宅ローンの負担: 住宅ローンを利用する場合、金利負担が発生します。
犬の飼育に関する規約: マンションによっては、犬の大きさや種類、飼育方法に関する規約があります。
上記のメリットとデメリットを踏まえ、ご家族の状況に合わせて最適な選択肢を検討しましょう。
1. 築35年の自宅に戻る場合:
住宅診断: 専門業者に依頼して住宅診断を行い、建物の状態を詳しく把握しましょう。修繕が必要な箇所や費用を明確にすることで、予算計画を立てやすくなります。
リフォーム計画: 断熱性能の向上やバリアフリー化など、必要なリフォーム計画を立てましょう。複数の業者から見積もりを取り、費用対効果の高いリフォームを目指しましょう。
寒さ対策: 断熱材の導入や窓の二重サッシ化など、寒さ対策を徹底しましょう。
奥様の収入: 自宅に戻った後も、在宅でできる仕事を探すなど、収入源を確保する方法を検討しましょう。
犬との暮らし: 犬が快適に暮らせるように、庭の手入れや散歩コースの確保など、環境を整えましょう。
2. 自宅を売却し、賃貸マンションに住む場合:
資金計画: 自宅の売却価格を予測し、毎月の家賃や生活費を考慮した資金計画を立てましょう。
物件探し: ペット可の賃貸物件を探しましょう。インターネット検索だけでなく、不動産業者に相談することで、より多くの物件情報を得ることができます。
バリアフリー: 将来的な介護の必要性を考慮し、バリアフリー対応の物件を選びましょう。
犬との暮らし: 犬が快適に暮らせるように、周辺環境やペット可の条件などを確認しましょう。
コミュニティ: 地域社会とのつながりを維持するために、地域のイベントに参加するなど、積極的に交流しましょう。
3. 自宅を売却し、バリアフリー対応の分譲マンションに住む場合:
資金計画: 自己資金と住宅ローンの借入額を考慮し、無理のない資金計画を立てましょう。
物件探し: バリアフリー対応でペット可のマンションを探しましょう。新築マンションだけでなく、中古マンションも視野に入れることで、選択肢が広がります。
管理規約: 犬の飼育に関する規約を必ず確認しましょう。
コミュニティ: マンションの管理組合や住民同士の交流に参加し、良好な人間関係を築きましょう。
犬との暮らし: 犬が快適に暮らせるように、マンションの共用施設や周辺環境を確認しましょう。
Aさん(60代女性)は、定年退職後、長年住んだ戸建てを売却し、駅近のバリアフリー対応マンションに引っ越しました。Aさんは、以前から犬を飼っており、引っ越し後も愛犬と一緒に快適な生活を送っています。
Aさんは、マンションの管理組合に積極的に参加し、住民同士の交流を深めています。また、マンションの近くには公園があり、毎日愛犬と散歩を楽しんでいます。
Aさんは、「マンションに引っ越して本当に良かった。バリアフリーなので、将来の心配もないし、犬と一緒に快適に暮らせている。何より、駅が近いので、どこへ行くにも便利になった」と話しています。
ファイナンシャルプランナーのBさんは、「定年退職後の住まいの選択は、老後の生活設計全体に関わる重要な決断です。まずは、ご自身の資産状況や将来のライフプランを明確にし、複数の選択肢を比較検討することが大切です。また、専門家のアドバイスを受けることで、より客観的な視点から判断することができます」と述べています。
定年退職後の住まいの選択は、ご家族の状況や価値観によって異なります。この記事が、皆様にとって最適な選択をするための一助となれば幸いです。愛犬との幸せな暮らしと、経済的な安定を両立できる住まいを見つけてください。