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犬との素敵な物語〜犬との暮らし〜

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大型犬と暮らす賃貸戸建て、修繕義務はどこまで?貸主と借主、納得のいく解決策を探る

#賃貸トラブル
 
先日、友人が貸している戸建の入居者から室内の過剰な修繕依頼を受けました。友人は2年前にこれまで自身が住んでいた戸建を、入居者に「現状のまま」貸しました。貸主借主双方ともに大型犬を室内で飼うため、また、2年ほどで退去する予定だから修繕する必要はないだろうと同意し、賃貸借契約を結びました。契約から2年経ったため、貸主が入居者に今後どうするのかとたずねたところ、入居者はまだ退去する予定はないから、やはり室内の修繕を行なってほしいと主張してきました。賃貸借契約、重要事項説明書共に、「破損や汚損部分があることを了承のうえで借りる」という一文や、「修繕の必要は無い」といった文言は書いて有りませんでした。こういったケースの場合、貸主はどの範囲まで入居者の修繕依頼要求に応えるべきなのでしょうか。貸主によって破損、汚損した部分と借主によるものかの見分けは難しいです。現状は人が住む分には命に危険性の無い範囲かと思われます。入居者の依頼内容は下記の通りです。・システムキッチン戸の交換(表が剥げ、また戸がかたむいているため)・湯沸かし器の交換(20年以上前のものですが、今でも現役で使えています。)・クロス全室交換・天井にある過去の雨漏りによるシミ(カビではありません)部分の交換・フローリング交換(傷がひどいため)・居室の絨毯交換(汚れがひどいため)・和室の畳表替え、ふすま及び障子の張替(汚れ、やぶけがあるため)・網戸張替。ちなみに過去に壊れた換気扇の交換、ドア取っ手故障の修理は行なっています。

犬と暮らす賃貸物件の修繕義務、特に戸建ての場合は、どこまで貸主が負担すべきか、線引きが難しいですよね。今回は、貸主と借主が共に大型犬を飼育する戸建て賃貸における修繕義務について、具体的なケースを基に、貸主がどこまで修繕要求に応じるべきか、詳しく解説していきます。

結論から言うと、契約内容、建物の状態、そして何より双方のコミュニケーションが重要になります。

ケーススタディ

今回は、実際にあった事例を参考に、貸主であるAさんと借主であるBさんの間で起きた修繕に関するやり取りを物語形式でご紹介します。

物語のはじまり

Aさんは、長年住んでいた戸建てを、知人の紹介でBさんに賃貸することにしました。Bさんも大型犬を飼っており、Aさんも犬好きだったことから、犬を飼う上での理解もあり、AさんはBさんになら安心して貸せると思ったのです。

契約時、AさんはBさんに「この家は古いし、それなりに傷みもあるけど、現状のままで良いかな?」と伝えました。Bさんも「犬もいるし、2年くらい住めれば良いから、特に気にしません」と答え、契約書には特段修繕に関する条項は盛り込まずに契約を締結しました。

しかし、2年後、AさんがBさんに今後の意向を確認したところ、Bさんは「やっぱり、もう少し住みたい。ただ、気になる箇所が出てきたので、修繕をお願いできないか」と切り出しました。

Bさんの依頼内容は多岐にわたり、キッチンの扉の交換、給湯器の交換、クロスの張り替え、フローリングの交換など、大規模な修繕を希望していました。

Aさんは困惑しました。契約時には現状のままで良いと合意していたはずなのに、なぜ今になって多額の費用がかかる修繕を要求してくるのか理解できませんでした。

修繕義務、一体どこまで?

Aさんは、まず法律の専門家であるCさんに相談することにしました。Cさんは、Aさんに以下の点を説明しました。
民法における修繕義務

民法では、賃貸人は、賃貸物を賃貸借の目的に供する必要がある状態に維持する義務を負うとされています(民法606条1項)。つまり、貸主は、借りた物件を通常の使用ができる状態に保つ義務があるのです。
契約内容の確認

しかし、契約書に「現状のまま」という文言が入っている場合や、修繕義務について特約がある場合は、その内容が優先されます。今回のケースでは、契約書に明確な記載がないため、民法の原則に戻って判断する必要があります。
修繕の必要性の判断

修繕が必要かどうかは、建物の状態や使用状況によって判断されます。例えば、雨漏りのように生活に支障をきたす場合は、修繕義務が発生する可能性が高いですが、クロスの汚れやフローリングの傷などは、通常の使用による損耗とみなされる場合もあります。
Bさんの犬による影響

今回のケースで重要なのは、Bさんが大型犬を飼育しているという点です。犬による傷や汚れは、通常の使用による損耗とはみなされず、Bさんの故意または過失によるものと判断される可能性があります。

Aさんのとるべき対応

Cさんのアドバイスを踏まえ、AさんはBさんと話し合いの場を設けることにしました。

1. 修繕箇所の確認

まずは、Bさんが具体的にどの箇所を修繕してほしいのか、改めて確認しました。
2. 原因の特定

次に、それぞれの箇所について、修繕が必要になった原因を特定しました。例えば、クロスの汚れは、犬のひっかき傷が原因である可能性が高いと考えられました。
3. 費用の見積もり

修繕が必要な箇所について、専門業者に見積もりを依頼し、費用を算出しました。
4. 負担割合の交渉

Aさんは、Cさんのアドバイスを参考に、Bさんと修繕費用の負担割合について交渉しました。犬による損耗についてはBさんに負担してもらい、建物の老朽化による修繕についてはAさんが負担するなど、双方が納得できる落としどころを探りました。

和解という名のゴール

最終的に、AさんとBさんは、以下のような内容で合意しました。
システムキッチンの扉の交換、給湯器の交換、クロスの張り替えは、Aさんが費用を負担する。
フローリングの交換、絨毯の交換、畳の表替え、襖と障子の張り替え、網戸の張り替えは、Bさんが費用を負担する。

AさんとBさんは、お互いの事情を考慮し、納得のいく形で問題を解決することができました。

教訓

今回の事例から、私たちは以下の教訓を得ることができます。
賃貸契約を結ぶ際は、修繕義務について明確に定めることが重要である。
犬などのペットを飼育する場合は、通常の使用を超える損耗が発生する可能性があることを考慮する必要がある。
問題が発生した場合は、感情的にならず、冷静に話し合い、解決策を探ることが大切である。

賃貸トラブルを避けるために

今回のAさんとBさんのように、賃貸に関するトラブルは誰にでも起こりえます。トラブルを未然に防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
契約書の内容を ভালোভাবে確認する。
入居前に、物件の状態を写真や動画で記録しておく。
困ったことがあれば、専門家(弁護士、不動産会社など)に相談する。
日頃から貸主と良好なコミュニケーションをとる。

今回の事例が、皆様の賃貸生活の一助となれば幸いです。

その他、犬と暮らす賃貸でよくある質問

Q:犬が原因でフローリングが傷ついてしまった場合、退去費用はどのくらいになりますか?

A:フローリングの素材や傷の程度によって大きく異なります。一般的には、部分的な補修で済む場合は数千円から数万円程度、全面的な張り替えが必要な場合は数十万円になることもあります。複数の業者に見積もりを依頼し、適正な価格で修理してもらうようにしましょう。

Q:犬の鳴き声が近隣住民の迷惑になっている場合、どのように対処すれば良いですか?

A:まずは、犬の無駄吠えの原因を特定し、対策を講じることが重要です。獣医やドッグトレーナーに相談し、適切な訓練を行うのも有効です。また、防音対策として、窓や壁に吸音材を取り付けたり、厚手のカーテンを設置したりするのも効果的です。

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