引越しを検討されているのですね。しかも、大家さんが知り合いの息子さんで、契約内容も少し特殊とのこと。大型犬との暮らしを考えると、慎重に進めたいですよね。ご安心ください!この記事では、具体的なケースを想定しながら、違約金を回避し、スムーズに引越しを実現するためのステップを解説します。
①知り合いの息子が大家である。不動産屋ではなく、大家一家が以前住んでいた家である。
②築50年以上の一軒家の一階部分を借りている。かなり傷みが激しい感じの家をなんとか住めるようにした感じ。
③入居に当たり、アバウトに5年は住むと言った。(契約書には、記述はない。)
④廊下や水周りなど、わずかだが、改修工事をしている。最低限住めるといったところ。
⑤契約書も、かなりアバウト。大型犬を飼わせてもらったので、退去時のその清掃は明記してあるくらい。敷金礼金なし。更新料なし。二年ごとの契約更新。ただいま契約から1年半。
⑥大家は、基本、人を食ったような人。こちらの要望は、あまり聞いてもらえず、大家ペースで万事契約が進んだ。大家の良識で改修した感じ。
⑦屋根の雨漏りで漏電から火災を招きかねないなど、契約時にはわかっらなかった欠陥がある。
⑧住宅改造は、自由とされた。そのため、入居後に欠陥を申し出たが、右の条件によるのか、はぐらかされてきた。
⑩家賃¥95000 かなり広い。都内JR蒲田駅からほど近い。許しを得て大型犬飼育している。
Aさんは、あなたと似たような状況で、大型犬(ゴールデンレトリバー)と築古の賃貸物件に住んでいました。大家さんとの関係も良好とは言えず、契約内容も曖昧な部分がありました。しかし、Aさんは以下のステップを踏むことで、違約金なしで、愛犬と共に新しい生活をスタートさせることができたのです。
まずは、契約書を隅々まで確認しましょう。特に、解約に関する条項、違約金に関する条項、修繕義務に関する条項などを重点的にチェックします。今回のケースでは、契約書がアバウトとのことですが、「大型犬の退去時の清掃」に関する記述があるのは重要です。
次に、入居時にわからなかった「屋根の雨漏り」や、それによって「漏電から火災を招きかねない」という状況は、重大な欠陥です。これらの欠陥を証明するために、以下の証拠を集めましょう。
雨漏りの写真や動画
漏電の危険性を示す専門家(電気工事士など)の意見書
大家さんに欠陥を伝えた際の記録(メール、手紙、会話の録音など)
これらの証拠は、後々、大家さんと交渉する際に非常に有効になります。
集めた証拠をもとに、大家さんに対して「内容証明郵便」で通知を送ります。内容証明郵便とは、郵便局が内容を証明してくれる郵便で、法的な証拠として認められやすいものです。
通知には、以下の内容を記載します。
1. 契約物件の特定(住所、部屋番号など)
2. 契約内容の概要(契約日、家賃、契約期間など)
3. 物件の欠陥(雨漏り、漏電の危険性など)
4. 修繕の要求(具体的な修繕内容、期限など)
5. 修繕されない場合の契約解除の意思表示
6. 違約金を支払わない理由(物件の欠陥による契約不履行など)
内容証明郵便を送ることで、大家さんに対して、あなたの真剣な意思を伝えることができます。
内容証明郵便を送った後、大家さんから連絡があるはずです。そこで、冷静に、そして論理的に交渉を進めましょう。
ポイント1:感情的にならない
大家さんの態度に腹が立つこともあるかもしれませんが、感情的になると交渉はうまくいきません。冷静に、事実に基づいて話を進めましょう。
ポイント2:法的根拠を示す
民法には、賃貸物件に欠陥がある場合、賃借人は契約を解除できるという規定があります。また、大家さんは賃借人が安全に暮らせるように、物件を修繕する義務があります。これらの法的根拠を理解し、交渉に臨みましょう。
ポイント3:第三者の意見を求める
交渉が難航する場合は、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談してみるのも有効です。専門家の意見は、大家さんを説得する力になるはずです。
ポイント4:代替案を提示する
例えば、「すぐに引越しは難しいので、〇ヶ月後に引越しさせてほしい」「引越し費用の一部を負担してほしい」など、具体的な代替案を提示することで、交渉がスムーズに進む可能性があります。
大家さんとの交渉がうまくいき、違約金なしで引越しできることになったら、いよいよ引越し準備です。
引越し業者の選定
大型犬との引越しは、通常の引越しよりも注意が必要です。ペット専門の引越し業者や、大型犬の扱いに慣れている業者を選びましょう。
新居探し
もちろん、引越し先も重要です。大型犬と快適に暮らせる物件を選びましょう。
ペット可の物件であること
十分な広さがあること
近くに公園やドッグランがあること
動物病院が近いこと
これらの条件を満たす物件を探しましょう。
退去手続き
退去日を決めたら、大家さんに連絡し、退去手続きを進めます。退去時には、部屋の清掃を行い、原状回復に努めましょう。ただし、「通常の使用による損耗」は、賃借人の負担ではありません。今回のケースでは、築50年以上の物件であり、入居前から傷みが激しかったとのことですので、過剰な原状回復費用を請求されないように注意しましょう。
Aさんは、交渉の過程で、弁護士のY先生に相談しました。Y先生は、Aさんの状況を詳しくヒアリングし、法的根拠に基づいたアドバイスをしてくれました。また、大家さんとの交渉にも同席してくれ、Aさんを精神的にサポートしてくれました。
Y先生のような専門家のサポートは、今回のケースのように複雑な状況においては、非常に有効です。
大型犬との引越しは、確かに大変です。しかし、諦めずに、一つずつステップを踏んでいけば、必ず成功します。今回の記事が、あなたの引越しを成功させるための一助となれば幸いです。
今回のケースでは、「屋根の雨漏り」や「漏電の危険性」という重大な欠陥が、違約金なしで引越しできる可能性を高めています。しかし、状況は人それぞれです。ご自身の状況に合わせて、この記事を参考に、慎重に、そして積極的に行動してください。