愛犬との生活、本当に幸せですよね。でも、しつけのこととなると、迷ってしまうことも多いのではないでしょうか? 今回ご紹介するのは、愛犬とのより良い関係を築くための、しつけに関する考え方です。 「完全服従」だけが正解ではない、という視点から、より穏やかで、犬にとっても飼い主にとっても幸せな関係を築くためのヒントをお届けします。
4歳のトイプードルを飼われている飼い主さんは、最近、しつけ教室に参加されたそうです。そこで教えられたのは、「どこを触っても無抵抗」「飼い主に完全服従」といった、少し厳格な方法でした。 教室で見た犬たちは確かに従順でしたが、飼い主さんは愛犬の「帰りたい」という訴えを無視するような指導に、疑問を感じ、心が痛んだと語っています。
愛犬が飼い主の手に「ちょん」と触れる行為を「人間を下に見ている」と解釈されたことにも、戸惑いを感じているようです。 また、目薬を嫌がる愛犬の行動も、飼い主の立場をわきまえていない行動と捉えられていることに、強い不安を感じているようですね。
しつけ教室で教えられた「完全服従」の考え方は、確かに犬の行動をコントロールしやすくするかもしれません。しかし、犬の気持ちを無視したしつけは、かえって犬にストレスを与え、関係性を悪化させる可能性があります。 犬は人間のように言葉を理解できません。 「服従」ではなく、信頼関係に基づいたコミュニケーションが重要です。
犬は、私たちと同じように感情を持つ生き物です。 恐怖や不安を感じている時に無理強いをすれば、犬はストレスを感じ、攻撃的な行動に出たり、逆に極端に萎縮したりする可能性があります。 大切なのは、犬の気持ちに寄り添い、ポジティブな強化を用いたしつけを行うことです。
「完全服従」を目指すのではなく、犬の良い行動を褒めて強化する方法を心がけましょう。 例えば、おすわりや待つの練習では、成功したらすぐに褒めてご褒美を与えましょう。 言葉だけでなく、優しく撫でたり、笑顔を見せることも効果的です。 犬が「良い行動=褒められる」と理解すれば、自然と良い行動が増えていきます。
犬の行動をよく観察し、その背景にある気持ちを理解しようと努めることが大切です。 「ちょん」と触れたり、目薬を嫌がったりする行動は、必ずしも「飼い主を下に見ている」という意味ではありません。 不安や恐怖、あるいは単なる甘えかもしれません。 犬の気持ちに寄り添い、適切な対応をすることで、より良い信頼関係を築くことができます。
しつけに迷ったら、信頼できる専門家(動物行動学者や経験豊富なドッグトレーナーなど)に相談しましょう。 ポジティブな強化をベースとした、犬にも飼い主にも優しいしつけ方法を学ぶことができます。 しつけ教室を選ぶ際は、指導方法や雰囲気をよく確認し、自分の犬や家族に合った教室を選びましょう。 複数の教室を比較検討してみるのも良いでしょう。
日常生活の中で、犬とのコミュニケーションを豊かにする工夫も大切です。 一緒に散歩に行ったり、遊びの時間を作ったり、十分な休息を与えたりすることで、犬との絆を深めることができます。 また、犬が安心して過ごせる環境を整えることも重要です。 安全な場所を用意したり、ストレスとなる要因を減らしたりすることで、犬の精神的な安定を保ちましょう。
例えば、散歩中の引っ張り癖を直したい場合、無理に引っ張り返すのではなく、犬が落ち着いて歩けば褒めてご褒美を与え、引っ張ったら立ち止まるなど、犬が理解しやすい方法でしつけを行うことが重要です。 また、無駄吠えを直したい場合は、吠えた時に注意するだけでなく、静かにしている時に褒めて強化することで、静かにしている時間を増やすことができます。
しつけは、犬をコントロールするためのものではなく、犬とのより良い関係を築くための手段です。「完全服従」を目指すのではなく、犬の気持ちに寄り添い、信頼関係を築くことを第一に考えましょう。 ポジティブな強化を用いたしつけと、日々のコミュニケーションを大切にすれば、愛犬との幸せな生活を送ることができるでしょう。 今回の経験を活かし、愛犬との絆をさらに深めていけることを願っています。
もし、しつけに関して不安なことがあれば、迷わず専門家に相談してください。 多くの専門家が、あなたと愛犬をサポートしてくれるでしょう。 大切なのは、あなたと愛犬が共に幸せな日々を送ることです。 焦らず、一歩ずつ、愛犬との信頼関係を築いていきましょう。