3人目のお子さんの妊娠中に、ご主人が仔犬を連れて帰ってくる。想像もしていなかった事態に、戸惑いと不安で押しつぶされそうな気持ち、本当によく分かります。しかも、犬種は中~大型犬の可能性があり、しつけもこれから。小さなお子さんたちのお世話に加え、ご自身の体調管理もしなければならない状況では、当然のことだと思います。
この記事では、そんな状況を乗り越えるための選択肢と、それぞれのメリット・デメリットを、犬の専門家としての視点と、同じように子育てと犬との生活を送る飼い主としての経験を交えながら、具体的にお伝えしていきます。
Aさんのご家庭は、現在妊娠5ヶ月のAさんと、3歳と1歳10ヶ月のお子さん、そしてご主人の4人家族。そこに、生後1ヶ月ちょっとのゴールデンレトリバーと珍島犬のミックスと思われる仔犬が加わりました。住まいはペット可の賃貸集合住宅です。
大型犬になる可能性があり、飼育スペースや運動量が心配
しつけの時間が取れるか不安
自身の体調管理(切迫早産の既往あり)との両立が難しい
多頭飼育と育児の両立に自信がない
経済的な負担が増えることへの懸念
まずは、仔犬を家族として迎え、一緒に生活していくという選択肢について考えてみましょう。
子供たちの情操教育に良い影響を与える
犬との触れ合いは、子供たちの心の成長を促し、命の大切さを学ぶ機会になります。
家族の絆が深まる
犬は家族の一員として、喜びや癒しを与えてくれます。
犬を飼うことで、生活習慣が改善される
散歩のために外出する機会が増え、運動不足解消につながります。
時間と労力がかかる
しつけや散歩、遊びなど、犬の世話には多くの時間と労力が必要です。
経済的な負担が大きい
食費、医療費、トリミング代など、犬を飼うにはお金がかかります。
住環境によっては飼育が難しい
集合住宅の場合、鳴き声や臭いなどで近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
アレルギーの問題
家族の中に犬アレルギーの人がいる場合、飼育は難しいでしょう。
家族全員の協力体制を築く
犬の世話を分担し、協力して育てることで、負担を軽減できます。
しつけ教室やドッグトレーナーの利用を検討する
専門家のアドバイスを受けながら、正しいしつけを行うことが大切です。
犬との生活に必要な知識を学ぶ
犬種ごとの特性や飼育方法を理解し、適切なケアを行いましょう。
獣医さんと連携する
定期的な健康チェックや予防接種を受け、犬の健康管理を徹底しましょう。
ペット保険への加入を検討する
万が一の病気やケガに備え、経済的な負担を軽減することができます。
次に、仔犬を元の場所に戻す、または里親を探すという選択肢について考えてみましょう。
時間的、精神的な負担が軽減される
育児と犬の世話の両立に悩む必要がなくなり、心身ともに余裕が生まれます。
経済的な負担がなくなる
犬の飼育にかかる費用を心配する必要がなくなります。
住環境の変化に対応できる
引っ越しや転勤など、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できます。
犬にとってより良い環境を提供できる可能性がある
犬を飼う時間や経済的な余裕がある人に託すことで、犬にとってより幸せな生活を送れる可能性があります。
罪悪感や後悔の念を抱く可能性がある
一度家族として迎え入れた犬を手放すことは、精神的な負担になることがあります。
子供たちが悲しむ可能性がある
犬との別れは、子供たちにとってつらい経験になるかもしれません。
里親探しに時間がかかる
信頼できる里親を見つけるには、時間と労力がかかる場合があります。
信頼できる里親を探す
犬を大切に育ててくれる人を見つけるために、慎重に里親を選びましょう。
里親希望者の情報を詳しく確認する
家族構成、住環境、犬の飼育経験などを確認し、犬との相性を考慮しましょう。
譲渡後のフォローアップを行う
里親との連絡を取り合い、犬の様子を確認することで、安心して犬を託すことができます。
動物愛護団体や里親募集サイトを活用する
専門家のアドバイスを受けながら、適切な里親探しを行いましょう。
どちらの選択肢を選ぶにしても、大切なのは、ご家族全員が納得できる結論を出すことです。
ご夫婦でよく話し合う
お互いの気持ちや意見を尊重し、じっくりと話し合いましょう。
お子さんの気持ちも考慮する
犬との別れは、子供たちにとってつらい経験になるかもしれません。子供たちの気持ちに寄り添い、丁寧に説明しましょう。
専門家や経験者に相談する
獣医さんやドッグトレーナー、犬を飼っている友人などに相談し、客観的な意見を聞いてみましょう。
時間的な猶予を持って考える
焦らずに、じっくりと時間をかけて考え、後悔のない決断をしましょう。
以下のチェックリストは、あなたの状況を整理し、決断をサポートするためのものです。
1. 犬の飼育にかかる時間と労力を確保できますか?
はい / いいえ
2. 犬の飼育にかかる経済的な負担に耐えられますか?
はい / いいえ
3. 住環境は犬の飼育に適していますか?
はい / いいえ
4. 家族の中に犬アレルギーの人はいますか?
はい / いいえ
5. 犬のしつけや健康管理に自信がありますか?
はい / いいえ
6. 犬との生活を楽しめますか?
はい / いいえ
「いいえ」が多い場合は、仔犬を元の場所に戻す、または里親を探すことを検討した方が良いかもしれません。
今回のケースでは、Aさんの置かれている状況を考えると、仔犬を元の場所に戻す、または里親を探すことも視野に入れるのが現実的な選択肢かもしれません。しかし、もし家族全員が協力して犬を育てていく覚悟があるなら、困難を乗り越えて、犬との幸せな生活を送ることも可能です。
どちらの選択肢を選ぶにしても、Aさんとご家族にとって、そして仔犬にとって、最良の選択となることを心から願っています。