多頭飼い、憧れますよね。でも、現実は理想通りにいかないことも…。特に先住犬がいる場合、新入り犬との相性は大きな悩みになりがちです。今回は、娘さんの家でチワプーとポメプーを飼い始めたものの、先住犬がストレスを感じてしまい、ご実家でも問題が起きているというケースを元に、多頭飼いを成功させるためのヒントを探っていきましょう。
結論から言うと、犬同士が仲良くなる可能性は十分にあります。ただし、そのためには飼い主さんの理解と努力が不可欠です。犬の性格、年齢、性別、そして育ってきた環境など、様々な要素が関係してきます。焦らず、根気強く向き合っていくことが大切です。
今回は、多頭飼いの専門家であるドッグトレーナーのA先生に、このケースについて詳しく解説していただきます。A先生は、これまで数多くの多頭飼いの悩みを解決してきた実績をお持ちです。
A先生:まず、今回のケースで重要なのは、先住犬であるチワプーちゃんの気持ちを理解することです。彼女は4歳という年齢で、すでに自分のテリトリーを確立しています。そこに、1歳の元気なポメプーちゃんがやってきたことで、大きなストレスを感じているのでしょう。
A先生:犬同士の相性を考える上で、性格の把握は非常に重要です。チワプーちゃんは、もともと落ち着いた性格なのでしょうか?それとも、警戒心が強いタイプでしょうか?ポメプーちゃんは、遊び好きで人懐っこい性格のようですが、しつこくちょっかいをかけてしまう傾向があるのかもしれません。それぞれの性格を理解することで、どのように接していくべきかが見えてきます。
例えば、チワプーちゃんが警戒心の強いタイプであれば、ポメプーちゃんを近づけすぎないように注意する必要があります。逆に、ポメプーちゃんが遊び好きであれば、十分な運動をさせてエネルギーを発散させることで、チワプーちゃんへのちょっかいを減らすことができるかもしれません。
A先生:最初から無理に仲良くさせようとするのは逆効果です。まずは、お互いの存在に慣れさせることから始めましょう。クレートやサークルなどを活用して、それぞれのパーソナルスペースを確保することが大切です。
例えば、チワプーちゃんがリラックスできる場所にクレートを設置し、ポメプーちゃんが近づきすぎないようにします。ポメプーちゃんにも、おもちゃやガムなどを与えて、自分のスペースで遊ぶように促しましょう。
徐々に距離を縮めていくためには、お互いの匂いを嗅がせることから始めるのも有効です。タオルなどで体を拭き、そのタオルをそれぞれのスペースに置いてみましょう。
A先生:多頭飼いにおいて、飼い主さんのリーダーシップは非常に重要です。犬たちは、飼い主さんの行動をよく見ています。飼い主さんが落ち着いて、犬たちに平等に接することで、犬たちは安心感を覚え、信頼関係を築くことができます。
例えば、食事の際には、必ずチワプーちゃんから先に与えましょう。これは、先住犬を優先するというルールを明確にするためです。また、散歩の際にも、チワプーちゃんを先に歩かせるようにしましょう。
ポメプーちゃんには、「待て」や「おすわり」などの基本的な指示を教え、飼い主さんの指示に従うことを習慣づけましょう。これにより、ポメプーちゃんの興奮をコントロールし、チワプーちゃんへのちょっかいを減らすことができます。
A先生:犬同士が仲良くなるためには、ポジティブな経験を共有することが大切です。一緒に散歩に行ったり、おやつを与えたりすることで、お互いの存在を良いものと結びつけることができます。
ただし、最初から長時間一緒に過ごさせるのは避けましょう。まずは、短時間から始め、徐々に時間を延ばしていくようにします。また、犬たちが興奮しすぎないように、落ち着いた状態を保つように心がけましょう。
例えば、一緒に散歩に行く際には、チワプーちゃんとポメプーちゃんの間に飼い主さんが入り、リードを短く持って、犬たちが自由に動き回らないようにします。おやつを与える際には、それぞれの名前を呼び、順番に与えるようにしましょう。
A先生:上記の方法を試しても、状況が改善しない場合は、専門家のサポートを検討しましょう。ドッグトレーナーや獣医行動診療科医などに相談することで、より具体的なアドバイスを受けることができます。
専門家は、犬たちの行動を観察し、問題の原因を特定することができます。そして、それぞれの犬に合ったトレーニング方法や、生活環境の改善策を提案してくれます。
多頭飼いを成功させるためには、犬同士の関係性だけでなく、飼い主さんの心構えも重要です。
犬たちは、飼い主さんの愛情を敏感に感じ取ります。どちらか一方に偏った愛情を注いでしまうと、もう一方の犬は嫉妬心を抱き、問題行動を起こしてしまうことがあります。
常に、犬たちに平等な愛情を注ぐように心がけましょう。それぞれの犬と遊ぶ時間を作ったり、撫でてあげたり、話しかけたりすることで、犬たちは安心感を覚え、飼い主さんとの絆を深めることができます。
多頭飼いは、時間と労力がかかるものです。犬同士が仲良くなるまでには、時間がかかることもあります。焦らず、根気強く向き合っていくことが大切です。
うまくいかないことがあっても、諦めずに、様々な方法を試してみましょう。そして、犬たちの小さな変化に気づき、褒めてあげることで、犬たちのモチベーションを高めることができます。
多頭飼いは、家族全員で協力して行うものです。それぞれの役割分担を決め、犬たちの世話を分担することで、負担を軽減することができます。
また、家族全員で犬たちの行動を観察し、問題点や改善点を見つけることも大切です。家族会議を開き、犬たちのことについて話し合うことで、より良い多頭飼い生活を送ることができます。
今回のケースでは、まず、娘さんと旦那様が協力して、チワプーちゃんとポメプーちゃんの性格を理解することから始めるのが良いでしょう。そして、それぞれの犬に合った接し方を心がけ、安全な距離感を保ちながら、徐々に仲良くなれるようにサポートしていくことが大切です。
相談者様は、一時的にチワプーちゃんを預かっているとのことですが、まずは、ご自身のストレスを軽減することを優先しましょう。チワプーちゃんのために、快適な空間を用意し、十分な運動をさせてあげることで、チワプーちゃんのストレスを軽減することができます。
そして、娘さんとよく話し合い、今後のことを決めることが大切です。もし、どうしても犬同士が仲良くなれない場合は、どちらかの犬を手放すことも視野に入れる必要があるかもしれません。
多頭飼いは、犬と人との共同生活です。犬たちが快適に過ごせるように、飼い主さんが責任を持って、犬たちの世話をする必要があります。
大変なこともありますが、犬たちとの絆を深め、共に成長していく喜びは、何物にも代えがたいものです。今回の記事が、多頭飼いを検討している方、または多頭飼いで悩んでいる方の参考になれば幸いです。