愛犬との暮らしはかけがえのないもの。そこに新しい家族が増えることは、喜びとともに、様々な不安も伴いますよね。特に、先住犬が他の犬を怖がる場合、多頭飼いの成功への道筋は、想像以上に複雑に感じられるかもしれません。13歳と7ヶ月の年齢差のある犬同士の同居、しかも先住犬が犬嫌いであるという状況…、飼い主さんの不安な気持ち、痛いほどよく分かります。
この記事では、長年犬と暮らしてきた筆者自身の経験や、多くの飼い主さんの成功例・失敗例を参考に、多頭飼いの成功に繋がる方法を具体的にご紹介します。先住犬への配慮を最優先に、新しい家族との穏やかな関係構築を目指しましょう。
まず大切なのは、先住犬の気持ちを理解することです。13歳という年齢は、犬においても高齢期に差し掛かります。若い犬とは異なり、変化への対応能力は低くなっています。さらに、幼少期のトラウマから犬嫌いになっているという状況は、新しい犬との出会いへの抵抗感を強くしている可能性が高いです。新しい犬は、先住犬にとって脅威に感じられる存在かもしれません。
吠え続けるという行動は、恐怖や不安の表れです。決して、新しい犬への攻撃性を示しているわけではありません。この点をしっかり理解し、先住犬に寄り添うことが、多頭飼いの成功への第一歩となります。
いきなり二匹を自由に遊ばせることは危険です。先住犬のストレスをさらに高め、関係悪化に繋がる可能性があります。まずは、段階的な交流を心がけましょう。
最初は、それぞれの犬のタオルやベッドなどを交換し、お互いの匂いを嗅がせることから始めましょう。これにより、お互いの存在を徐々に認識させ、警戒心を和らげることができます。この段階では、直接顔を合わせさせる必要はありません。
次に、お互いがお互いを視認できる距離で、それぞれを別々の部屋やサークルに入れます。最初は数分間だけにし、徐々に時間を延ばしていきましょう。この時、先住犬が落ち着いていられるよう、安全で安心できる場所を確保することが重要です。 お気に入りのベッドやオモチャを近くに置いてあげましょう。
視覚的な慣れに成功したら、徐々に距離を縮めていきます。例えば、リードをつけた状態で、お互いをゆっくりと近づけてみましょう。この際、無理強いは厳禁です。先住犬が怖がったり、逃げ出そうとしたりしたら、すぐに距離を離しましょう。先住犬のペースに合わせて、ゆっくりと進めていくことが大切です。
お互いに落ち着いていられるようになったら、短い時間だけ、直接の接触をさせてみましょう。最初は、数秒間だけにし、徐々に時間を延ばしていきます。この時、飼い主さんが常にそばにいて、状況を注意深く見守ることが重要です。もし、先住犬が威嚇したり、新しい犬がじゃれすぎたりしたら、すぐに介入して、状況を落ち着かせましょう。
多頭飼いの成功には、環境整備も重要です。それぞれの犬が落ち着いて過ごせるように、十分なスペースと隠れ家を用意しましょう。隠れ家とは、犬が自由に逃げ込める場所のことです。ケージやベッド、ハウスなどが該当します。それぞれの犬が自分のテリトリーを持てるように、食事場所や寝床を離して設置するのも効果的です。
また、新しい犬を迎えることで、先住犬のストレスが増大する可能性があります。そのため、先住犬への特別なケアも必要です。普段以上に愛情をかけてあげたり、お気に入りのオモチャやフードを与えたりすることで、安心感を与えましょう。
どうしてもうまくいかない場合は、動物行動学の専門家や獣医に相談してみましょう。専門家のアドバイスを受けることで、より効果的な解決策を見つけることができるはずです。彼らは、犬の行動や心理について深い知識を持っており、個々の状況に合わせた適切な指導をしてくれます。
多頭飼いは、一朝一夕に成功するものではありません。時間と忍耐を要する、地道な努力の積み重ねです。先住犬の気持ちに寄り添い、新しい犬との関係をゆっくりと築き上げていくことが大切です。焦らず、一歩ずつ進めていきましょう。大切なのは、それぞれの犬が幸せに暮らせる環境を作ることです。
この記事が、あなたと愛犬たちの幸せな多頭飼育生活の一助となれば幸いです。