犬を飼っていると、どうしてもおしっこの失敗はつきものですよね。特に和室にトイレを置いている場合、畳におしっこが染み込んでしまい、困っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、畳にできたおしっこ染みから発生する白い粉や虫の正体、効果的な対策、そして畳の交換について、犬との暮らしをサポートする賃貸アドバイザーの視点から徹底的に解説します。
畳にできた白い粉の正体は、ほぼ間違いなくカビです。犬のおしっこに含まれるアンモニアは、カビの栄養源となりやすく、湿気の多い和室ではカビが繁殖しやすい環境が整ってしまいます。カビを放置すると、アレルギーの原因になったり、畳が劣化したりするだけでなく、愛犬の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。早めの対策を心がけましょう。
都内の賃貸マンションに愛犬のトイプードル「マロン」と暮らすMさん(30代女性)も、同じような悩みを抱えていました。
「マロンがまだ子犬の頃、トイレの場所をなかなか覚えてくれなくて、和室の畳におしっこを何度も失敗してしまったんです。その時はすぐに拭き取っていたのですが、時間が経つにつれて畳にシミができて、嫌な臭いが気になり始めました。」
Mさんは、インターネットで調べて様々な対策を試みました。重曹を試したり、お酢を薄めて拭いたり、消臭スプレーを使ったり…。しかし、どれも一時的な効果しかなく、根本的な解決には至りませんでした。
そんなある日、Mさんは畳のシミの部分から白い粉が出ていることに気づきました。「まさかカビ!?」と焦ったMさんは、すぐに不動産会社に連絡し、畳の状況を相談しました。
Mさんの相談を受けた不動産会社は、畳の専門業者である株式会社Kに連絡し、Mさんの自宅を訪問してもらうことにしました。株式会社Kの担当者であるSさんは、畳の状態を確認し、Mさんに詳しく説明しました。
Sさん:「これはカビですね。犬のおしっこが原因で、畳の内部までカビが繁殖してしまっています。このまま放置すると、カビがどんどん広がって、他の畳や部屋全体に影響を及ぼす可能性もあります。」
Sさんは、Mさんに以下の3つの対策を提案しました。
1. 畳のクリーニング:専門業者による畳のクリーニングで、表面のカビを除去し、畳内部の湿気を取り除く。
2. 畳の乾燥:天日干しや乾燥機を使って、畳を徹底的に乾燥させる。
3. 畳の交換:カビの繁殖がひどい場合は、畳を新しいものに交換する。
Mさんの場合、カビの繁殖が比較的軽度であったため、Sさんは畳のクリーニングと乾燥を勧めました。しかし、Mさんは賃貸物件に住んでいるため、畳の交換については大家さんの許可が必要でした。
Mさんは、不動産会社を通じて大家さんに畳の交換を相談しました。
Mさん:「畳にカビが生えてしまい、愛犬の健康にも影響が出そうで心配です。畳の交換をお願いできないでしょうか?」
不動産会社の担当者は、Mさんの状況を大家さんに丁寧に説明し、畳の交換が必要であることを伝えました。また、畳の交換費用の一部をMさんが負担することを提案し、大家さんの理解を得ることができました。
大家さん:「犬を飼っていることは承知していましたし、畳が傷んでしまうのは仕方ないと思っています。Mさんも費用を一部負担してくれるとのことなので、畳の交換を許可します。」
こうして、Mさんは畳の交換費用の一部を負担することで、大家さんの許可を得て、畳を新しいものに交換することができました。
Mさんの事例から、畳トラブルを解決するためのポイントが見えてきます。
早めの相談:畳に異常を感じたら、放置せずにすぐに不動産会社や専門業者に相談する。
原因の特定:カビや虫が発生した原因を特定し、根本的な対策を講じる。
大家さんとの交渉:賃貸物件の場合は、畳の交換について大家さんと十分に話し合い、理解を得る。
専門家の活用:畳のクリーニングや交換は、専門業者に依頼することで、確実な効果が期待できる。
畳に発生する白い粉の主な原因はカビですが、場合によってはダニの死骸やフンである可能性も考えられます。特に、畳の表面をよく見ると、小さな粒状のものが付着している場合は、ダニの可能性が高いでしょう。
また、畳から発生する虫の種類も様々です。代表的なものとしては、
チャタテムシ:体長1mm程度の小さな虫で、カビを餌にする。
ヒョウヒダニ:体長0.3mm程度のダニで、人のフケや垢、カビを餌にする。
コナダニ:体長0.5mm程度のダニで、食品や畳の内部に発生する。
これらの虫は、アレルギーの原因になったり、人を刺したりする可能性があるため、早めの対策が必要です。
畳のカビや虫対策として、今日からできることをご紹介します。
1. こまめな換気:部屋の湿度を下げるために、窓を開けてこまめに換気する。特に、雨の日や梅雨の時期は、除湿機やエアコンの除湿機能を活用する。
2. 定期的な掃除:畳の表面を掃除機で丁寧に掃除し、カビやダニの餌となるホコリやゴミを取り除く。
3. 畳の乾燥:天気の良い日には、畳を天日干しにする。難しい場合は、布団乾燥機を使って畳を乾燥させる。
4. 防カビ・防虫シートの利用:畳の下に防カビ・防虫シートを敷くことで、カビや虫の発生を抑制する。
5. ペットの衛生管理:愛犬の体を清潔に保ち、定期的にシャンプーやブラッシングを行う。また、トイレの場所をきちんと教え、おしっこを失敗した場合はすぐに拭き取る。
畳の虫対策として、バルサンを使用することも有効な手段です。バルサンは、畳の内部に潜んでいる虫を駆除する効果が期待できます。
ただし、バルサンを使用する際には、以下の点に注意が必要です。
使用方法を守る:バルサンの使用方法をよく読み、正しく使用する。
ペットへの配慮:バルサンを使用する際は、愛犬を部屋から出し、換気を十分に行う。
煙が出ないタイプを選ぶ:煙が出ないタイプのバルサンを選ぶことで、近隣住民への迷惑を軽減できる。
畳の交換費用は、畳の種類や業者によって異なりますが、一般的には1枚あたり5,000円~20,000円程度が相場です。
畳を交換する際には、以下の点に注意しましょう。
複数の業者に見積もりを依頼する:複数の業者に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較検討する。
畳の種類を選ぶ:畳の種類によって、耐久性や価格が異なるため、予算や用途に合わせて選ぶ。
賃貸物件の場合は、大家さんの許可を得る:賃貸物件の場合は、畳の交換について大家さんの許可を得る必要がある。
畳にできたおしっこ染みから発生する白い粉や虫は、カビやダニである可能性が高いです。早めの対策を講じることで、畳の劣化を防ぎ、愛犬の健康を守ることができます。
賃貸物件の場合は、畳の交換について大家さんと十分に話し合い、理解を得ることが重要です。専門業者を活用し、畳のクリーニングや交換を行うことで、愛犬と快適な暮らしを送ることができます。