愛犬同士の仲たがい、本当に心配ですよね。特に、先住犬が亡くなった後、新しい家族を迎えるのは、先住犬にとっても大きな変化です。 新しい家族との関係構築に戸惑っている先住犬の気持ち、よく分かります。
まず大切なのは、先住犬と新参犬、それぞれの気持ちに寄り添うことです。 先住犬は、以前の大切な家族を失った悲しみと、新しい家族への警戒心、そして、自分よりも体が大きい新参犬への不安を抱えているかもしれません。 新参犬は、新しい環境への戸惑いや、先住犬からの攻撃に怯えている可能性があります。
先住犬が新参犬を「お説教」するように追い掛け回すのは、自分のテリトリーを守る本能的な行動、そして、以前の犬との関係性からの行動パターンが影響している可能性があります。 亡くなった愛犬との関係性が、今の行動に強く影響していることを理解することが大切です。 新参犬は、まだ幼く、先住犬の行動を理解できず、ただただ怖がっているだけかもしれません。
では、具体的にどうすれば良いのでしょうか? 焦らず、段階的に関係を築いていきましょう。
いきなり直接接触させるのではなく、まずは匂いを共有させることから始めましょう。 新参犬のサークルに、先住犬のタオルやベッドなどを入れ、先住犬の匂いを新参犬に覚えさせます。 逆に、先住犬にも新参犬の匂いのついたものを置いてみましょう。 これにより、お互いの存在を少しずつ認識し、安心感を高めることができます。
次に、安全な距離から視覚的な接触をさせましょう。 例えば、サークル越しに、お互いを少しの時間だけ見せることから始めます。 この時、褒めてあげることで、良い経験として認識させましょう。 最初は短い時間から始め、徐々に時間を長くしていきましょう。 お互いが落ち着いていられる距離を保つことが重要です。
視覚的な接触に慣れてきたら、おもちゃやご飯を通して間接的な接触を試みましょう。 お互いが同時に楽しめるようなおもちゃを用意し、それぞれが安全な距離を保ちながら遊べるようにします。 ご飯に関しても、離れた場所に置いて、お互いの存在を気にしながら食事をすることで、安心感を高めることができます。 この段階では、決して無理強いはせず、犬たちのペースに合わせて進めましょう。
ある程度、お互いに慣れてきたら、監視下で直接的な接触をさせます。 この時、飼い主さんが常にそばにいて、犬たちの様子を注意深く観察することが大切です。 もし、喧嘩になりそうになったら、すぐに介入して止めましょう。 喧嘩を止めるときは、犬を叱るのではなく、優しく抱き上げて落ち着かせましょう。 また、この段階でも、褒めてあげることが重要です。
散歩は、犬同士の絆を深める良い機会です。 一緒に散歩することで、お互いの存在を肯定的に認識し、信頼関係を築くことができます。 ただし、散歩中も、犬たちの様子を注意深く観察し、必要に応じて介入しましょう。
住環境も、犬同士の仲に影響します。 それぞれの犬が落ち着けるスペースを確保することが大切です。 例えば、新参犬のために、安全で安心できるサークルを用意するだけでなく、先住犬にも、自分だけの落ち着ける場所を用意してあげましょう。 これは、犬が安心できるプライベート空間を提供することで、ストレスを軽減し、良好な関係を築きやすくする効果があります。
それでもうまくいかない場合は、動物行動学の専門家に相談することも検討しましょう。 専門家は、犬たちの行動を分析し、具体的なアドバイスをしてくれます。 早期に専門家のサポートを受けることで、問題を解決しやすくなります。
多頭飼いは、喜びもあれば、苦労もあります。 しかし、時間をかけて、丁寧に接することで、必ず犬たちは仲良くなれます。 焦らず、犬たちのペースに合わせて、一歩ずつ進んでいきましょう。 大切なのは、犬たちの気持ちに寄り添い、安全で安心できる環境を提供することです。 そして、飼い主さん自身の忍耐と愛情が、犬たちの幸せな共存へと繋がります。