この度は大変なご経験をされましたね。お子様もさぞ驚かれたことでしょう。まず結論から申し上げますと、ノーリードでの散歩は、法律や条例で禁止されている場合があり、違反すれば罰則の対象となる可能性があります。また、今回のケースでは、飼い主の過失によって損害が発生しているため、損害賠償請求も視野に入れることができると考えられます。
今回は、ノーリードの犬によるトラブルについて、法的側面と損害賠償請求について詳しく解説していきます。
犬の散歩時のリード装着は、狂犬病予防法や各自治体の条例で義務付けられている場合があります。
狂犬病予防法:狂犬病予防法では、犬の登録と狂犬病予防注射が義務付けられており、散歩時のリード装着については、各自治体の条例に委ねられています。
自治体の条例:多くの自治体では、犬の散歩時のリード装着を義務付ける条例を定めています。違反した場合、罰金などの罰則が科せられることもあります。
お住まいの自治体の条例を確認し、ノーリードでの散歩が禁止されているかどうかを確認しましょう。自治体のウェブサイトや窓口で確認することができます。
今回のケースでは、ノーリードで散歩させていた犬が、お子様に飛びかかり、糞を踏ませてしまうという事態が発生しています。これは、飼い主の過失によって損害が発生したとみなされる可能性があります。
民法718条(動物の占有者の責任):動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負います。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意を払っていた場合は、責任を免れることができます。
過失の有無:今回のケースでは、ノーリードで散歩させていたことが「相当の注意を払っていた」とは言えない可能性が高く、飼い主に過失があると判断される可能性が高いでしょう。
今回のケースでは、飼い主の過失によって損害が発生しているため、損害賠償請求をすることが可能です。請求できる損害賠償の内容としては、以下のようなものが考えられます。
物的損害:
衣服、カバン、靴の損害:犬の糞が付着した衣服、カバン、靴の購入費用やクリーニング代を請求できます。
その他:その他、犬の糞が付着した物があれば、その損害額を請求できます。
精神的損害:
慰謝料:犬に飛びかかられたことによる恐怖や精神的苦痛に対する慰謝料を請求できます。
その他:その他、精神的な苦痛を伴う損害があれば、その損害額を請求できます。
損害賠償請求をするためには、証拠が必要となります。今回のケースでは、以下のようなものが証拠となり得ます。
写真・動画:犬が飛びかかってきた状況、糞が付着した衣服や靴などの写真を撮っておきましょう。可能であれば、動画も撮影しておくと、より状況を把握しやすくなります。
診断書:お子様が犬に飛びかかられたことで精神的なショックを受けている場合、医師の診断書を取得しておきましょう。
領収書:衣服や靴の購入費用、クリーニング代などの領収書を保管しておきましょう。
目撃者の証言:現場を目撃した人がいれば、証言を得ておきましょう。
損害賠償請求は、以下の流れで進めるのが一般的です。
1. 内容証明郵便で請求:まず、飼い主に対して、損害賠償を請求する旨を内容証明郵便で送付します。内容証明郵便は、送付した内容と日付を証明するもので、後々の証拠となります。
2. 示談交渉:飼い主と示談交渉を行い、損害賠償額や支払い方法などを話し合います。
3. 調停:示談交渉がうまくいかない場合、裁判所に調停を申し立てます。調停では、調停委員が間に入り、当事者間の合意を目指します。
4. 訴訟:調停が不成立に終わった場合、裁判所に訴訟を提起します。訴訟では、裁判官が証拠に基づいて判断を下します。
損害賠償請求は、ご自身で行うことも可能ですが、弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
法的知識・交渉力:弁護士は、法律の専門家であり、交渉のプロです。適切な損害賠償額を算出し、相手方と有利に交渉することができます。
手続きの代行:内容証明郵便の作成、示談交渉、調停、訴訟などの手続きを代行してくれます。
精神的な負担の軽減:弁護士に依頼することで、精神的な負担を軽減することができます。
今回のケースでは、損害賠償請求だけでなく、刑事告訴も視野に入れることができます。弁護士に相談することで、最適な解決策を見つけることができるでしょう。
今回の件は、非常につらい経験だったと思いますが、再発防止のためにできることもあります。
自治体への通報:今回の件を自治体に報告し、同様の事例が起こらないように注意喚起を促しましょう。
警察への相談:悪質なケースでは、警察に相談することも検討しましょう。
啓発活動:地域住民に対して、犬の散歩時のマナーについて啓発活動を行いましょう。
今回は、ノーリードの犬によるトラブルについて、法的側面と損害賠償請求について解説しました。今回のケースでは、飼い主の過失によって損害が発生しているため、損害賠償請求をすることが可能です。泣き寝入りせずに、弁護士などの専門家に相談し、適切な対応を取りましょう。
今回の記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。