せっかくペット不可の物件を選んだのに、隣の住人が犬を飼い始めたら困りますよね。しかも、家族に喘息持ちの方がいるとなると、健康への影響も心配です。今回は、そんな状況に陥った場合の対処法と、引っ越し費用請求の可能性について、犬との暮らしをサポートする賃貸アドバイザーの視点から詳しく解説します。
結論から言うと、ペット不可の契約で入居したにも関わらず、後からペット可に変更されていた場合、状況によっては引っ越し費用の請求が可能です。ただし、そのためには、まず状況をしっかりと確認し、証拠を集めることが重要になります。大家さんとの交渉も視野に入れ、弁護士などの専門家への相談も検討しましょう。
賃貸契約を結ぶ際、なぜその物件を選んだのか?ペット不可であることが決定的な理由だった場合、大家さんの責任を追及できる可能性が高まります。
契約書の内容を確認:契約書に「ペット禁止」の条項が明記されているか確認しましょう。
不動産屋の説明:契約時に不動産屋から「ペット不可」の説明があったか思い出しましょう。重要事項説明書などに記載されているはずです。
広告の記載:入居時の物件広告に「ペット不可」と記載されていたか確認しましょう。
これらの情報があれば、ペット不可であることを重視して物件を選んだという証拠になります。
もし私があなたと同じ状況に置かれたら、まずは以下の3つのステップで行動します。
1. 状況の確認と証拠集め
2. 大家さんとの話し合い
3. 専門家への相談
まずは、状況を客観的に把握し、証拠を集めることから始めます。
犬の鳴き声の記録:鳴き声が聞こえる時間帯、頻度、種類(吠え声、遠吠えなど)を記録します。可能であれば、録音もしておくと良いでしょう。
ペット可になった時期の確認:大家さんや管理会社に、いつからペット可になったのか確認します。書面で回答してもらうのがベストです。
近隣住民への聞き取り:他の住人の方も犬の鳴き声に困っているか、ペット可になったことを知っているかなどを確認します。
写真や動画の撮影:もし犬を見かけることがあれば、写真や動画を撮影しておきましょう。
これらの情報は、大家さんとの交渉や、万が一裁判になった場合に役立ちます。
証拠が集まったら、大家さんに状況を説明し、改善を求めます。
書面での通知:まずは、内容証明郵便で通知書を送付します。
ペット禁止の契約で入居したこと
隣の住人が犬を飼育していること
犬の鳴き声によって迷惑を受けていること
ペット可になった時期と理由の説明を求めること
改善を求めること
改善されない場合は、契約解除と引っ越し費用の請求を検討していること
などを記載します。
面談での話し合い:通知書を送付後、改めて大家さんと面談の機会を設けます。
状況を詳しく説明し、理解を求めます。
改善策(犬の飼育をやめてもらう、防音対策をしてもらうなど)を提案します。
引っ越し費用の負担について交渉します。
大家さんが誠意をもって対応してくれれば、問題解決につながる可能性もあります。
大家さんとの話し合いで解決しない場合は、弁護士や消費者センターなどの専門家に相談しましょう。
弁護士:法的なアドバイスや、大家さんとの交渉、裁判の手続きなどを依頼できます。
消費者センター:消費者問題に関する相談に乗ってくれます。
不動産に強いNPO法人:不動産に関するトラブルの相談に乗ってくれるNPO法人もあります。
専門家のアドバイスを受けることで、法的な視点から解決策を見つけることができます。
あなた:先生、ペット不可の賃貸に住んでいるのに、隣の人が犬を飼い始めて困っています。引っ越し費用を請求できますか?
弁護士A:そうですね。まず、契約書の内容を確認しましょう。ペット禁止の条項が明記されていれば、大家さんには契約不適合責任が発生する可能性があります。
あなた:契約不適合責任ですか?
弁護士A:はい。契約内容と異なる状況が生じた場合、大家さんはその責任を負う必要があります。今回のケースでは、ペット禁止の契約で入居したのに、実際には犬が飼育されているという状況が、契約内容と異なると言えます。
あなた:なるほど。具体的にどのような請求ができますか?
弁護士A:まずは、大家さんに犬の飼育をやめてもらうよう求めることができます。それでも改善されない場合は、契約解除と損害賠償請求をすることができます。損害賠償請求には、引っ越し費用や、新しい物件の契約にかかる費用などが含まれます。
あなた:引っ越し費用を請求できる可能性があるんですね!
弁護士A:ただし、そのためには、犬の鳴き声によって生活に支障が出ているという証拠が必要です。鳴き声の記録や、医師の診断書などがあると有利になります。
あなた:わかりました。まずは証拠集めから始めます。
弁護士A:はい。頑張ってください。もし何かあれば、いつでもご相談ください。
Bさんは、ペット不可の賃貸マンションに住んでいましたが、上の階の住人が無断で犬を飼育していることが発覚しました。Bさんは、犬の鳴き声に悩まされ、体調を崩してしまいました。
そこで、Bさんは、弁護士に相談し、大家さんに損害賠償請求をすることにしました。弁護士は、Bさんの代わりに大家さんと交渉し、最終的に、引っ越し費用と慰謝料を支払うことで和解しました。
Bさんは、弁護士に依頼したことで、スムーズに問題を解決することができました。
今回のケースとは少し異なりますが、もしあなたが犬好きで、将来的に犬を飼いたいと考えているなら、「ペット共生型賃貸」という選択肢もあります。
ペット共生型賃貸とは、犬や猫などのペットとの暮らしを前提とした賃貸物件のことです。
ペット可物件との違い:ペット可物件は、あくまでペットを飼育することを許可しているだけで、ペットのための設備やサービスは整っていないことが多いです。一方、ペット共生型賃貸は、ペットのための設備やサービスが充実しています。
主な設備・サービス:
滑りにくい床材
消臭機能付きの壁材
ペット専用の洗い場
ドッグラン
ペットシッターサービス
などがあります。
ペット共生型賃貸なら、ペットとの快適な暮らしを実現できます。
今回は、ペット禁止の賃貸で犬の鳴き声が聞こえる場合の対処法と、引っ越し費用請求の可能性について解説しました。
まずは状況を確認し、証拠を集める
大家さんと話し合い、改善を求める
専門家に相談し、法的なアドバイスを受ける
これらのステップを踏むことで、問題解決につながる可能性が高まります。諦めずに、できることから始めてみましょう。