結論から言うと、契約違反になる可能性が非常に高いです!
「小型犬可」と明記されている賃貸物件で、シェルティ(シェットランドシープドッグ)を飼育するのは、残念ながら難しいケースが多いでしょう。なぜなら、一般的にシェルティは小型犬とはみなされないからです。
「でも、YouTubeで大きいシェルティを見たことがあるし…」という気持ちも分かります。しかし、賃貸契約においては、犬種ごとの明確な基準が存在するわけではありません。多くの場合、体重や体高によって判断されます。
そこで今回は、
なぜシェルティが小型犬とみなされないのか?
賃貸契約における「小型犬」の定義とは?
シェルティと賃貸で暮らすための現実的な選択肢
について、詳しく解説していきます。
まず、客観的なデータを見てみましょう。一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準によると、シェルティの理想体高は牡:37cm、牝:35.5cmとされています。体重については特に記載はありませんが、8~11kg程度が一般的です。
確かに、体重だけ見れば小型犬に分類されるかもしれません。しかし、体高は小型犬の基準を超えることが多く、中型犬に近いサイズと考えるのが妥当でしょう。
ここで重要なのは、「小型犬」の定義は曖昧であるということです。
ペットショップやトリミングサロンでは、独自の基準で小型犬、中型犬、大型犬と分類している場合があります。しかし、賃貸契約においては、管理会社や大家さんが独自に定めた基準が適用されます。
そのため、シェルティが小型犬に該当するかどうかは、物件ごとに確認する必要があるのです。
賃貸契約書には、ペットに関する条項が必ず記載されています。しかし、「小型犬」の定義が具体的に示されているケースは少ないのが現状です。
そこで、契約前に以下のポイントを確認するようにしましょう。
体重制限: 何kgまでが小型犬とみなされるのか?
体高制限: 何cmまでが小型犬とみなされるのか?
犬種指定: 具体的に飼育可能な犬種が指定されているか?
管理会社への確認: シェルティの飼育が可能かどうか、直接確認する。
特に重要なのは、管理会社への確認です。
口頭での確認だけでなく、書面で回答を得ておくことをおすすめします。「言った」「言わない」のトラブルを避けるためにも、証拠を残しておくことが大切です。
また、契約書に「小型犬」の定義が曖昧な場合は、特約条項として具体的な基準を明記してもらうように交渉することも可能です。
例えば、
「本物件において、小型犬とは体重〇〇kg以下、体高〇〇cm以下の犬種を指す。」
「〇〇(犬種名)の飼育については、甲(貸主)乙(借主)協議の上、別途定める。」
といった条項を追加することで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
もし、小型犬可の物件で無許可でシェルティを飼育した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか?
最も深刻なのは、契約解除です。
賃貸契約は、貸主と借主の信頼関係に基づいて成立しています。契約違反は、その信頼関係を損なう行為とみなされ、契約解除の理由となりえます。
また、契約解除だけでなく、損害賠償請求をされる可能性もあります。
例えば、
無許可飼育によって、物件の価値が下落した場合
他の入居者から苦情が出て、退去者が出た場合
物件の修繕費用が発生した場合
これらの損害について、賠償責任を負うことになるかもしれません。
もし、すでに無許可でシェルティを飼育している場合は、速やかに管理会社に相談しましょう。
正直に事情を説明し、解決策を模索することが大切です。
例えば、
追加のペット飼育費用を支払う
他の入居者に迷惑をかけないように、十分な対策を講じる
より広い物件に引っ越す
などの選択肢が考えられます。
シェルティと賃貸で暮らすためには、どのような選択肢があるのでしょうか?
1. ペット可(犬種不問)の物件を探す
最も確実な方法は、犬種やサイズを問わず、ペットの飼育が可能な物件を探すことです。最近は、大型犬や多頭飼育に対応した物件も増えてきています。
ただし、家賃や敷金が高めに設定されていることが多いので、予算との兼ね合いも考慮する必要があります。
2. 大家さんに交渉する
もし、気に入った物件が「小型犬可」の場合でも、諦めずに大家さんに交渉してみる価値はあります。
シェルティの性格や飼育環境について詳しく説明し、きちんと管理することを約束すれば、許可を得られる可能性もゼロではありません。
ただし、交渉する際は、以下の点に注意しましょう。
誠意をもって対応する: 横柄な態度や強引な交渉は逆効果です。
書面で約束する: 口約束だけでなく、書面で誓約書を作成しましょう。
近隣住民への配慮を徹底する: 騒音対策や衛生管理を徹底することをアピールしましょう。
3. ペット共生型賃貸住宅を選ぶ
最近注目されているのが、ペット共生型賃貸住宅です。
これは、ペットとの暮らしを前提とした設計や設備を備えた賃貸住宅で、ドッグランやトリミングルーム、ペット専用の足洗い場などが併設されていることもあります。
入居者もペット好きが多いので、コミュニティを形成しやすいというメリットもあります。
4. 分譲マンションの賃貸を検討する
分譲マンションを賃貸に出している場合、ペットに関する規約が緩やかなケースがあります。
分譲マンションの管理規約は、区分所有者(マンションのオーナー)によって定められるため、賃貸物件よりも自由度が高いことが多いのです。
ただし、分譲マンションの賃貸は、数が少ないため、根気強く探す必要があります。
最後に、犬との賃貸生活を始める前に、確認しておきたいチェックリストをご紹介します。
犬種選び: 飼育する犬種が、自分のライフスタイルや住環境に合っているか?
初期費用: ペットを飼育するために必要な初期費用(ワクチン代、ペット用品代など)は?
毎月の費用: ペットを飼育するために必要な毎月の費用(食費、医療費、トリミング代など)は?
飼育環境: ペットが快適に過ごせる十分なスペースがあるか?
運動時間: 毎日十分な運動時間を確保できるか?
しつけ: ペットをしつける自信があるか?
近隣住民への配慮: 騒音対策や衛生管理を徹底できるか?
留守番対策: 長時間留守番させる場合、ペットの安全を確保できるか?
旅行: 旅行に行く際、ペットを預ける場所を確保できるか?
緊急時: ペットが病気やケガをした場合、すぐに病院に連れて行けるか?
これらの項目をしっかりと確認し、万全の準備をしてから犬との暮らしをスタートさせましょう。
犬との生活は、喜びと癒しを与えてくれる素晴らしいものです。しかし、同時に責任も伴います。
ルールを守り、愛情をもって接することで、犬も人も幸せに暮らせるはずです。