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ペット可賃貸の退去費用!クロスの張り替えは本当に必要?

#退去費用
 
ペット可のマンションの原状回復費について質問です。1年半借りていた1K8畳のマンションを先月退去したのですが、高額なクリーニング代を請求されています。犬によって削られた柱の修理費用は納得できるのですが、「ペットを飼っていたので、次にペットアレルギーのある人が住む場合に困るから、クロスも全て張り替えで、エアコンも解体洗浄が必要」と言われました。柱以外、クロスに傷等はありませんし、特約にもそのようなことは書かれていません。クロス張り替え9万円、クリーニング代4万円、エアコン洗浄1万円という内訳がどうしても納得いきません。ペット可と謳われているマンションでも、全てクロスを張り替えなければいけないものなのでしょうか?

退去時の原状回復費用、特にペット可物件となると、トラブルになりやすいですよね。結論から言うと、ペットを飼っていたという理由だけで、クロスの全面張り替えを請求されるのは、必ずしも妥当とは言えません。

しかし、納得のいかない請求にどう対処すれば良いのか、具体的な知識がないと、泣き寝入りしてしまう可能性も…。そこで今回は、ペット可賃貸の原状回復費用の相場や、不当な請求をされた場合の対処法について、詳しく解説していきます。

この記事を読めば、あなたは以下のことを理解できます。
ペット可賃貸の原状回復費用の基本的な考え方
クロスの張り替え費用の相場と、請求が妥当なケース・不当なケース
高額な請求をされた場合の具体的な対処法
退去時にトラブルを避けるための予防策

ぜひ最後まで読んで、賢く、そして気持ちよく退去手続きを済ませましょう!

原状回復義務とは?ペット可賃貸における基本

まず、原状回復義務について正しく理解しておきましょう。原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、借りたときの状態に戻す義務のことです。しかし、これはあくまで「通常の使用による損耗」を除いた範囲となります。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、経年劣化や通常の使用による損耗は、家賃に含まれていると考えられ、貸主(大家さん)が負担すべきとされています。

では、ペット可賃貸の場合はどうでしょうか?

ペット可物件の場合、通常の賃貸物件よりも、ペットによる損耗が発生しやすいことは、貸主も入居者も認識しているはずです。しかし、だからといって、ペットを飼っていたというだけで、無条件に高額な原状回復費用を請求できるわけではありません。

重要なのは、以下の2点です。

1. ペットによる特別な損耗があったかどうか
2. 賃貸契約書に、ペットに関する特約が記載されているかどうか

ペットによる特別な損耗とは?

ペットによる特別な損耗とは、具体的に以下のようなものが挙げられます。
犬や猫が柱や壁を引っ掻いてできた傷
ペットの粗相による床やカーペットのシミ、臭い
ペットの毛が原因で発生したアレルギー物質の蓄積

これらの損耗は、通常の使用では発生しないため、借主が原状回復費用を負担すべきとされる場合があります。

ペットに関する特約とは?

賃貸契約書には、ペットに関する特約が記載されている場合があります。例えば、以下のような内容です。
退去時に、ペット消臭のための特別なクリーニングを行う
ペットによる損耗が発生した場合、借主が原状回復費用を負担する

このような特約がある場合、借主は特約の内容に従う必要があります。ただし、特約の内容が消費者契約法に違反する場合や、借主に一方的に不利な場合は、無効となることもあります。

ケーススタディ:高額なクロスの張り替え費用、本当に必要?

今回のケースでは、犬によって削られた柱の修理費用は納得できるものの、クロスの張り替え費用9万円、クリーニング代4万円、エアコン洗浄1万円という内訳に納得がいかないとのことですね。

ここで、今回のケースを詳しく見ていきましょう。
クロスの状況: 柱以外に傷や汚れはない
特約の有無: クロスの張り替えに関する特約はない

この状況から考えると、クロスの全面張り替えを請求されるのは、不当である可能性が高いと言えます。

なぜなら、クロスに傷や汚れがないのに、ペットを飼っていたという理由だけで、全面張り替えが必要になるというのは、通常の使用による損耗を超えた請求とは言えないからです。

また、特約にもクロスの張り替えに関する記載がないため、貸主は契約に基づいて請求することはできません。

エアコン洗浄費用は?

エアコン洗浄費用についても、同様に検討する必要があります。

エアコンの解体洗浄が必要となるのは、通常、エアコン内部にペットの毛やアレルギー物質が大量に蓄積している場合です。しかし、1年半の使用期間で、そこまでエアコンが汚れるとは考えにくいでしょう。

したがって、エアコン洗浄費用についても、請求が妥当かどうか、慎重に判断する必要があります。

高額な原状回復費用を請求された場合の対処法

もし、今回のケースのように、高額な原状回復費用を請求された場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか?

具体的なステップを解説します。

1. 請求内容の内訳を確認する

まずは、請求書に記載されている内訳を詳しく確認しましょう。それぞれの項目について、具体的な根拠や金額の算出方法を尋ねることが重要です。
2. 契約書と重要事項説明書を確認する

賃貸契約書と重要事項説明書を再度確認し、原状回復に関する条項や特約の内容を把握しましょう。特に、ペットに関する特約の有無と内容を注意深く確認してください。
3. 証拠を集める

入居時と退去時の写真や動画を比較し、クロスの状態や室内の状況を客観的に記録しておきましょう。また、ペットの種類や飼育状況、過去の修繕履歴なども記録しておくと、交渉の際に役立ちます。
4. 内容証明郵便を送付する

貸主に対して、請求内容に納得できない旨を記載した内容証明郵便を送付します。内容証明郵便は、送付した内容と日付を証明するもので、後々の紛争解決に役立ちます。
内容証明には、以下の内容を記載しましょう。
物件の所在地、契約者の氏名
請求された原状回復費用の内訳と金額
請求に納得できない理由(クロスの状況、特約の有無など)
減額または支払いを拒否する旨
連絡先
5. 専門機関に相談する

内容証明を送っても解決しない場合は、専門機関に相談することを検討しましょう。
消費生活センター: 消費者問題に関する相談窓口です。
弁護士: 法的なアドバイスや交渉、訴訟の代理を依頼できます。
宅地建物取引業協会: 不動産取引に関する相談窓口です。

これらの専門機関は、あなたの状況に合わせて適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
6. 少額訴訟を検討する

専門機関に相談しても解決しない場合は、少額訴訟を検討しましょう。少額訴訟は、60万円以下の金銭トラブルを解決するための裁判手続きで、通常の裁判よりも簡単に行うことができます。

退去時のトラブルを避けるための予防策

退去時のトラブルを避けるためには、事前の対策が非常に重要です。以下の点に注意して、トラブルを未然に防ぎましょう。

1. 入居時に物件の状態を詳細に記録する

入居時に、物件全体の写真や動画を撮影し、傷や汚れ、不具合などを詳細に記録しておきましょう。特に、ペットが触れる可能性のある場所は、重点的に記録しておくことが重要です。
2. 契約書と重要事項説明書をよく確認する

賃貸契約書と重要事項説明書をよく確認し、原状回復に関する条項や特約の内容をしっかりと理解しておきましょう。不明な点があれば、契約前に貸主や不動産会社に確認することが大切です。
3. ペットによる損耗を防ぐ対策を行う

ペットが柱や壁を引っ掻かないように、爪とぎを用意したり、保護シートを貼ったりするなどの対策を行いましょう。また、ペットの粗相を防ぐために、トイレのしつけを徹底し、こまめに掃除をすることが重要です。
4. 定期的なメンテナンスを行う

定期的に換気を行い、室内の湿度を適切に保つことで、カビの発生を防ぎましょう。また、ペットの毛が溜まらないように、こまめに掃除機をかけることも大切です。
5. 退去前に清掃を行う

退去前に、物件全体を丁寧に清掃しましょう。特に、ペットの臭いが残りやすい場所は、念入りに掃除することが重要です。
6. 退去時の立ち会いに参加する

退去時の立ち会いには必ず参加し、物件の状態を貸主と一緒に確認しましょう。その場で、原状回復費用の見積もりを提示してもらい、納得できない場合は、その場で交渉することが大切です。

まとめ:賢く交渉して、気持ちよく退去しよう!

ペット可賃貸の原状回復費用は、ケースによって大きく異なります。しかし、今回のケースのように、ペットを飼っていたという理由だけで、クロスの全面張り替えを請求されるのは、必ずしも妥当とは言えません。

高額な原状回復費用を請求された場合は、泣き寝入りせずに、この記事で解説した対処法を参考に、賢く交渉しましょう。

そして、退去時のトラブルを避けるためには、事前の対策が非常に重要です。入居時の記録、契約書の確認、ペット対策、定期的なメンテナンスなど、できることから始めて、気持ちよく退去できるように心がけましょう。

もし、不安な場合は、専門機関に相談することも検討してみてください。

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