ペットとの暮らしは楽しいものですが、賃貸物件の退去時には色々な問題が起こりがちですよね。特にペット可の物件では、原状回復費用でトラブルになるケースが少なくありません。今回のケースでは、短期解約違約金に加え、クロスの張替え費用と室内清掃費用で合計14万円もの請求が来ており、大変お困りのことと思います。
しかし、諦めるのはまだ早いです!請求された費用を少しでも減らすために、今からできることを一つずつ確認していきましょう。
今回は、高額な原状回復費用を請求された場合に、どのように対応すれば良いのか、具体的なステップと交渉のポイントを解説します。ぜひ参考にしてください。
まずは、送られてきた精算書の内訳をもう一度詳しく確認しましょう。特に以下の点に注目してください。
クロスの張替えが必要な理由(ヤニ汚れの程度や範囲など)
クロスの種類やグレード(高価なものになっていないか)
室内清掃料の根拠(ペット飼育規則の内容など)
もし、不明な点や納得できない点があれば、管理会社や大家さんに質問してみましょう。電話やメールで問い合わせるだけでなく、内容証明郵便で質問状を送るのも有効です。質問状を送ることで、相手に回答義務が生じ、より丁寧な対応を期待できます。
賃貸契約における原状回復とは、借りた時の状態に戻すことですが、これはあくまで「通常の使用による損耗」を除いた範囲です。つまり、日焼けや家具の跡など、普通に生活していれば発生するような損耗については、借主が費用を負担する必要はありません。
今回のケースでは、ヤニ汚れが問題になっていますが、もし喫煙による汚れが軽微で、通常の清掃で落ちる程度であれば、クロスの張替え費用を全額負担する必要はない可能性があります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、原状回復の範囲について詳しく解説されています。ぜひ参考にしてみてください。
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
請求された費用を減額するために、以下のステップで交渉を進めてみましょう。
入居時と退去時の部屋の写真を比較し、ヤニ汚れの程度を確認しましょう。もし、入居時からすでにヤニ汚れがあった場合は、その証拠となる写真や書類を探してください。また、退去時の立ち会いの際に、汚れの状況を詳しく記録しておくことも重要です。
集めた証拠や原状回復に関する知識をもとに、交渉の根拠を整理しましょう。例えば、「ヤニ汚れは軽微で、クロスの張替えが必要なレベルではない」「クロスの種類が高価すぎる」といった具体的な主張を準備しておきます。
管理会社や大家さんに、減額交渉の申し入れをします。まずは電話やメールで連絡を取り、直接会って話し合う機会を設けてもらいましょう。交渉の際には、冷静かつ丁寧に、自分の主張を伝えます。感情的にならず、論理的に話を進めることが大切です。
交渉がうまくいかない場合は、内容証明郵便で減額を求める書面を送付します。内容証明郵便は、相手に意思表示をした証拠となるため、法的にも有効です。書面には、減額を求める理由や根拠、希望する金額などを具体的に記載します。
法律の専門家や消費者センターに相談する
交渉が難航する場合は、弁護士や司法書士などの法律の専門家や、消費者センターに相談してみましょう。専門家のアドバイスを受けることで、法的根拠に基づいた交渉が可能になります。
第三者に入ってもらう
交渉に慣れていない場合は、不動産に詳しい友人や家族に同席してもらうのも有効です。第三者の客観的な意見を聞くことで、冷静に判断することができます。
分割払いを検討する
どうしても減額が難しい場合は、分割払いを交渉してみましょう。一度に全額を支払うのが難しい旨を伝え、無理のない範囲で分割払いにしてもらえるよう交渉します。
実際に、交渉によって原状回復費用を大幅に減額できたケースはたくさんあります。
例えば、Aさんはペット可の賃貸マンションに犬と住んでいましたが、退去時に「クロスの張替え費用」として20万円を請求されました。Aさんは、入居時からあった傷や汚れについて、写真や契約書を提示し、交渉した結果、最終的に5万円まで減額してもらうことができました。
また、Bさんは退去時に「ハウスクリーニング費用」として5万円を請求されましたが、契約書にハウスクリーニングに関する記載がないことを指摘し、交渉した結果、支払いを免除してもらうことができました。
これらの事例からもわかるように、諦めずに交渉することで、原状回復費用を減額できる可能性は十分にあります。
今回は、ペット可賃貸の退去費用について、高額な請求を少しでも減らすための対処法を解説しました。
今回のケースでは、まずは請求の内訳を詳しく確認し、原状回復義務の範囲を理解することが重要です。その上で、証拠を集め、交渉の準備を行い、管理会社や大家さんと交渉してみましょう。
もし交渉が難航する場合は、法律の専門家や消費者センターに相談することも検討してください。
ペットとの暮らしは素晴らしいものですが、退去時のトラブルは避けたいものです。今回の記事が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。