退去時のトラブル、本当に大変ですよね。特に、大切な愛犬と暮らしたお部屋となると、感情も絡んで余計に複雑になりますよね。今回は、ペット可物件の退去時にありがちな「悪臭」を理由とした高額請求について、徹底的に解説していきます。
結論から言うと、今回のケースでは、請求に全面的に従う必要はありません!
もちろん、契約内容や状況によって判断は変わりますが、納得できない場合は泣き寝入りせずに、然るべき対応を取ることが重要です。
この記事では、
ペット可物件の契約における注意点
退去時の立会いで確認すべきこと
悪臭を理由とした請求への対抗策
専門家への相談の重要性
について、具体的なアドバイスを交えながら詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、安心して新生活をスタートさせてくださいね!
今回の相談者Aさんのケースは、ペット可物件の退去時にありがちなトラブルの典型例と言えるでしょう。
Aさんは、都内の2DKのペット可物件で、老犬の柴犬と小型犬の計2匹と2年半暮らしていました。
退去後、不動産屋から約30万円もの高額な請求が来たのです。
その内訳は、フローリングとクロスの総取替え、エアコンクリーニング、ハウスクリーニング。
請求の理由は、犬による悪臭とのことでした。
しかし、Aさんは納得がいきません。
なぜなら、
犬を飼育していたのは2DKのうち一部屋のみ
犬は室内で糞尿を一切していない
犬が入らなかった部屋のクロスは新品同様
だからです。
Aさんは現在妊娠臨月で、時間も限られています。
一刻も早く解決したいと考えていますが、どうすれば良いのでしょうか?
まず、Aさんが確認すべきは、賃貸契約書に記載されているペット特約の内容です。
今回のケースでは、特約に「賃借人は、ペットによる壁紙などの悪臭、破損、汚損が生じた際に納めた敷金が不足した場合全額負担すること」と記載されています。
しかし、この特約がどこまで有効なのか、慎重に判断する必要があります。
なぜなら、
特約の内容が消費者契約法に違反していないか
悪臭の原因が本当に犬によるものなのか
クロスの総取替えが必要なほどの悪臭なのか
といった点が曖昧だからです。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、賃借人(Aさん)が負担すべきなのは、通常の使用を超える損耗や毀損に限られます。
つまり、犬と暮らしていたとしても、通常の使用範囲内であれば、クロスの総取替え費用を負担する必要はないのです。
不動産屋は、悪臭の原因を犬によるものだと主張していますが、その根拠は曖昧です。
Aさんは、犬は室内で糞尿をしていないし、犬が入らなかった部屋のクロスは新品同様だと主張しています。
そこで、Aさんが取るべき行動は、悪臭の原因を特定するための客観的な証拠を集めることです。
例えば、
専門業者に依頼して、悪臭の成分分析を行う
第三者の専門家(建築士や弁護士など)に、部屋の状態をチェックしてもらう
といった方法が考えられます。
もし、悪臭の原因が犬によるものではない場合や、クロスの総取替えが必要なほどの悪臭ではない場合は、不動産屋の請求を拒否することができます。
Aさんは現在、不動産屋と話し合い中とのことですが、感情的にならず、冷静に交渉を進めることが重要です。
その際、以下の点を意識しましょう。
契約内容や法律に基づいた主張をする
悪臭の原因やクロスの状態について、客観的な証拠を提示する
不動産屋の主張に矛盾点がないか、注意深く確認する
交渉の内容は必ず記録に残す(メールや書面など)
もし、交渉が難航する場合は、弁護士や消費者センターなどの専門機関に相談することも検討しましょう。
話し合いで解決できない場合は、最終的に裁判で決着をつけることになります。
しかし、裁判には時間も費用もかかるため、できる限り避けたいところです。
そこで、Aさんが検討すべきなのが、少額訴訟という制度です。
少額訴訟とは、60万円以下の金銭トラブルを、通常の裁判よりも簡略化された手続きで解決できる制度です。
弁護士に依頼する必要もなく、自分自身で訴訟を起こすことができます。
ペット可物件を契約する際には、以下の点に注意しましょう。
ペット特約の内容をよく確認する(原状回復義務の範囲など)
入居前に、部屋の状態を写真や動画で記録しておく
退去時の立会いには、必ず参加する
不動産屋の主張に納得できない場合は、サインせずに持ち帰る
専門家(弁護士や建築士など)に相談する
これらの点に注意することで、退去時のトラブルを未然に防ぐことができます。
今回は、ペット可物件の退去時にありがちなトラブルについて解説しました。
Aさんのケースでは、悪臭を理由としたクロスの総取替え費用を、全面的に負担する必要はありません。
契約内容や法律に基づいた主張をし、冷静に交渉を進めることが重要です。
もし、交渉が難航する場合は、弁護士や消費者センターなどの専門機関に相談することも検討しましょう。
愛犬との暮らしを守るために、諦めずに戦ってください!