ペット可賃貸にお住まいの皆さん、退去時の費用って気になりますよね?特に、家賃を上乗せして払っている場合、「考慮してもらえるのかな?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。今回は、そんな疑問にズバリお答えします!猫のひっかき傷やネジ穴がある場合の費用目安についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
あと、退去時の費用をだいたいの目安でけっこうですので教えてください。壁紙にひどい猫の傷が玄関と寝室に一カ所ずつあり、猫タワーを壁に固定する為にネジで空けた穴が4ヶ所あります。
残念ながら、家賃の上乗せ分が退去費用に直接考慮されるケースは稀です。しかし、諦めるのはまだ早い!原状回復義務の範囲や、猫の傷・ネジ穴の修理費用の相場を知っておくことで、交渉の余地は十分にあります。
Aさんは、愛猫のミミちゃんと一緒にペット可賃貸に2年間住んでいました。退去時、管理会社から提示された原状回復費用はなんと20万円!内訳を見ると、壁のひっかき傷や柱の傷などが高額請求されていました。
Aさんは納得がいかず、弁護士に相談。弁護士は、Aさんの契約書や入居時の状況などを詳しく調査し、管理会社と交渉しました。その結果、Aさんは当初の請求額から大幅に減額された金額で済むことになりました。
Aさんのケースからわかるように、退去費用は言い値で支払う必要はありません。原状回復義務の範囲や、修理費用の相場を知っておくことが大切です。
原状回復義務とは、賃貸物件を退去する際に、借りたときの状態に戻す義務のことです。しかし、これはあくまで「通常の使用による損耗」を除いた範囲となります。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、
経年劣化:日焼け、家具の設置による床のへこみなど
通常の使用による損耗:壁に画鋲を刺した跡、ポスターを貼った跡など
上記のような損耗は、通常、大家さんが負担することになっています。
つまり、猫との生活で生じた傷や汚れでも、すべてが借主の負担になるわけではありません。
では、猫のひっかき傷やネジ穴は、どこまでが原状回復義務となるのでしょうか?
猫のひっかき傷:これは、通常の使用による損耗とは言えません。借主の故意または過失によるものと判断される可能性が高く、原状回復義務が発生する可能性が高いです。
ネジ穴:猫タワーを設置するために開けたネジ穴は、通常の使用とは言えません。こちらも、原状回復義務が発生する可能性が高いです。
ただし、これらの傷や穴の程度、場所、契約内容などによって判断は異なります。
退去費用の目安は、物件の広さや築年数、傷や汚れの程度によって大きく異なります。
壁紙の張り替え:1㎡あたり1,000円~2,000円程度
ネジ穴の補修:1箇所あたり500円~1,000円程度
猫のひっかき傷が広範囲に及ぶ場合は、壁一面の張り替えが必要になることもあります。
1. 入居時に写真を撮っておく
入居時の状態を写真に記録しておきましょう。退去時に、不当な請求をされた場合に証拠となります。
2. ペットによる傷・汚れは、できる範囲で補修する
猫のひっかき傷などは、市販の補修材で目立たなくすることができます。
3. 退去前に掃除を徹底する
退去前に、部屋全体をきれいに掃除しましょう。
4. 見積もりは必ず複数社から取る
管理会社から提示された見積もりだけでなく、複数の業者から見積もりを取りましょう。
5. 契約書をよく確認する
契約書には、原状回復義務に関する条項が記載されています。必ず確認しておきましょう。
残念ながら、家賃の上乗せ分を退去費用の交渉材料にするのは難しいでしょう。上乗せ家賃は、あくまでペット可物件に住むための対価であり、原状回復費用とは別のものと考えられます。
ただし、管理会社によっては、ある程度の考慮をしてくれる場合もあります。ダメ元で交渉してみる価値はあるでしょう。
NPO法人ペット共生住宅支援機構は、「ペットと人が共に幸せに暮らせる社会」を目指し、様々な活動を行っています。ペット可賃貸の退去トラブルに関する相談も受け付けていますので、困ったときは相談してみましょう。
ペット可賃貸の退去費用は、猫の傷やネジ穴の程度によって大きく異なります。しかし、原状回復義務の範囲や修理費用の相場を知っておくことで、不当な請求を防ぐことができます。
退去前にできる対策をしっかりと行い、納得のいく退去を目指しましょう。