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ペット可賃貸の解約時、リフォーム費用は本当に全額負担?賢く交渉する方法

#ペット可賃貸
 
賃貸マンション(ペット可)に4年間住んでおり、小型犬を飼っています。退室予定ですが、契約書に「ペットを飼う条件として部屋のリフォームは全て借主負担」とあります。ペットを飼っていない場合、壁紙の張替などは償却されると聞きますが、ペットを飼っている場合は適用されないのでしょうか?ペットを飼っていても、通常消耗される物はあると思うのですが…。消毒などについては敷金から引かれるのは仕方ないと思っています。

ペットと暮らす賃貸物件の退去時、リフォーム費用に関するトラブルは後を絶ちません。「契約書に書いてあるから」と諦めてしまう前に、知っておくべき知識と交渉術があります。今回は、ペット可賃貸の解約時に発生するリフォーム費用について、具体的な事例を交えながら、借主が不利にならないための対策を解説します。

なぜペット可賃貸のリフォーム費用は高額になりがちなのか?

ペット可賃貸は、ペットを飼っていない人に比べて、退去時のリフォーム費用が高額になる傾向があります。その理由は主に以下の3点です。
ペットによる傷や汚れ: 壁や床の傷、臭いなどは、通常の生活による損耗とは見なされず、借主の負担となることが多いです。
契約書の特約: ペット可物件の契約書には、「ペット飼育による損害は借主が負担する」といった特約が設けられている場合があります。
原状回復義務の解釈: 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復は「賃借人の居住、使用により発生した 建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用に起因するもの」と定義されています。ペットの飼育は、この「通常の使用を超えるような使用」と解釈されることがあります。

ケーススタディ:Aさんの場合

Aさんは、小型犬と一緒に暮らせるペット可マンションに5年間住んでいました。退去時、不動産会社から提示されたリフォーム費用の見積もりは、なんと50万円。内訳は、壁紙の張替え、床のクリーニング、そして消臭作業でした。Aさんは契約書に「ペット飼育による損害は借主負担」という特約があることを思い出し、途方に暮れてしまいました。

しかし、Aさんは諦めずに、以下の3つのステップで交渉に臨みました。

1. 見積もりの詳細な内訳を確認: 不動産会社に、リフォーム費用の詳細な内訳を提示するように求めました。すると、壁紙の張替え費用が、ペットによる汚れだけでなく、経年劣化によるものも含まれていることが判明しました。
2. 相見積もりを取得: 複数のリフォーム業者に見積もりを依頼し、不動産会社の見積もりと比較しました。その結果、不動産会社の見積もりが相場よりも高いことが分かりました。
3. 専門家への相談: 消費生活センターや弁護士に相談し、自身の権利や交渉の進め方についてアドバイスを受けました。

これらの準備を経て、Aさんは不動産会社と交渉し、最終的にリフォーム費用を20万円まで減額することに成功しました。

知っておくべき法律とガイドライン

Aさんのように、高額なリフォーム費用を請求された場合、泣き寝入りする必要はありません。借主には、法律やガイドラインによって守られた権利があります。
民法: 民法では、賃貸物件の通常損耗については、賃料に含まれるものとされています。つまり、ペットを飼っていても、通常の使用による損耗は、借主が負担する必要はありません。
消費者契約法: 消費者契約法では、事業者が消費者の利益を一方的に害する条項は無効とされます。例えば、「ペット飼育による損害は全て借主負担」といった条項は、無効とされる可能性があります。
国土交通省のガイドライン: 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、原状回復の範囲や費用負担について、具体的な基準を示しています。このガイドラインは、裁判所でも参考にされることが多いため、必ず確認しておきましょう。

交渉を有利に進めるための5つのポイント

ペット可賃貸の解約時に、リフォーム費用を巡るトラブルを避けるためには、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

1. 入居前の確認: 契約書の内容を隅々まで確認し、ペットに関する特約がないか、原状回復義務の範囲はどこまでかなどを確認しましょう。不明な点があれば、不動産会社に質問し、納得できるまで説明を求めましょう。
2. 入居中の対策: ペットによる傷や汚れを防ぐために、日頃から対策を講じましょう。例えば、壁には保護シートを貼ったり、床にはカーペットを敷いたりするなどの工夫が有効です。
3. 退去時の立会い: 退去時には、不動産会社と一緒に部屋の状態を確認する立会いに必ず参加しましょう。傷や汚れの箇所、程度などを明確にし、写真や動画を記録しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。
4. 見積もりの精査: 不動産会社から提示されたリフォーム費用の見積もりは、詳細な内訳を確認し、相場と比較しましょう。不当に高額な費用が含まれていないか、経年劣化による損耗が含まれていないかなどをチェックしましょう。
5. 専門家への相談: 交渉が難航する場合は、消費生活センターや弁護士などの専門家に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、冷静に交渉を進めることができます。

Q&A:よくある質問

Q:契約書に「ペット飼育による損害は全て借主負担」と書いてありますが、本当に全額負担しなければならないのでしょうか?

A:必ずしもそうとは限りません。消費者契約法では、消費者の利益を一方的に害する条項は無効とされます。また、国土交通省のガイドラインでは、経年劣化による損耗は、賃料に含まれるものとされています。まずは、見積もりの内訳を確認し、不当な費用が含まれていないかチェックしましょう。

Q:ペットが壁に引っ掻き傷をつけてしまいました。これは全額負担しなければならないのでしょうか?

A:引っ掻き傷の程度や、壁の材質によって判断が異なります。軽微な傷であれば、通常損耗とみなされる可能性もあります。しかし、壁紙の張替えが必要なほどの傷であれば、借主の負担となる可能性が高いです。まずは、不動産会社と相談し、修理方法や費用について話し合いましょう。

Q:不動産会社が提示するリフォーム費用が高すぎる気がします。どうすればいいでしょうか?

A:複数のリフォーム業者に見積もりを依頼し、相場と比較してみましょう。また、不動産会社に、見積もりの根拠となる資料を提示するように求めましょう。それでも納得できない場合は、消費生活センターや弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ:賢く交渉して、ペットとの暮らしを最後まで楽しもう!

ペット可賃貸の解約時に発生するリフォーム費用は、高額になることもありますが、諦めずに交渉することで、費用を抑えることができる場合があります。契約書の内容をよく確認し、法律やガイドラインを理解した上で、冷静に交渉に臨みましょう。もし、交渉が難航する場合は、専門家の力を借りることも検討しましょう。ペットとの大切な思い出が詰まったお部屋を、気持ちよく退去できるように、しっかりと準備をして臨んでくださいね。

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