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ペット可賃貸、ペットの臭いは「通常使用」?原状回復義務を徹底解説!

#賃貸トラブル
 
ペット可の賃貸物件でペットを飼育する場合、通常の使用方法と異なるのでしょうか? 例えば、壁紙が家具の裏側だけ日に焼けずに色が違ってしまうのは通常の使用範囲であり、「原状回復」として修繕する必要はないと考えられます。しかし、ペット可の物件でペットの写真を提出している場合、貸主はペットを飼育することを承知しているはずです。動物がいれば(傷などは別として)臭いが発生するのは当然であり、それを通常の使用範囲ではないとして「原状回復が必要」とするのは理解できません。この違いは何でしょうか?(動物は普通はそんなに臭わないという点は考慮せず、あくまで動物の臭いが故意ではなく壁紙などに付着した場合を想定します。) 補足として、借り主が「ペットを飼います」と宣言し、貸し主が「ペットを飼育することを了承して貸しています」という状況で、「ペット可物件はペットを飼って「も」良い」という扱いなのでしょうか? そのために礼金が上がっているのではないのでしょうか? では、何のために礼金や敷金が上がっているのでしょうか?

はじめに:ペット可賃貸の原状回復、どこまでが「通常使用」?

ペットと暮らせる賃貸物件は、愛犬家にとってかけがえのない存在です。しかし、退去時の原状回復をめぐっては、トラブルも少なくありません。「ペット可」だからといって、どんな汚れや臭いも許されるわけではありませんが、一体どこまでが「通常の使用」とみなされるのでしょうか?

今回は、ペット可賃貸における原状回復義務について、具体的な事例を交えながら徹底的に解説します。特に、「ペットの臭い」が原状回復の対象となるのか、礼金や敷金との関係はどうなっているのか、詳しく見ていきましょう。

この記事を読めば、ペットとの暮らしを安心して楽しむための知識が身につくだけでなく、万が一のトラブルにも冷静に対処できるようになります。ぜひ最後までお読みください。

メリットとデメリット

1. 原状回復義務とは?

原状回復義務とは、賃貸物件を退去する際に、借りたときの状態に戻す義務のことです。ただし、これはあくまで「通常の使用」による損耗を除いた範囲となります。
通常の使用による損耗:日焼け、家具の設置による床のへこみ、壁に画鋲の跡など、通常の使用で発生する程度の劣化
通常の使用を超えた損耗:故意または過失による破損、清掃を怠ったことによる汚れ、ペットによる傷や臭いなど

2. ペット可賃貸における「通常の使用」の範囲

ペット可賃貸の場合、「ペットを飼育すること」が前提となっているため、通常の賃貸物件とは「通常の使用」の範囲が異なると考えられます。しかし、これはあくまで「ペットを飼育することによって通常生じうる損耗」に限られます。

例えば、以下のようなケースが考えられます。
メリット
ペットの臭い:ペットの体臭や排泄物の臭いが、通常の使用範囲内で壁や床に染み付いた場合。
軽いひっかき傷:犬が壁やドアに軽いひっかき傷をつけてしまった場合(ただし、程度による)。
デメリット
ペットによる傷:犬が壁や床を深く傷つけたり、柱をかじったりした場合。
ペットの糞尿による汚れ:犬が室内で粗相をしてしまい、それが原因で床や壁が汚れてしまった場合。
過度な臭い:犬の臭いが強烈で、通常の清掃では除去できない場合。

3. 礼金・敷金と原状回復の関係

礼金は、賃貸契約の際に大家さんに支払うもので、退去時に返還されません。一方、敷金は、家賃の滞納や損害賠償の担保として預けるもので、退去時に残額が返還されます。

ペット可賃貸の場合、通常の賃貸物件よりも礼金や敷金が高く設定されていることがあります。これは、ペットによる損耗のリスクを考慮してのことですが、「礼金や敷金を支払っているから、ペットによる損害はすべてカバーされる」というわけではありません。

礼金はあくまで大家さんへの謝礼であり、損害賠償の費用に充当されるものではありません。また、敷金も、通常の使用を超える損害に対してのみ充当されます。

4. 【ケーススタディ】過去の裁判例から学ぶ

ペットの臭いをめぐる原状回復義務について、過去の裁判例を見てみましょう。
事例1:東京地裁平成20年9月29日判決

ペット可のマンションで犬を飼育していたAさんが、退去時に「犬の臭いが染み付いている」として、大家さんから高額な原状回復費用を請求されました。裁判所は、Aさんが犬の臭い対策を怠っていたことを認め、一定の原状回復費用を負担すべきと判断しました。ただし、大家さんが請求した金額は過大であるとし、減額を命じました。
事例2:大阪地裁平成25年1月31日判決

ペット可のアパートで猫を飼育していたBさんが、退去時に「猫のひっかき傷がある」として、大家さんから壁紙の張り替え費用を請求されました。裁判所は、Bさんが猫のひっかき傷対策を講じていなかったことを認め、壁紙の張り替え費用の一部を負担すべきと判断しました。ただし、壁紙の耐用年数を考慮し、Bさんが負担すべき金額を減額しました。

これらの裁判例からわかるように、ペット可賃貸であっても、ペットによる損害については、借り主が一定の責任を負う必要がある場合があります。ただし、大家さんが請求する金額が妥当かどうかは、個別のケースによって判断されます。

5. トラブルを避けるための対策

ペット可賃貸での原状回復トラブルを避けるためには、以下の対策を講じることが重要です。
入居前に契約内容をしっかり確認する

ペットに関する特約条項(ペットの種類、飼育数、損害賠償など)をよく読み、不明な点は大家さんや不動産会社に確認しましょう。
ペットの臭い・傷対策を徹底する

消臭剤や空気清浄機を活用し、こまめに掃除をしましょう。また、ペットが壁や床を傷つけないように、ペット用の爪とぎやマットなどを設置しましょう。
退去時に立ち会いを行う

退去時には、大家さんや不動産会社と一緒に部屋の状態を確認し、原状回復が必要な箇所とその費用について話し合いましょう。
証拠写真を残しておく

入居時と退去時に、部屋の状態を写真に撮っておきましょう。特に、ペットによる傷や汚れがある場合は、詳細な写真を残しておくことが重要です。

6. 専門家への相談も検討しよう

原状回復義務をめぐるトラブルは、法律や判例の知識が必要となるため、個人で解決することが難しい場合があります。そのような場合は、弁護士や消費者センターなどの専門家に相談することを検討しましょう。

まとめ:ペットと快適に暮らすために

ペット可賃貸における原状回復義務は、一概に「こうだ」と言えるものではなく、個別のケースによって判断が異なります。しかし、契約内容をしっかり確認し、ペットの臭い・傷対策を徹底することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

ペットとの暮らしは、私たちに癒しと喜びを与えてくれます。ルールを守り、マナーを守って、ペットとの快適な生活を楽しみましょう。

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