退去時の保証金、気になりますよね!特にペットと暮らしている場合は、原状回復費用がどうなるのか不安に感じる方も多いはず。今回は、ペット(犬)と10年暮らした賃貸マンションの退去時に、保証金がどれだけ戻ってくるのか、どんな点に注意すべきか、具体的な事例を交えながら徹底的に解説します。
まず結論から言うと、20万円が全額戻ってくる可能性もあれば、残念ながら一部、もしくは全額戻ってこない可能性もあります。これは、契約内容、犬によるクロスの損傷具合、そして国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づいて判断されるからです。
しかし、諦めるのはまだ早い!この記事を読めば、返還される可能性を高めるための対策や、万が一、納得のいかない請求をされた場合の対処法まで、具体的な知識を身につけることができます。
ある日、Aさんは愛犬のポメラニアン「モコ」と一緒に、10年間住んだペット可賃貸マンションを退去することになりました。契約時に預けた保証金は80万円。そのうち20万円は退去時に返還される約束でしたが、Aさんは不安でいっぱいでした。
「モコが壁のクロスを引っ掻いてしまった箇所がいくつかあるし、10年も住んだから、それなりに汚れもある。もしかしたら、ほとんど戻ってこないかも…」
Aさんは、インターネットで「ペット可賃貸 退去費用」「犬 クロス 原状回復」などと検索し、情報を集め始めました。そこで初めて「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものの存在を知り、自分のケースに当てはめて考えてみることにしました。
原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、借りた時の状態に戻すことを指します。しかし、ここで重要なのは「どこまで戻す必要があるのか」という点です。
国土交通省のガイドラインによると、原状回復は、あくまで「通常の使用による損耗」を超える部分についてのみ義務が発生するとされています。つまり、日焼けによるクロスの変色や、家具の設置による床のへこみなどは、通常の使用による損耗とみなされ、借主が費用を負担する必要はないのです。
今回のケースで問題となるのは、モコが引っ掻いてしまったクロスの損傷です。これは、通常の使用による損耗とは言えず、借主であるAさんが費用を負担する必要がある可能性が高いでしょう。
しかし、ここで諦めるのはまだ早い!クロスの張り替え費用は、損傷の程度や範囲によって大きく異なります。また、賃貸契約の内容によっては、ペットによる損傷に対する特約が設けられている場合もあります。
Aさんは、まず賃貸契約書を隅々まで読み返しました。すると、ペットに関する特約として「ペットによる室内 damage は、退去時に別途費用を請求する」という文言があるのを見つけました。
「やっぱり、ある程度は覚悟しておかないといけないのかな…」
しかし、Aさんは諦めずに、管理会社に連絡し、退去時の原状回復費用について詳しく説明を求めました。すると、管理会社からは「クロスの張り替えは、一面あたり〇〇円になります。ただし、損傷の程度によっては、部分的な補修で済む場合もあります」という回答がありました。
Aさんは、さらに調べていくうちに、DIYでクロスの補修をするという方法があることを知りました。そこで、Aさんは、モコが引っ掻いてしまった箇所を、自分で補修してみることにしました。
退去当日、Aさんは管理会社の担当者と一緒に、部屋の隅々までチェックを行いました。担当者は、モコが引っ掻いてしまったクロスの箇所を確認し、「DIYで補修されたんですね。綺麗にされていますね」と評価してくれました。
最終的に、Aさんが負担することになったのは、クロスの部分的な補修費用のみで済みました。保証金からは、その費用とクリーニング費用が差し引かれましたが、予想していたよりも多くの金額が戻ってくることになりました。
Aさんのケースから学べることは、以下の3点です。
1. 賃貸契約書をよく読み、ペットに関する特約を確認する。
2. 管理会社に連絡し、退去時の原状回復費用について詳しく説明を求める。
3. DIYでできる範囲で、クロスの補修などを行う。
Aさんのように、事前にしっかりと準備をすることで、退去時の費用を抑えることができる可能性があります。ここでは、犬と暮らす賃貸物件の退去時に、特に注意すべきチェックポイントをまとめました。
クロスの汚れや傷:犬が引っ掻いたり、粗相をしてしまった場合は、早めに掃除や補修を行いましょう。
床の傷や汚れ:犬の爪による傷や、食べこぼしなどによる汚れがないか確認しましょう。
ニオイ:犬のニオイが染み付いていないか確認しましょう。消臭剤などを使って、できるだけニオイを取り除くようにしましょう。
換気扇やエアコンの汚れ:犬の毛が詰まっている場合があるので、掃除しておきましょう。
保証金が少しでも多く戻ってくるように、今からできることをご紹介します。
1. 日頃からのお手入れ:壁や床の汚れは、時間が経つほど落としにくくなります。こまめな掃除を心がけましょう。
2. ペット用グッズの活用:壁や床を保護するペット用グッズを活用しましょう。
3. 定期的な換気:室内にニオイがこもらないように、定期的に換気を行いましょう。
4. 写真撮影:入居時と退去時に、部屋の状態を写真に撮っておきましょう。これは、万が一、トラブルが発生した場合の証拠となります。
もし、管理会社から納得のいかない請求をされた場合は、以下の機関に相談してみましょう。
国民生活センター:消費者からの相談を受け付けています。
都道府県の住宅相談窓口:住宅に関する相談を受け付けています。
弁護士:法律の専門家として、アドバイスや交渉を行ってくれます。
ペットと暮らす賃貸物件の退去は、何かと不安が多いものですが、事前にしっかりと準備をすることで、費用を抑えることができます。この記事を参考に、愛犬との暮らしを楽しみながら、退去時のトラブルにも備えましょう。