今回のケースでは、隣のアパートに住むお子さんが、あなたの家の門を通り、敷地をショートカットしているとのこと。
これは、法的には建造物侵入罪にあたる可能性もありますが、相手が子供であること、そして日頃からアパートの住人の方と顔を合わせる機会が多いことから、慎重な対応が求められます。
特に、犬を飼っている場合、不審者の侵入は犬の吠え癖を助長したり、盗難のリスクを高める可能性も否定できません。
この記事では、犬との安全な暮らしを守るために、穏便かつ効果的にこの問題を解決するための具体的なステップと、もしもの事態に備えた対策について解説します。
この記事でわかること
隣人との関係を損なわずに、ショートカットをやめてもらうための具体的な伝え方
犬の安全を守るために、すぐにできる防犯対策
万が一の事態に備えて知っておくべき法的知識と相談窓口
「まさか、うちの庭が近所の子供たちの通り道になっていたなんて…」
そう語るのは、都内の賃貸戸建てで愛犬のポメラニアン「モコ」と暮らすSさんご夫婦。
Sさんご夫婦は共働きで、ご主人は建築関係の仕事をされています。
そのため、自宅には仕事で使う道具や材料が置いてあり、防犯には特に気を遣っていました。
ある日、愛犬のモコが、今まで聞いたことのないような低い声で玄関に向かって吠え始めたのです。
最初は気のせいかと思ったSさんでしたが、その後もモコが頻繁に吠えるようになり、郵便受けに何かを入れるような音も聞こえるようになりました。
しかし、ポストを確認しても何も入っていません。
不審に思ったSさんは、防犯カメラの設置を検討し始めました。
そんなある日、Sさんご夫婦が外食から帰宅すると、自宅の前を歩いている男の子を見かけました。
よく見ると、その子は向かいのアパートに住む中学生くらいの子供でした。
Sさんの家は、アパートの住人にとっては少し遠回りになる場所に位置しており、Sさんの家の門を通って庭を横切れば、数十メートルの距離を短縮できるのです。
「まさか、この子がモコを吠えさせていたのか…」
Sさんは、驚きと同時に、モコの安全が脅かされていることに強い不安を感じました。
Sさんのご主人は建築関係の仕事をしており、トラックに資材を積んだままにすることもあるため、盗難のリスクも心配でした。
Sさんは、まず冷静になるために、今回の状況を整理しました。
相手はまだ中学生くらいの子供であること、直接注意することで関係が悪化する可能性があること、しかし、このまま放置すれば、モコの安全が脅かされる可能性があること。
様々なことを考慮した結果、Sさんは、まずはアパートの大家さんに相談してみることにしました。
大家さんは、Sさんの話を親身になって聞いてくれ、後日、アパートの住人全体に、敷地内の通行に関する注意喚起の回覧板を回してくれました。
また、Sさんのご主人は、アパートのお父さんと顔を合わせる機会があった際に、「最近、犬が吠えることが多くて困っているんです。
もしかしたら、誰かが庭に入っているのかもしれません」と、遠回しに伝えてみました。
すると、数日後、Sさんの家の前をショートカットする子供はいなくなりました。
モコも落ち着きを取り戻し、Sさんご夫婦は、ようやく安心して日常生活を送れるようになりました。
Sさんのケースから学べることは、以下の3点です。
1. 冷静な状況把握: まずは何が起こっているのか、客観的に状況を把握することが大切です。
Sさんのように、いつ、どこで、誰が、何をしているのかを整理することで、取るべき対応が見えてきます。
2. 関係各所への相談: 1人で悩まず、大家さんや管理会社など、関係各所に相談することも有効です。
Sさんの場合、大家さんが回覧板を回してくれたことで、事態が改善に向かいました。
3. 遠回しな伝え方: 直接的な注意は、相手との関係を悪化させる可能性があります。
Sさんのご主人のように、遠回しに伝えることで、相手に気づきを与え、行動を改めさせることもできます。
Sさんの体験談を踏まえ、ここでは、犬の安全を守るために、今すぐできる3つのステップをご紹介します。
1. 防犯対策の強化:
防犯カメラの設置:不審者の侵入を抑止し、証拠を記録することができます。
最近では、安価で高性能なネットワークカメラも販売されています。
センサーライトの設置:人感センサーで自動点灯するライトは、夜間の侵入を防ぐ効果があります。
防犯砂利の設置:歩くと音が出る防犯砂利は、不審者の侵入を知らせてくれます。
2. 犬の訓練:
吠え癖の矯正:無駄吠えは、近隣住民とのトラブルの原因になります。
専門のトレーナーに相談し、吠え癖を矯正しましょう。
服従訓練:万が一、犬が逃げ出してしまった場合に備えて、服従訓練をしておきましょう。
「おいで」「待て」「伏せ」などの基本的な指示に従えるように訓練することが大切です。
3. 情報収集:
地域の防犯情報:警察署や自治体のウェブサイトで、地域の犯罪発生状況や防犯情報を確認しましょう。
近隣住民との情報交換:近隣住民と積極的にコミュニケーションを取り、不審な人物や出来事に関する情報を共有しましょう。
どんなに注意していても、不審者の侵入や盗難などの被害に遭ってしまう可能性はあります。
万が一の事態に備えて、法的知識と相談窓口を知っておきましょう。
建造物侵入罪: 正当な理由なく、人の住居や建造物に立ち入った場合、建造物侵入罪に問われる可能性があります。
今回のケースのように、庭をショートカットするために立ち入る行為も、建造物侵入罪にあたる可能性があります。
窃盗罪: 他人の物を盗んだ場合、窃盗罪に問われる可能性があります。
Sさんのように、仕事で使う材料や道具が盗まれた場合、窃盗罪として告訴することができます。
相談窓口
警察署:事件や事故に遭った場合、まずは警察署に相談しましょう。
被害届の提出や、捜査の依頼ができます。
弁護士:法的トラブルに巻き込まれた場合、弁護士に相談しましょう。
事件の解決や、損害賠償請求の手続きを依頼することができます。
法テラス:経済的に余裕のない方のために、無料法律相談を行っています。
弁護士の紹介や、法的手続きの支援も行っています。
今回の記事では、賃貸住宅の敷地内をショートカットする人がいる場合の対処法と、犬の安全を守るための対策について解説しました。
愛犬との安全な暮らしは、日々の備えと冷静な対応から生まれます。
この記事が、あなたと愛犬が安心して暮らせるためのヒントになれば幸いです。