サイトにはNG項目として、単身、男性、学生、未婚のカップル、固定電話無し、フリーメールでの問い合わせ、8時間以上の留守、60歳以上、飼育経験無し、賃貸住み(ペット可でも)、子持ちなどが挙げられています。クリアした上で、世帯主の源泉徴収票、勤務先の連絡先、顔写真、身分証明証のコピー、不動産登記、予防接種と去勢避妊証明、毎週の成長報告、寄付、治療費、アポなし自宅訪問、アポあり複数人で自宅調査、エサ指定などが義務付けられるとあります。
また、条件が厳しいと思う家には里親になる資格はない、至極当然の条件だ、譲渡はいくらでも成立している、自分に資格がないことを自覚するべきだ、というコメントもありました。どうしても迎えたい里親希望者は大金を預けてでも迎えたい、ダメなら寄付をと熱心に通うとも書かれています。里親条件に合わなくても譲渡が成立しているのは意味がわかりませんが、結局、世帯主の源泉徴収票などを提出できない人は里親になる資格はないということでしょうか?
犬を家族に迎えたいという温かいお気持ち、とてもよく分かります。しかし、保護犬の譲渡条件は確かに厳しく、驚かれたかもしれませんね。結論から言うと、源泉徴収票などの提出が必須かどうかは、保護団体によって異なります。ただ、厳しい条件の背景には、犬の幸せを第一に願う保護団体の切実な思いがあることをご理解いただければと思います。
今回は、保護犬の譲渡における厳しい条件の理由と、里親になるために私たちができることを掘り下げて解説します。
保護団体が厳しい条件を設けるのには、いくつかの理由があります。
犬の幸せを最優先に考えている
保護された犬たちは、過去に辛い経験をしている可能性があります。そのため、新しい家族には、経済的にも精神的にも安定した環境で、生涯にわたって愛情深く育ててほしいと願っています。
安易な飼育放棄を防ぎたい
犬を飼うには、時間、お金、労力がかかります。経済状況や生活環境の変化によって、飼育が困難になるケースも少なくありません。譲渡条件を厳しくすることで、安易な飼育放棄を防ぎたいと考えています。
犬の健康管理を徹底したい
犬の健康状態を把握し、適切な医療を受けさせることは、飼い主の義務です。譲渡後も定期的な健康チェックや予防接種など、必要な医療を受けさせてもらうために、経済状況などを確認する場合があります。
犬の安全を確保したい
虐待や不適切な飼育環境から犬を守るために、譲渡先の家庭環境を詳しく調査する場合があります。
これらの理由から、保護団体は、里親希望者の経済状況、居住環境、家族構成、飼育経験などを細かくチェックし、犬にとって最適な環境を提供できるかどうかを判断します。
厳しい譲渡条件に落胆された方もいるかもしれませんが、諦めるのはまだ早いです。条件をクリアするために、私たちができることはたくさんあります。
まずは、譲渡を希望する保護団体の譲渡条件をよく確認しましょう。団体によって条件は異なりますので、自分に合った団体を探すことが大切です。
譲渡条件の例
年齢制限(20歳以上、60歳未満など)
居住形態(ペット可の住宅に居住していること)
家族構成(単身者不可、同居家族がいることなど)
経済状況(安定した収入があること)
飼育経験(犬の飼育経験があること)
留守番時間(1日の留守番時間が短いこと)
犬の飼育に関する知識(犬の習性、健康管理など)
誓約書(犬を生涯大切に育てることを誓約すること)
トライアル期間(譲渡前に犬と生活を共にし、相性を確認する期間)
譲渡費用(ワクチン代、マイクロチップ代など)
定期的な報告(譲渡後の犬の様子を定期的に報告すること)
家庭訪問(譲渡前に保護団体のスタッフが自宅を訪問すること)
譲渡条件に合わない部分がある場合は、改善できるように努力しましょう。
賃貸住宅に住んでいる場合
ペット可の物件に引っ越すことを検討しましょう。ペット可の物件は、犬が快適に暮らせるように、様々な配慮がされています。
留守番時間が長い場合
ペットシッターや犬の保育園などを利用することを検討しましょう。犬は、長時間留守番をすると、ストレスを感じてしまいます。
犬の飼育経験がない場合
犬の飼育に関する本を読んだり、セミナーに参加したりして、知識を身につけましょう。
経済状況が不安な場合
節約をしたり、副業を始めたりして、収入を増やすことを検討しましょう。犬を飼うには、食費、医療費、トリミング代など、様々なお金がかかります。
譲渡条件をクリアしているだけでなく、犬を飼いたいという熱意を保護団体に伝えることも大切です。
手紙やメールで自己PRをする
犬を飼いたい理由、犬を飼うための準備、犬を飼ってからの計画などを具体的に書きましょう。
保護団体のイベントに参加する
保護団体のイベントに参加して、スタッフと交流を深めましょう。
ボランティア活動に参加する
保護団体のボランティア活動に参加して、犬の世話をすることで、犬に対する愛情を示すことができます。
一つの保護団体に断られても、諦めずに他の保護団体にも問い合わせてみましょう。団体によって譲渡条件は異なりますし、相性の良い犬との出会いがあるかもしれません。
譲渡条件をクリアすることだけでなく、犬との相性も大切です。トライアル期間を利用して、犬との相性をじっくりと確認しましょう。
犬の性格
犬の性格は、犬種によって異なります。自分のライフスタイルに合った性格の犬を選びましょう。
犬の年齢
子犬は、しつけに時間と手間がかかります。成犬は、ある程度しつけが終わっているので、飼いやすいでしょう。
犬の健康状態
持病を持っている犬もいます。犬の健康状態をよく確認し、必要な医療を受けさせることができるかどうかを検討しましょう。
どうしても譲渡条件をクリアできない場合は、里親になる以外の選択肢も検討してみましょう。
ペットショップで犬を購入する
ペットショップで犬を購入する場合は、信頼できるブリーダーから購入するようにしましょう。
ブリーダーから犬を譲り受ける
ブリーダーから犬を譲り受ける場合は、犬の健康状態や性格をよく確認しましょう。
保護犬カフェを利用する
保護犬カフェでは、保護犬と触れ合うことができます。犬を飼う前に、犬との生活を体験してみるのも良いでしょう。
犬を飼うことを諦める
犬を飼うことが難しい場合は、犬を飼うことを諦めることも一つの選択肢です。犬を飼うことは、責任が伴います。犬を幸せにすることができない場合は、無理に飼うべきではありません。
Kさん(30代女性)は、長年犬を飼いたいと思っていましたが、賃貸住宅に住んでいるため、なかなか犬を飼うことができませんでした。しかし、Kさんは諦めずにペット可の物件に引っ越し、保護団体のボランティア活動に参加するなど、犬を飼うための準備を進めました。
そして、ついにKさんは、念願の保護犬との出会いを果たします。その犬は、過去に虐待を受けていたため、人間不信が強く、なかなか人に慣れませんでした。しかし、Kさんは、根気強く犬に愛情を注ぎ続けました。
その結果、犬は徐々にKさんに心を開き、今ではKさんのことが大好きになりました。Kさんは、「あの時、諦めずに本当に良かった」と話しています。
動物行動学者のA先生は、「犬を飼うことは、人生を豊かにしてくれる素晴らしい経験です。しかし、犬を飼うには、責任が伴います。犬を飼う前に、犬を幸せにすることができるかどうかをよく考えてください」と話しています。
また、A先生は、「保護犬を飼う場合は、犬の過去の経験を理解し、犬のペースに合わせてゆっくりと関係を築いていくことが大切です」とアドバイスしています。
保護犬の譲渡条件は厳しいですが、それは犬の幸せを願う保護団体の愛情の表れです。条件をクリアするために努力することはもちろん大切ですが、それ以上に、犬を愛する気持ち、犬を幸せにしたいという気持ちが大切です。
この記事が、あなたと犬との素敵な出会いの一助となれば幸いです。