この記事では、元カレのDVと犬の無許可飼育による退去問題に直面している母子家庭の女性からの相談に対し、具体的な解決策と支援策を提示します。経済的な自立、安全な住環境の確保、精神的なサポートを中心に、一歩ずつ状況を改善していくための道筋を解説します。
私は今母子家庭で2人の子供がいます。数年前から元カレが私の家に住み着き、「生活費を出すから住まわせろ!」と言ってずっと居座られています。確かに半分くらい生活費は入れてもらっているのですが、元カレはキレやすく短気で、反抗するといつも物に当たったり怒鳴り散らしたりします。うちに居座るようになってから、長男に手をあげたり、時には刃物で脅すようなこともありました。警察に言っても証拠もなく民事的なことだからと取り合ってもらえず、市の相談もしたのですが、元カレを追い出すなかなか良い案が得られない状態です。弁護士の方にも無料相談をして接近禁止命令を出せばと言われたのですが、現実に元カレの生活費がないと生活できない状態ですので、追い出したいけどなかなか踏み切れないところもあります。引っ越してとにかくその家から出たのが良いとも言われました。私が生活費全てを賄えればいいのですが、下の子に持病があり、常に見ていないといけないような状態なので、今は子供と一緒に行ける職場で週4で5時間程度のパート勤めをしています。母子家庭ですので、生活費の援助などの申請はもちろん素直に市の書類などにはきちんと記載してるのですが、その元カレの存在が子供達を精神的にも苦しめているのも現実ですので何とかしたいです。やはり接近禁止命令を出してもらって、生活保護などで暮らしていったのがよいのでしょうか?何か良いアドバイスがあれば教えて頂けると有難いです。ちなみに市営の住宅など家賃が安いところに引っ越しできれば一番良いのですが、今住んでいるところが賃貸で、元カレが殴って壁や窓に穴を開けたり、犬の飼育禁止なのですが犬も飼っているので退去費用や引っ越し費用が賄えない状態です。補足今現在、長男は以前の元カレの暴力、暴言に精神的に落ち込んでいて、引き離す為に一人暮らしさせています。まだ未成年なので心配で仕方ないのですが、苦渋の決断です。。
1. まずは安全の確保:DVからの脱出
DV(ドメスティックバイオレンス)は、絶対に許される行為ではありません。まず、あなたとお子さんの安全を最優先に考えましょう。ここでは、具体的なステップと利用できる支援制度について解説します。
1.1. 警察への相談と証拠の収集
以前、警察に相談しても取り合ってもらえなかったとのことですが、諦めずに再度相談してください。DVは犯罪であり、警察には保護する義務があります。
- 具体的な証拠の収集:暴言や暴力の状況を録音・録画する、怪我の写真を撮る、医師の診断書を取るなど、できる限りの証拠を集めましょう。
 
- 相談窓口の活用:警察の相談窓口(#9110)や、各都道府県の配偶者暴力相談支援センターに相談し、具体的なアドバイスや支援を受けてください。
 
証拠があれば、警察も動きやすくなりますし、接近禁止命令の申し立てや、今後の法的措置にも役立ちます。
1.2. 接近禁止命令の申し立て
弁護士から勧められた接近禁止命令は、DVからの脱出において非常に有効な手段です。生活費の心配があるとのことですが、まずは安全を確保することが最優先です。
- 弁護士への相談:再度弁護士に相談し、接近禁止命令の申し立てについて詳しく聞いてみましょう。法テラスなどの無料相談窓口も活用できます。
 
- 申し立ての手続き:裁判所に申し立てを行い、接近禁止命令を発令してもらいます。これにより、元カレはあなたや子供に近づくことができなくなります。
 
接近禁止命令が出れば、元カレが命令に違反した場合、逮捕される可能性もあります。これにより、あなたと子供の安全がより確実に守られます。
2. 経済的な自立:生活保護と就労支援
接近禁止命令を出した場合、生活費の確保が課題となります。ここでは、生活保護の申請と、就労支援を活用した経済的な自立について解説します。
2.1. 生活保護の申請
生活保護は、生活に困窮している国民に対して、国が最低限度の生活を保障する制度です。
- 申請の準備:お住まいの地域の福祉事務所に相談し、申請に必要な書類や手続きについて確認しましょう。
 
- 申請の手続き:必要な書類を揃えて申請を行います。生活状況や収入、資産などについて詳しく聞かれる場合がありますが、正直に答えることが大切です。
 
- 受給の開始:審査に通れば、生活保護費が支給されます。これにより、当面の生活費を確保することができます。
 
生活保護を受給しながら、就労支援を受けて、少しずつ経済的な自立を目指しましょう。
2.2. 就労支援の活用
母子家庭向けの就労支援制度は、数多く存在します。これらの制度を活用して、安定した収入を得られるようにしましょう。
- ハローワーク:ハローワークでは、求職登録を行い、職業相談や職業訓練を受けることができます。
 
- 母子家庭自立支援給付金:母子家庭の方が、就職に有利な資格を取得するために受講する講座の費用を補助する制度です。
 
- ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金:ひとり親家庭の方が、就職に結びつきやすい専門的な知識や技能を習得するために、養成機関で修業する場合に支給される給付金です。
 
- 地方自治体の支援:各自治体でも、母子家庭向けの就労支援を行っています。例えば、保育サービスの提供や、就職相談などがあります。
 
これらの支援制度を活用して、無理のない範囲で仕事を探し、少しずつ収入を増やしていきましょう。
3. 住まいの確保:市営住宅と引っ越し支援
現在の賃貸物件からの退去費用や引っ越し費用が心配とのことですが、市営住宅への入居や、引っ越し費用の支援制度を活用することで、住まいの問題を解決することができます。
3.1. 市営住宅への入居
市営住宅は、家賃が安く、経済的な負担を軽減することができます。
- 入居の申し込み:お住まいの地域の市役所や住宅供給公社に問い合わせ、入居の申し込みを行いましょう。
 
- 入居の条件:市営住宅には、収入や家族構成などの入居条件があります。条件を満たしているか確認しましょう。
 
- 抽選と入居:申し込み多数の場合は、抽選となる場合があります。当選すれば、市営住宅に入居することができます。
 
市営住宅は人気が高く、すぐに入居できるとは限りませんが、根気強く申し込み続けることが大切です。
3.2. 引っ越し費用の支援
引っ越し費用が捻出できない場合、各自治体やNPO法人が提供する引っ越し費用の支援制度を活用しましょう。
- 生活福祉資金貸付制度:低所得者世帯に対して、引っ越し費用などの資金を貸し付ける制度です。
 
- 住宅手当:生活保護受給者に対して、家賃の一部を補助する制度です。
 
- NPO法人の支援:NPO法人の中には、生活困窮者に対して、引っ越し費用の支援を行っている団体もあります。
 
これらの支援制度を活用して、初期費用を抑えながら、安全な住まいに引っ越しましょう。
3.3. 犬との暮らしを考慮した住まい探し
犬を飼育している場合、ペット可の物件を探す必要があります。
- ペット可物件の検索:不動産情報サイトや、ペット可物件専門のサイトで、条件に合う物件を探しましょう。
 
- 不動産業者への相談:不動産業者に相談し、ペット可の物件を紹介してもらいましょう。
 
- 犬との暮らしのルール:ペット可物件でも、犬の大きさや種類、飼育方法などに制限がある場合があります。事前に確認しておきましょう。
 
犬との暮らしを大切にしながら、安全で快適な住まいを見つけましょう。
4. 退去費用の問題:交渉と減額
元カレが壁や窓に穴を開けたり、犬の無許可飼育が発覚した場合、退去費用が高額になる可能性があります。ここでは、退去費用の減額交渉と、分割払いの交渉について解説します。
4.1. 退去費用の内訳の確認
まずは、不動産会社から提示された退去費用の内訳を詳しく確認しましょう。
- 原状回復義務の範囲:国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に、原状回復義務の範囲を確認しましょう。
 
- 不当な請求のチェック:明らかに不当な請求がないかチェックしましょう。例えば、経年劣化による損耗や、通常の使用による損耗は、借主の負担とはなりません。
 
不当な請求があれば、不動産会社に減額交渉を行いましょう。
4.2. 減額交渉のポイント
減額交渉を行う際には、以下のポイントを押さえましょう。
- 証拠の提示:元カレの暴力による損害であることを証明する証拠(警察への相談記録、診断書など)を提示しましょう。
 
- 法律の知識:原状回復義務の範囲や、借主の権利について、法律の知識を身につけておきましょう。
 
- 冷静な交渉:感情的にならず、冷静に交渉しましょう。
 
交渉が難航する場合は、弁護士や消費者センターに相談することも検討しましょう。
4.3. 分割払いの交渉
退去費用を一度に支払うことが難しい場合は、不動産会社に分割払いを交渉してみましょう。
- 支払い計画の提示:無理のない支払い計画を提示し、誠意をもって交渉しましょう。
 
- 連帯保証人の検討:連帯保証人を立てることで、分割払いが認められやすくなる場合があります。
 
分割払いが認められれば、経済的な負担を軽減することができます。
5. 精神的なサポート:相談窓口と支援団体
DVや経済的な問題、住まいの問題など、様々な困難に直面しているあなたは、精神的に大きな負担を抱えていることと思います。ここでは、相談窓口や支援団体を活用して、精神的なサポートを受けることについて解説します。
5.1. 相談窓口の活用
誰かに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
- いのちの電話:24時間365日、電話で相談を受け付けています。
 
- よりそいホットライン:様々な悩みを抱える人のための相談窓口です。
 
- 各自治体の相談窓口:各自治体でも、DVや生活困窮に関する相談窓口を設けています。
 
一人で悩まず、気軽に相談してみましょう。
5.2. 支援団体の活用
NPO法人や支援団体の中には、DV被害者や生活困窮者に対して、様々な支援を行っている団体があります。
- シェルター:DV被害者に対して、一時的な避難場所を提供する施設です。
 
- 自立支援プログラム:生活スキルや就労スキルを習得するためのプログラムを提供しています。
 
- 交流会:同じような境遇の人たちが集まり、交流を深めることができる場を提供しています。
 
これらの支援団体を活用して、生活の立て直しを図りましょう。
まとめ:一歩ずつ、未来へ
今回の相談内容は、DV、経済的な困窮、住まいの問題、犬の飼育など、様々な問題が複雑に絡み合っています。しかし、一つずつ解決していくことで、必ず状況は改善します。
まずは、安全の確保を最優先に、警察や弁護士に相談し、接近禁止命令の申し立てを行いましょう。次に、生活保護の申請や就労支援を活用して、経済的な自立を目指しましょう。そして、市営住宅への入居や引っ越し費用の支援制度を活用して、安全な住まいを確保しましょう。
困難な状況ではありますが、決して諦めずに、一歩ずつ前進してください。あなたと子供たちの未来が、明るいものになることを心から願っています。