今回は、ペットの多頭飼育を巡る賃貸契約更新拒否に関するご相談です。契約時にペット飼育の条件が明確に伝えられていなかったことが発端となり、更新拒否、引越しという事態に発展してしまっています。同様の悩みを抱える飼い主さんは少なくないはず。詳しく見ていきましょう。
現在賃貸マンションに住んでいます。2年の契約でもうすぐ1年半くらいになるのですが、去年の末頃に大家から退居を命じられました。と言っても即日等ではなく、2年経過した時の契約更新を拒否するというものでした。その理由が少し複雑です。一言で言えばペット飼養の契約違反なのですが、単純に黙って飼っていたというわけではなく…少し腑に落ちないことがあるのでご質問させていただきました。賃貸契約を不動産会社を介して結んだのですが、その時にもちろんペットを飼いたい旨は伝えました。しかしその話が不動産会社で止まっていて、大家が知らなかった状態が1年半続いていたようです。その状態で大家が見回りでマンションに来た時に気付いて、「黙って飼っている」ということになってしまったというわけです。さらに問題なのが、当マンションではペット(犬や猫)を飼う場合2匹までにしてください、という制限が設けられているということです。入居する前から3匹飼っていて、その旨も不動産会社には伝えてあったのですが…里親募集などして2匹に減らすのでと相談したのですが、「他の入居者の手前もあるので知った以上は認められません」とのことでした。その後ペット飼育契約書が大家から直接郵送され、敷金1ヶ月分の入金も済みましたが、契約更新拒否は当然変わりません。ペットを飼うなら2匹までというのもそのペット契約書の記載を見るまでわかりませんでした。更新は夏なのでそれまでに引っ越さなければなりません。理由はどうあれ「契約違反である」ことには変わりないと思って聞き入れましたが、不動産会社のミスから始まっているのにとどうしても思ってしまいます。飼うなら2匹までという情報さえ頂いていればそうしたし、元々2匹だった場合は今回の発見も目をつぶってくれていたらしいです。また、「他の入居者の手前」などと大家に言われましたが、同じ階の一番端の住人はいわゆる「ゴミ屋敷の住人」状態で、非常用階段の前に使いもしないランニングマシーンやデスクチェアーなどを積み重ねていてかなり邪魔です。当然共用廊下に私物を放置する事は契約違反ですし、部屋の中でペットを飼っているよりもよっぽど迷惑です。それはどうなの?と大家に言ったところ「あそこの方には何度も言ってるんですけどねぇ…」と濁されました。・入居の契約説明の際に「ペットが2匹まで」という詳細な説明を受けていない。ペット契約書を渡されていないし、その存在も伝えられていなかった。・ペットを飼うことは伝えたが、大家まで情報を届けられていない。・明らかに他の住人の迷惑になっている上に度重なる注意を無視する共用廊下への私物放置は見過ごすのに、契約に従う努力をしますと言っている私には退居命令などなど不満はたくさんなのですが…この事があってから、確かに契約時にペット飼育するための敷金1ヶ月分先払いの請求が無かったなと思い、それに関して確認を取らなかったこちらの落ち度につけこまれる可能性を危惧したのもあり狸寝入りしていました。今回の状況を踏まえて、不動産会社のミスとして契約更新拒否を取り消せないか。それが出来ないとすれば引越しの費用を少しでも負担してもらえないのか、などが可能にならないかと思い質問しました。こういうのって上手く情報揉み消されるというかトボけられるというか、なんやかんや何もしてもらえないのかなぁと思ってしまいますが…無理なら無理で良いので、確かな情報、回答をお待ちしたいと思います。よろしくお願いします。補足:ご回答の中にあった重要事項説明書を確認して思い出しましたが、重要事項説明書には「動物飼育 不可」と記載されていて、これは不可という記載があるだけで追加で1ヶ月分の敷金を払っていただくことを条件に飼育は可能となっておりますのでご安心ください。と不動産会社には説明されました。その時多少はむむむっ…?と思ったのですが、今この状況になって気づきました、これ、やられちゃってるパターン(説明の件は有耶無耶にしてあくまでも印鑑のついた紙切れで話を通すつもり)でしょうか。
Aさんのご状況、お察しいたします。私も犬と暮らす身として、他人事ではありません。今回は、Aさんのようにペットとの暮らしを大切にされている方が、同じような問題に直面した場合にどうすれば良いのか、私自身の経験や知識を交えながら、具体的な解決策を考えていきたいと思います。
まず、今回の問題点を整理しましょう。
これらの問題点を踏まえ、Aさんが取るべき対応を段階的に見ていきましょう。
まずは、契約時の状況を客観的に証明できる証拠を集めることが重要です。具体的には、以下のものを確認・収集しましょう。
これらの証拠は、今後の交渉や法的手続きにおいて重要な役割を果たします。
集めた証拠をもとに、まずは不動産会社と交渉を行います。交渉の際には、以下の点を明確に伝えましょう。
交渉は、冷静かつ論理的に進めることが大切です。感情的にならず、具体的な証拠を示しながら、不動産会社の責任を追及しましょう。
もし、交渉が難航する場合は、内容証明郵便で通知を送ることも検討しましょう。内容証明郵便は、送付した内容と日付を公的に証明するもので、後々の証拠となります。
不動産会社との交渉がうまくいかない場合は、大家と直接交渉することも検討しましょう。
大家に直接交渉する際には、以下の点に注意が必要です。
大家との交渉は、感情的になりやすいので、冷静さを保つことが重要です。また、交渉の際には、必ず記録を残しておきましょう。
不動産会社や大家との交渉がうまくいかない場合は、専門家への相談を検討しましょう。
相談先としては、以下のような機関が考えられます。
専門家に相談することで、法的な観点からのアドバイスや、交渉の進め方など、具体的なサポートを受けることができます。
上記の手段を講じても解決しない場合は、最終的な手段として、法的手続きを検討することになります。
法的手続きには、以下のようなものがあります。
法的手続きは、時間や費用がかかるため、慎重に検討する必要があります。弁護士に相談し、十分な情報を得た上で判断しましょう。
Aさんが指摘されているように、他の入居者の迷惑行為(共用部分への私物放置)が見過ごされている状況は、不公平感を感じるのは当然です。
この点については、以下の対応が考えられます。
他の入居者の迷惑行為は、Aさんの契約更新拒否とは直接関係ありませんが、大家の管理責任を問う上で重要な要素となります。
今回のケースから、私たちは以下の教訓を学ぶことができます。
今回は、ペットの多頭飼育を巡る賃貸契約更新拒否について、具体的な解決策を提案しました。
Aさんの状況は決して楽観視できるものではありませんが、諦めずに、粘り強く交渉することで、解決の道は開けるはずです。
今回の記事が、Aさん、そして同じような悩みを抱える飼い主さんの助けになれば幸いです。
応援しています!
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言を提供するものではありません。具体的な法的判断は、必ず専門家にご相談ください。