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賃貸マンション、ベランダでの犬の飼育はOK? 契約書の落とし穴とトラブル回避術

#犬との暮らし
 
賃貸マンションでのペット(犬)の飼育についてお聞きしたいのですが。ペット可の物件に住んでいますが、室内ではなくベランダで飼育するのは良いのでしょうか?友人には一般的には共用部であり、避難通路になっている場合もあるので、だめだと思うよと言われました。賃貸契約書にその様な記述がない場合は飼育しても良いのではと思いますが、どうなんでしょうか?何か法的な拘束とかあるのでしょうか?

結論から言うと、賃貸マンションのベランダでの犬の飼育は、契約書の規定だけでなく、マンションの管理規約、さらには近隣住民への配慮など、複合的な視点から検討する必要があります。契約書に明記されていなくても、ベランダが共用部分とみなされる場合や、犬の鳴き声や臭いが原因でトラブルに発展するケースも少なくありません。

今回は、ペット可物件におけるベランダ飼育の注意点、法的な拘束力、そしてトラブルを未然に防ぐための対策について、詳しく解説していきます。

ベランダは本当に「専用」スペース? 共用部分という落とし穴

まず確認すべきは、ベランダの法的・契約上の位置づけです。

一般的に、マンションのベランダは「共用部分」とみなされることが多いです。共用部分とは、マンションの居住者が共同で使用する部分であり、玄関、廊下、階段、エントランスなどが該当します。ベランダは、火災などの緊急時に避難経路として使用されることが想定されているため、共用部分としての性質を持つと考えられています。

しかし、ベランダは各住戸に付属しているため、「専用使用権」が認められています。これは、特定の居住者がベランダを排他的に使用できる権利を意味します。ただし、この専用使用権は、無制限ではありません。マンションの管理規約や使用細則によって、使用方法に制限が加えられている場合があります。

例えば、以下のような制限が設けられていることがあります。
ベランダでの喫煙の禁止
ベランダでのバーベキューの禁止
ベランダへの物品の設置制限
ベランダでの植物の栽培制限

これらの制限は、他の居住者の生活環境を保護し、マンション全体の美観を維持するために設けられています。犬の飼育も、これらの制限に抵触する可能性があるため、注意が必要です。

契約書に記載がないからOK? 管理規約と民法の壁

賃貸契約書にベランダでの犬の飼育に関する記述がない場合でも、安心はできません。なぜなら、マンションには「管理規約」という、居住者全体のルールブックが存在するからです。

管理規約には、ペットの飼育に関する詳細な規定が盛り込まれていることがあります。例えば、以下のような規定です。
ペットの種類や大きさの制限
ペットの飼育可能場所の制限
ペットの飼育に関する申請手続き
ペットによる損害賠償責任

これらの規定に違反した場合、契約違反として、賃貸契約を解除される可能性もあります。

また、民法上の観点からも、注意が必要です。民法718条には、「動物の占有者の責任」という規定があります。これは、動物を飼育している人が、その動物が他人に与えた損害を賠償する責任を負うというものです。

例えば、ベランダで飼育している犬が、騒音や臭いによって近隣住民に迷惑をかけた場合、飼い主は損害賠償責任を負う可能性があります。

犬の安全と快適性を考える:ベランダ飼育のデメリット

ベランダでの犬の飼育は、犬にとっても必ずしも良い環境とは言えません。
温度変化:夏は高温になりやすく、冬は寒くなるため、犬の体調管理が難しくなります。
運動不足:十分な運動スペースを確保できないため、犬のストレスが溜まりやすくなります。
事故の危険性:ベランダからの転落や、脱走の危険性があります。
精神的な負担:常に外の音や光に晒されるため、犬が落ち着いて休めないことがあります。

これらのデメリットを考慮すると、ベランダでの犬の飼育は、犬の健康と安全を脅かす可能性があると言えます。

トラブル事例から学ぶ:訴訟問題に発展することも

実際に、ベランダでのペット飼育が原因で、訴訟問題に発展した事例も存在します。

Aさんのケース:Aさんは、ペット可の賃貸マンションに居住しており、小型犬をベランダで飼育していました。しかし、犬の鳴き声がうるさいという苦情が、近隣住民から管理会社に寄せられるようになりました。管理会社はAさんに、犬の室内飼育を要請しましたが、Aさんはこれに応じませんでした。その後、近隣住民はAさんに対し、慰謝料を請求する訴訟を起こしました。裁判所は、犬の鳴き声が受忍限度を超える騒音であると判断し、Aさんに慰謝料の支払いを命じました。

Bさんのケース:Bさんは、賃貸マンションのベランダで、プランターを使って野菜を栽培していました。しかし、プランターから発生する土や肥料の臭いが、階下の住民に迷惑をかけるようになりました。階下の住民は、Bさんに対し、臭いの除去を求める訴訟を起こしました。裁判所は、Bさんの行為が、階下の住民の生活環境を著しく侵害していると判断し、Bさんにプランターの撤去と慰謝料の支払いを命じました。

これらの事例からわかるように、ベランダの使用方法によっては、近隣住民との間で深刻なトラブルに発展する可能性があります。

ベランダ飼育を検討する前に:確認すべきチェックリスト

ベランダでの犬の飼育を検討する前に、以下の項目を必ず確認しましょう。

1. 賃貸契約書の確認:ペットの飼育に関する規定、ベランダの使用に関する規定を熟読する。
2. 管理規約の確認:ペットの飼育に関する詳細な規定、ベランダの使用に関する規定を熟読する。
3. 管理会社への確認:ベランダでの犬の飼育が可能かどうか、管理会社に確認する。
4. 近隣住民への配慮:犬の鳴き声や臭いが、近隣住民に迷惑をかけないように対策を講じる。
5. 犬の安全確保:ベランダからの転落や脱走を防ぐための対策を講じる。
6. 犬の健康管理:ベランダの温度変化に対応できるよう、適切な対策を講じる。
7. 獣医への相談:ベランダでの飼育が、犬の健康に悪影響を与えないか、獣医に相談する。

これらの項目をすべてクリアできる場合に限り、ベランダでの犬の飼育を検討するようにしましょう。

トラブルを回避するために:賢い飼い主の心得

ベランダでの犬の飼育を始める前に、以下の対策を講じることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
防音対策:犬の鳴き声を軽減するために、防音シートや防音ケージを設置する。
消臭対策:ベランダの清掃をこまめに行い、消臭剤を使用する。
安全対策:ベランダに柵を設置し、犬の転落や脱走を防ぐ。
コミュニケーション:近隣住民に挨拶をし、犬の飼育について理解を求める。
ルール遵守:マンションの管理規約や使用細則を遵守する。

これらの対策を講じることで、近隣住民との良好な関係を維持し、快適なペットライフを送ることができます。

もしもトラブルが発生したら:専門家への相談も視野に

万が一、近隣住民との間でトラブルが発生してしまった場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
弁護士:法律的なアドバイスや、訴訟手続きのサポートを受けることができます。
不動産鑑定士:騒音や臭いの程度を客観的に評価してもらい、解決策を検討することができます。
マンション管理士:マンションの管理規約や使用細則に精通しており、トラブル解決のサポートを受けることができます。

これらの専門家に相談することで、冷静かつ適切な対応を取ることができ、トラブルの深刻化を防ぐことができます。

まとめ:犬も人も幸せに暮らすために

賃貸マンションのベランダでの犬の飼育は、一概に「OK」とも「NG」とも言えません。契約書や管理規約、近隣住民への配慮、そして犬の安全と健康、これらすべてを考慮した上で、総合的に判断する必要があります。

今回の記事が、愛犬とのより良い暮らしのヒントになれば幸いです。

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