ペット可の賃貸物件、せっかく見つけたのに頭数制限が…。小型犬1頭までと記載されている場合、トイプードル2頭はやっぱり難しいのでしょうか?
結論から言うと、原則として、契約を守る必要があります。しかし、諦める前にできることはいくつかあります。今回は、ペット可賃貸の頭数制限と、トイプードル2頭との暮らしを実現するためのステップを、事例を交えながら解説します。
まず、なぜ賃貸物件に頭数制限があるのかを理解しましょう。主な理由は以下の通りです。
騒音問題:犬の鳴き声は、集合住宅では騒音トラブルの原因になりやすいです。頭数が増えるほど、鳴き声のリスクも高まります。
衛生面:多頭飼育は、においや衛生管理の面で、他の入居者に迷惑をかける可能性があります。
建物の損耗:犬が室内を走り回ったり、物をかじったりすることで、床や壁が傷つくことがあります。頭数が多いほど、そのリスクも高まります。
管理上の問題:共用部分でのトラブルや、飼育放棄のリスクなどを考慮して、管理会社が頭数制限を設けている場合があります。
これらの理由から、多くのペット可賃貸物件では、犬のサイズや頭数に制限を設けています。
原則として、契約書に「小型犬1頭まで」と明記されている場合、2頭飼育は契約違反となります。しかし、交渉の余地がないわけではありません。以下のステップで、大家さんや管理会社に相談してみましょう。
契約前に、必ず大家さんまたは管理会社に相談しましょう。無断で飼育を始めた場合、契約解除となる可能性もあります。
誠意をもって相談:なぜ2頭飼いたいのか、2頭の性格や飼育環境について詳しく説明しましょう。
具体的な対策を提示:騒音対策(防音マットの設置など)、衛生対策(こまめな掃除、消臭対策など)、建物への配慮(ペット用フローリングの使用など)を具体的に提示しましょう。
書面での合意:口約束だけでなく、必ず書面で合意を得ておきましょう。特約として契約書に追記してもらうのが理想的です。
トイプードルは、一般的に温厚で人懐っこい性格の犬種です。無駄吠えが少ない個体も多く、きちんとしつけをすれば、集合住宅でも飼育しやすい犬種と言えます。
犬の情報をまとめる:2頭の年齢、性格、しつけ状況、健康状態などをまとめた資料を作成し、大家さんや管理会社に提出しましょう。
獣医さんの推薦状:かかりつけの獣医さんに、2頭の性格や健康状態について推薦状を書いてもらうのも有効です。
写真や動画:2頭が仲良く遊んでいる様子や、おとなしく過ごしている様子を写真や動画でアピールするのも効果的です。
2頭飼育を許可してもらうためには、他の入居者への配慮を徹底することが不可欠です。
共用部分でのマナー:廊下やエレベーターなどの共用部分では、必ずリードを短く持ち、犬が他の人に飛びついたり、吠えたりしないように注意しましょう。
挨拶とコミュニケーション:他の入居者と積極的にコミュニケーションを取り、犬好きの人には可愛がってもらい、苦手な人には理解してもらえるように努めましょう。
トラブルへの迅速な対応:万が一、騒音トラブルやその他の問題が発生した場合は、速やかに対応し、誠意をもって解決に努めましょう。
実際に、頭数制限のあるペット可賃貸で2頭飼育の交渉に成功した例と失敗した例を見てみましょう。
Aさんは、トイプードル2頭(5歳と3歳)とペット可賃貸に引っ越す際、小型犬1頭までという頭数制限がありました。Aさんは、事前に管理会社に相談し、以下の点をアピールしました。
2頭とも成犬で、無駄吠えがほとんどないこと。
室内でのトイレのしつけが完璧にできていること。
防音マットを敷き、空気清浄機を設置するなど、騒音・衛生対策を徹底すること。
過去の犬の飼育経験(10年以上)があり、トラブルを起こしたことがないこと。
管理会社は、Aさんの誠意と具体的な対策を評価し、2頭飼育を許可しました。ただし、契約書には「騒音や衛生面で問題が発生した場合は、1頭を手放す」という条項が追加されました。
Bさんは、小型犬1頭までというペット可賃貸に、無断でトイプードル2頭を飼い始めました。数週間後、隣の住人から「犬の鳴き声がうるさい」という苦情が管理会社に入りました。
管理会社は、Bさんに2頭のうち1頭を手放すように勧告しましたが、Bさんは拒否。最終的に、契約解除となり、Bさんは引っ越しを余儀なくされました。
どうしても2頭飼育を諦められない場合は、頭数制限のないペット可賃貸を探すのも一つの方法です。最近は、多頭飼育を歓迎する物件も増えてきています。
ペット共生型賃貸:犬のために設計された賃貸物件で、ドッグランやペット専用の設備が充実している場合があります。
リノベーション物件:古い物件をリノベーションし、ペットとの暮らしに合わせた設備を取り入れている場合があります。
戸建て賃貸:集合住宅に比べて、騒音問題のリスクが低いため、多頭飼育がしやすい場合があります。
これらの物件は、家賃がやや高めに設定されていることが多いですが、2頭の犬と快適に暮らすためには、検討する価値があるでしょう。
ペット可賃貸における頭数制限は、犬と人が快適に暮らすためのルールです。原則として、契約を守る必要がありますが、事前に相談し、具体的な対策を提示することで、2頭飼育が認められる可能性もあります。
大切なのは、大家さんや管理会社、そして他の入居者への配慮を忘れず、犬と人、双方が幸せに暮らせる環境づくりを目指すことです。今回の記事が、あなたの愛犬との賃貸生活をより良いものにする一助となれば幸いです。