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ペット不可物件での犬の臭い問題:退去時の原状回復義務と負担割合について

#退去費用
 

退去時の原状回復をめぐるトラブル、本当に大変ですよね。特にペット不可の賃貸物件で犬の臭いが残ってしまった場合、どこまで費用を負担すべきか、不安になる気持ち、とてもよく分かります。今回は、そんな状況に陥ってしまったあなたのために、具体的な対処法と、裁判になった場合の可能性について、詳しく解説していきます。

賃貸アパートに6年半住んでいました。ペット不可の物件でしたが、事情があり1週間程犬2匹預かっていました。犬を飼っているようですけど…と大家から連絡あり、丁度迎えにくる予定だった為、犬は飼い主の元へ。先月30日退去をしましたが大家が入院中の為立会いできませんでした。3日後息子さんがアパートを見てきたようで、犬の臭いが染み付いて取れない、フロアとクロスを張替えてほしいと連絡がありました。クロスはこちらで破損した分を大家の許可を得て張替え、襖も同様。今日連絡があり、ハウスクリーニング(契約時に3万円と契約書に記載)をし畳は入居時張替えしていなかった為、大家負担。それで臭いが取れない場合こちらの全額負担にてクロス、フロアを張替えるように言われました。このような場合こちら全額負担になるのでしょうか?因みにクロスは入居時張替えていた部分が数カ所ありました。フロアについては2室あり。台所は張替えしておらす、傷と変色あり。もう1室はフロアクッションタイプの物を張替え貼り付けていました。

結論から言うと、大家さんの言い分が全て通るとは限りません。しかし、ペット不可物件での犬の預かりは契約違反にあたるため、ある程度の原状回復費用を負担する必要がある可能性が高いです。

原状回復義務とは?

まず、原状回復義務について確認しましょう。これは、賃貸物件を退去する際に、借りたときの状態に戻す義務のことです。ただし、これはあくまで「通常の使用による損耗」を除いた範囲となります。つまり、日焼けによるクロスの変色や、家具の設置による床のへこみなどは、通常の使用による損耗とみなされ、借主の負担にはなりません。

しかし、今回のケースでは、ペット不可物件での犬の預かりという「通常の使用」とは言えない状況が発生しています。そのため、犬の臭いが原因でクロスやフロアを張り替える必要が生じた場合、その費用を借主が負担する可能性が出てきます。

ケーススタディ:Aさんの場合

Aさんは、ペット不可の賃貸マンションに5年住んでいました。ある日、友人の急な事情で、1週間だけ小型犬を預かることになりました。しかし、その数日後、管理会社から「犬の臭いがする」と指摘を受けました。Aさんはすぐに犬を友人に返し、消臭剤などを使って臭い対策を行いましたが、完全に臭いを取り除くことはできませんでした。

退去時、管理会社は「犬の臭いが染み付いて取れないため、クロスとフロアの張替え費用を全額負担してほしい」とAさんに請求しました。Aさんは、高額な請求に納得できず、弁護士に相談しました。

弁護士は、Aさんの状況を詳しく聞き取り、以下の点を主張しました。
犬を預かったのは短期間であり、故意に臭いをつけたわけではないこと
入居時からクロスの一部が汚れていたこと
ハウスクリーニングを行っても臭いが完全に取れないのは、建物の構造上の問題もあること

その結果、Aさんはクロスとフロアの張替え費用の一部(約3割)を負担することで、管理会社と和解することができました。

原状回復費用の負担割合を決めるポイント

Aさんのケースからわかるように、原状回復費用の負担割合は、様々な要素を考慮して決定されます。今回のケースで特に重要なポイントは以下の通りです。

1. 犬を預かった期間:短期間であれば、臭いが染み付く度合いも少ないと考えられます。
2. 臭いの程度:実際にどの程度臭いが残っているのか、客観的な証拠が必要です。
3. 物件の状況:入居時からクロスが汚れていたり、フロアに傷があったりする場合、その分は考慮されるべきです。
4. ハウスクリーニングの内容:専門業者によるハウスクリーニングを実施した場合、その効果も考慮されます。
5. 経過年数:6年半住んでいる場合、クロスの耐用年数も考慮されます。一般的に、クロスの耐用年数は6年程度と言われています。

具体的な対処法

では、今回のケースで、具体的にどのような対処をすれば良いのでしょうか?

1. 冷静な話し合い:まずは、大家さん(または息子さん)と冷静に話し合いましょう。感情的にならず、上記のポイントを踏まえて、ご自身の状況を丁寧に説明することが大切です。
2. 臭いの原因特定:専門業者に依頼して、臭いの原因を特定してもらいましょう。原因が特定できれば、効果的な対策を講じることができます。
3. 相見積もり:クロスやフロアの張替えが必要な場合、複数の業者から見積もりを取りましょう。適正な価格を知ることができます。
4. 内容証明郵便:話し合いがうまくいかない場合は、内容証明郵便を送付することも検討しましょう。ご自身の主張を明確に伝えることができます。
5. 専門家への相談:弁護士や消費者センターなど、専門機関に相談することも有効です。

裁判になった場合の可能性

もし、話し合いで解決できず、裁判になった場合、裁判所は上記のポイントを総合的に考慮して、原状回復費用の負担割合を決定します。

裁判所は、過去の判例などを参考に、公平な判断を下します。必ずしも大家さんの言い分が全て通るとは限りません。

弁護士Kの見解

不動産問題に詳しい弁護士Kは、「ペット不可物件でのペットの飼育は、契約違反にあたるため、借主は原状回復義務を負う可能性が高い。しかし、その範囲は、ペットの種類、飼育期間、臭いの程度、物件の状況などによって異なり、個別に判断されるべきである」と述べています。

弁護士Kはさらに、「裁判になった場合、借主は、ペットを飼育した期間が短いこと、臭い対策を講じたこと、物件の状況などを主張し、原状回復費用の減額を求めることができる」とアドバイスしています。

まとめ

ペット不可物件での犬の臭い問題は、非常にデリケートな問題です。しかし、冷静に状況を分析し、適切な対処を行うことで、解決への道は開けます。

今回の記事が、あなたの不安を少しでも解消し、解決への一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。

最後に

今回のケースでは、全額負担を求められていますが、決して諦めずに、ご自身の権利を主張してください。応援しています!

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