せっかく見つけたペット可の賃貸物件。愛犬との新生活を夢見ていたのに、入居後に「やっぱりダメ」なんて言われたら、本当に困ってしまいますよね。今回は、そんなトラブルに巻き込まれたAさんのケースを参考に、飼い主としてどう行動すべきか、具体的な解決策を一緒に考えていきましょう。
Aさんは、念願のペット可賃貸物件を見つけ、中型犬のBくんと一緒に引っ越しました。契約前には、不動産会社に「犬は夜間や留守番時に玄関に入れる」ことを伝え、家主の許可を得た上で契約。しかし、入居後間もなく、近隣住民からのクレームにより、家主から「犬を家に入れるのはNG」と告げられてしまいます。
契約前に、犬を玄関に入れることを条件に家主の許可を得た
もし玄関に入れられないなら、この物件を契約しなかった
近隣住民からのクレームは事実無根である
犬を玄関に入れることは許可していない
契約書には「犬は外で飼うこと」と記載されている
近隣住民から犬の鳴き声に関する苦情が寄せられている
このケースの問題点は、大きく分けて以下の2点です。
1. 契約内容の相違:Aさんと家主の間で、犬の飼育に関する認識に食い違いがある。
2. 近隣住民からのクレーム:事実に基づかない情報で、Aさんのプライバシーが侵害されている可能性がある。
このようなトラブルを解決するためには、以下のステップで対応していくことが重要です。
まずは、契約時の状況を証明できる証拠を集めましょう。
契約書:犬の飼育に関する条項を改めて確認。
不動産会社とのやり取り:メールやLINEなどの記録を探し、犬を玄関に入れる許可を得た経緯がわかるものを保管。
会話の録音:不動産会社や家主との会話を録音し、言った言わないの水掛け論を防ぐ。(※ただし、録音は相手に告知するのが望ましい)
写真や動画:Bくんが普段おとなしく過ごしている様子や、清潔に飼育している状況を記録。
不動産会社に連絡し、契約時の状況を改めて確認してもらいましょう。担当者の記憶があいまいな場合は、当時の担当者を探してもらうなど、積極的に働きかけることが大切です。
証拠が揃ったら、家主と直接交渉してみましょう。感情的にならず、冷静に、以下の点を伝えることが重要です。
契約前に犬を玄関に入れる許可を得たこと
契約書の内容と異なる条件を提示された場合、契約解除も検討していること
近隣住民からのクレームは事実無根であること
Bくんが周囲に迷惑をかけることのないよう、十分配慮していること
書面でのやり取り:交渉内容は、必ず書面(メールなど)で記録に残しましょう。
第三者の同席:不動産会社の担当者や、弁護士などの専門家に同席してもらうのも有効です。
譲歩案の提示:例えば、「玄関に消臭剤を置く」「定期的に清掃する」など、家主が懸念する点に対して、具体的な対策を提示するのも有効です。
家主との交渉が決裂した場合、法的手段も検討する必要があります。
内容証明郵便:家主に対して、契約内容の履行を求める内容証明郵便を送付します。
調停:裁判所を介して、家主との話し合いを行います。
訴訟:裁判所に訴え、契約内容の履行を求めます。
今回のケースでは、近隣住民が家主に「犬を家の中で飼っている」と電話した行為が、プライバシーの侵害に当たる可能性も考えられます。しかし、プライバシー侵害が成立するためには、以下の要件を満たす必要があります。
1. 私生活情報の暴露:犬を家の中で飼っているという情報が、私生活に関する情報であること。
2. 暴露行為の違法性:暴露行為が、社会通念上許容される範囲を超えていること。
3. 損害の発生:暴露行為によって、精神的苦痛などの損害が発生したこと。
今回のケースでは、犬の飼育状況が私生活情報に当たる可能性はありますが、暴露行為の違法性や損害の発生については、慎重な判断が必要です。弁護士などの専門家に相談し、法的措置を検討することも視野に入れましょう。
今回のAさんのケースから、私たちが学ぶべき教訓はたくさんあります。
契約前の確認:ペットに関する条件は、契約前に必ず書面で確認し、不明な点は徹底的に質問しましょう。
証拠の重要性:口約束だけでなく、メールやLINEなどの記録を残すように心がけましょう。
毅然とした態度:不当な要求には、毅然とした態度で対応しましょう。
専門家への相談:困ったときは、弁護士や不動産に関する専門家など、信頼できる第三者に相談しましょう。
ペットとの暮らしは、私たちに癒しと喜びを与えてくれます。しかし、そのためには、飼い主としての責任をしっかりと果たし、周囲への配慮を忘れないことが大切です。今回のAさんのケースを参考に、愛犬との幸せな生活を守っていきましょう。