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ペットと暮らした賃貸物件の退去費用、どこまで負担?【ケーススタディ】

#ペット可物件
 
約20年住んだ3LDKの賃貸マンションを退去予定です。以前は家族と住んでいましたが、両親が他界し、ここ5年ほど一人暮らしです。退去費用が心配で引っ越しをためらっていました。室内は喫煙によるヤニ汚れがひどく、ベランダのガラスにはヒビが多数あります。脱衣所の床は湿気で一部が抜け落ち、壁には穴が多く、以前飼っていた犬が噛んだ跡でボードがむき出しになっている箇所もあります。畳もほぼ全てがボロボロの状態です。このような場合、退去費用は全額自己負担になるのでしょうか?契約時に保証金として50万円を支払っており、家賃は駐車場込みで8万2千円です。

退去時の費用、本当に不安ですよね。特に長年住んだお部屋で、色々な思い出が詰まっているとなおさらです。今回は、そんな不安を抱えるあなたのために、ペット(犬)と暮らした賃貸物件の退去費用について、具体的なケースを基に解説していきます。

ケース:長年住んだ3LDK、ペット(犬)との暮らしで傷んだお部屋

今回のケースは、約20年住んだ3LDKの賃貸マンション。ご家族と住んでいた期間も長く、その後は一人暮らし。喫煙によるヤニ汚れ、ベランダのガラスのヒビ、脱衣所の床の破損、壁の穴、そしてペット(犬)が原因の壁の損傷や畳の劣化など、様々な問題が複合的に発生しています。

ポイント1:経年劣化と原状回復義務

まず、大前提として知っておきたいのが「経年劣化」という考え方です。これは、時間の経過とともに自然に発生する劣化のことで、例えば、日焼けによるクロスの変色や、家具の設置による床のへこみなどが該当します。

経年劣化については、通常、借主が費用を負担する必要はありません。しかし、今回のケースのように、喫煙によるヤニ汚れやペット(犬)による損傷は、通常の使用を超える損耗とみなされる可能性が高く、原状回復義務が発生する可能性があります。

ポイント2:喫煙によるヤニ汚れ

喫煙によるヤニ汚れは、壁紙や天井だけでなく、エアコンや換気扇など、様々な箇所に付着します。これは、通常の清掃では落とすことが難しく、専門業者によるクリーニングや壁紙の張り替えが必要になる場合があります。

国土交通省のガイドラインでは、喫煙によるヤニ汚れは、借主の負担となることが一般的であるとされています。

ポイント3:ペット(犬)による損傷

今回のケースで特に注意が必要なのが、ペット(犬)による損傷です。壁の噛み跡や畳の劣化は、ペット(犬)を飼育していたことが原因であるため、借主の原状回復義務が発生する可能性が非常に高いです。

ペット(犬)可の物件であっても、ペット(犬)が原因で発生した損傷については、借主が責任を負うのが一般的です。

ポイント4:ベランダのガラスのヒビ

ベランダのガラスのヒビについては、原因が特定できるかどうかが重要になります。自然災害や経年劣化によるものであれば、貸主の負担となる可能性が高いですが、借主の不注意で物をぶつけてしまったなどの場合は、借主の負担となる可能性があります。

ポイント5:脱衣所の床の破損

脱衣所の床の破損については、湿気が原因である場合、経年劣化とみなされる可能性もありますが、長期間放置していたことによって破損が拡大した場合は、借主の責任を問われる可能性もあります。

解決策:まずは貸主との話し合いを

上記を踏まえて、今回のケースで考えられる解決策は、以下の通りです。

1. 契約書の確認:まずは、賃貸契約書を再度確認し、原状回復に関する条項や特約がないかを確認しましょう。
2. 貸主との話し合い:貸主(または管理会社)に現状を正直に伝え、退去費用について話し合いましょう。
3. 専門家への相談:必要に応じて、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談し、アドバイスを求めるのも有効です。

話し合いのポイント

冷静な態度:感情的にならず、冷静に話し合いましょう。
現状の説明:室内の状況を正確に伝え、原因が特定できる場合は、それも伝えましょう。
交渉:全額自己負担ではなく、一部を貸主が負担してくれるよう交渉してみましょう。
相見積もり:複数の業者から見積もりを取り、適正な費用を把握しましょう。

保証金の扱いは?

今回のケースでは、契約時に50万円の保証金を支払っています。この保証金は、退去時の原状回復費用に充当されるのが一般的です。

ただし、原状回復費用が50万円を超える場合は、追加で費用を支払う必要があります。逆に、50万円に満たない場合は、残額が返金されます。

成功事例:交渉で費用を抑えたケース

実際に、交渉によって退去費用を大幅に抑えることができた事例も存在します。

Aさんは、長年飼っていた猫が原因で、壁や柱に傷が多数ついてしまった賃貸物件を退去することになりました。

当初、管理会社からは高額な原状回復費用を請求されましたが、Aさんは諦めずに交渉。
契約書の確認:契約書に記載された原状回復義務の範囲を確認し、過剰な請求がないかチェックしました。
専門家への相談:弁護士に相談し、法的なアドバイスを受けました。
相見積もり:複数の業者から見積もりを取り、適正な費用を把握しました。
交渉:管理会社と粘り強く交渉し、最終的に費用を大幅に減額することに成功しました。

Aさんは、弁護士からのアドバイスや相見積もりを根拠に、管理会社に対して過剰な請求であると主張しました。その結果、管理会社も譲歩し、最終的にAさんが負担する費用は、当初の見積もりの半分以下に抑えられました。

専門家からのアドバイス

不動産鑑定士のB先生は、次のようにアドバイスしています。

「退去時のトラブルを避けるためには、入居時から室内の状況を記録しておくことが重要です。入居時に写真を撮影しておいたり、定期的に室内の点検を行ったりすることで、退去時の責任の所在を明確にすることができます。」

また、B先生は、「退去費用は、必ずしも貸主の言い値で決まるものではありません。借主にも交渉する権利がありますので、諦めずに話し合ってみることが大切です。」と述べています。

まとめ

ペット(犬)と暮らした賃貸物件の退去費用は、様々な要因によって金額が大きく変動します。しかし、諦めずに貸主と話し合い、専門家のアドバイスを参考にすることで、費用を抑えることができる可能性は十分にあります。

今回のケースを参考に、まずはご自身の状況を把握し、具体的な対策を検討してみてください。

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