愛犬との別れは、家族の一員を失うのと同じくらい辛いものです。そんな中、賃貸物件にお住まいの場合、家賃や敷金について気になることもあるかと思います。今回は、ペット(犬)が亡くなった後の家賃交渉について、具体的なアドバイスを交えながら解説していきます。
結論から言うと、ペット(犬)が亡くなった場合、家賃交渉は可能です。しかし、家主との良好な関係を維持しつつ、スムーズに交渉を進めるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
Aさんは、築30年の平屋一戸建てのペット可賃貸に7年間、愛犬のポメラニアンと暮らしていました。契約時、ペット可とする代わりに、家賃に月3,000円が上乗せされ、敷金も1ヶ月分追加で支払っていました。しかし、先日、愛犬が17歳という高齢で亡くなってしまいました。Aさんは、家主との関係は良好で、これまでも修繕依頼には迅速に対応してもらっていました。そこで、Aさんは家賃交渉を決意しましたが、どのように進めるべきか悩んでいました。
Aさんは、まず家主に手紙を書くことにしました。手紙には、愛犬が亡くなったことへの悲しみ、7年間愛犬と静かに暮らしてきたこと、そして家賃交渉をしたい旨を丁寧に綴りました。
Aさんの手紙のポイント
愛犬の死を悼む気持ちを伝える
7年間、愛犬と静かに暮らしてきた実績をアピール
家主への感謝の気持ちを伝える
家賃交渉をしたい理由を明確に伝える
手紙の例文
〇〇様
いつもお世話になっております。Aです。
突然のご連絡で大変恐縮ですが、先月、17年間共に暮らしてきた愛犬のポメラニアンが、老衰のため息を引き取りました。〇〇様には、ペット可という特別なご配慮をいただき、7年間、この家で愛犬と穏やかに暮らすことができました。心より感謝申し上げます。
つきましては、この度、愛犬が亡くなりましたので、ペット分の家賃についてご相談させて頂きたく、ご連絡いたしました。
お忙しいところ大変恐縮ですが、一度お話させて頂ける機会を頂けますでしょうか。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
A
手紙を送った後、Aさんは家主から連絡を受け、面談の機会を得ることができました。面談では、手紙の内容を改めて伝え、家賃交渉の理由を丁寧に説明しました。
Aさんの交渉のポイント
感情的にならず、冷静に話す
家賃減額の根拠を示す
家主の立場も理解する姿勢を見せる
具体的な金額を提示する
Aさんは、7年間、愛犬が鳴き声などで近隣に迷惑をかけることもなく、清潔に飼育してきたことを強調しました。また、ペット臭についても、定期的な換気や清掃を徹底していたため、ほとんど気にならないはずだと伝えました。
さらに、近隣のペット不可物件の家賃相場を調べ、同程度の広さで設備が整っている物件と比較して、ペット分の家賃3,000円が上乗せされていることを示しました。
Aさんの丁寧な説明と誠意が伝わり、家主は家賃の減額に応じてくれることになりました。最終的に、月額1,500円の減額で合意しました。
今回のAさんのケースから、家賃交渉を成功させるための秘訣を5つご紹介します。
1. 家主との良好な関係を築く
日頃から家主とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築いておくことが大切です。
2. 交渉のタイミングを見極める
契約更新時や、物件の老朽化が進んでいる場合など、交渉しやすいタイミングを見計らいましょう。
3. 事前の準備をしっかりと行う
近隣の家賃相場や、物件の状況などを把握し、交渉の根拠となる情報を集めておきましょう。
4. 冷静かつ丁寧に交渉する
感情的にならず、冷静に、丁寧に交渉することが大切です。
5. 書面で合意内容を残す
交渉が成立したら、必ず書面で合意内容を残しておきましょう。
ペット可賃貸の家賃は、一般的にペット不可の物件よりも高めに設定されています。これは、ペットによる damage や臭いなどのリスクを考慮しているためです。しかし、ペットの種類や大きさ、飼育状況によっては、家賃交渉の余地がある場合もあります。
ペット可賃貸の家賃相場
小型犬:家賃+3,000円~5,000円
中型犬:家賃+5,000円~10,000円
大型犬:家賃+10,000円~
上記の家賃相場はあくまで目安であり、物件の立地や設備、築年数などによって異なります。
今回のケースでは、敷金も1ヶ月分追加で支払っています。敷金は、退去時に原状回復費用として充当されますが、ペット臭が残っていない場合は、返還される可能性があります。退去時には、敷金の返還交渉も忘れずに行いましょう。
不動産コンサルタントのBさんは、「ペット可賃貸の家賃交渉は、家主との信頼関係が非常に重要です。日頃からコミュニケーションを密にし、ペットを清潔に飼育することで、交渉を有利に進めることができます。」と語ります。
愛犬との別れは悲しいものですが、家賃交渉を通じて、少しでも経済的な負担を軽減できる可能性があります。今回の記事を参考に、家主との良好な関係を維持しつつ、スムーズな交渉を目指してください。