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ペット禁止マンションでの犬の鳴き声問題。騒音を理由に家賃の減額は可能?

#騒音トラブル
 
2ヶ月前にマンションの1階に引っ越してきた家族が犬を飼っています。このマンションではペット禁止ですが、他の住人が大家に言ったところ、1階は物騒だからと、お願いされて大家が了解したそうです。これは契約違反ですよね。私はその家族の真上に住んでいて、犬の鳴き声に悩まされています。これを理由に家賃を値下げしてもらうことは可能でしょうか?

マンションでのペット問題、特にペット禁止の規約があるにも関わらず、一部の住人が犬を飼育している状況は、多くの方が直面する可能性のある悩みです。今回は、そのような状況で家賃の減額が認められるのか、具体的な対策と法的根拠を交えながら、犬との共生におけるトラブルシューティングについて解説します。

結論:騒音の程度と証拠が重要

結論から言うと、犬の鳴き声による騒音が「受忍限度」を超える場合、家賃の減額や損害賠償が認められる可能性があります。しかし、そのためには騒音の程度を客観的に証明する証拠と、大家さんや管理会社への適切な対応が不可欠です。

ケーススタディ

ある日、Aさんは現在のマンションに引っ越してきました。駅から徒歩圏内、日当たり良好、そして何よりも静かな環境が気に入ってのことでした。しかし、2ヶ月後、1階に引っ越してきた家族が犬を飼い始めたことで、Aさんの平穏な日々は一変します。

マンションはペット禁止。契約書にも明記されています。それにも関わらず、1階の住人は大家さんの許可を得て犬を飼い始めたというのです。理由は「1階は物騒だから」。Aさんの頭の中には「?」マークが浮かびました。

それからというもの、毎日犬の鳴き声が聞こえてきます。特に日中は仕事で不在のため気になりませんが、夜間や早朝に鳴き始めると、安眠を妨げられます。最初は我慢していたAさんでしたが、日を追うごとにストレスは溜まっていきました。

「これは何とかしなければ…」

Aさんはまず、管理会社に相談することにしました。しかし、管理会社は「大家さんが許可したことなので…」と、取り合ってくれません。次に、Aさんは直接大家さんに連絡をしました。しかし、大家さんの返事は「1階の住人の方も困っているようなので、ご理解ください」というものでした。

八方塞がりのAさん。途方に暮れていると、友人から「弁護士に相談してみたら?」とアドバイスを受けました。藁にもすがる思いで弁護士に相談したAさんは、騒音の証拠を集めること、内容証明郵便で家賃減額を請求すること、そして調停を申し立てることを勧められました。

Aさんは弁護士のアドバイスに従い、騒音の証拠を集め始めました。具体的には、犬の鳴き声を録音したり、騒音レベルを測定したりしました。また、睡眠時間や体調の変化を記録することで、騒音による影響を可視化しました。

そして、弁護士に作成してもらった内容証明郵便を大家さんに送付。家賃減額を請求するとともに、改善が見られない場合は法的措置も辞さないことを伝えました。

数日後、大家さんから連絡がありました。「1階の住人の方と話し合った結果、犬の鳴き声を抑えるように注意すること、それでも改善が見られない場合は犬を手放すことを約束してくれました」という内容でした。

その後、犬の鳴き声は以前よりは減りましたが、それでも完全に無くなったわけではありません。しかし、Aさんは以前ほどストレスを感じなくなりました。なぜなら、自分が行動を起こしたことで、状況が改善されたことを実感できたからです。

この経験を通して、Aさんは「泣き寝入りせずに、まずは行動することが大切だ」と学びました。そして、マンションでのペット問題は、決して他人事ではないことを痛感しました。

なぜ家賃減額が認められる可能性があるのか?

賃貸契約において、大家さんは「賃借人が平穏に暮らせる環境を提供する義務」を負っています。もし、ペットの騒音がこの義務を著しく侵害する場合、債務不履行として家賃の減額が認められる可能性があります(民法611条)。

ただし、家賃減額が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。

1. 騒音の程度が「受忍限度」を超えていること
受忍限度とは、社会生活を送る上で一般的に我慢すべきとされる範囲のことです。犬の鳴き声が頻繁で、時間帯も不適切(夜間や早朝など)な場合、受忍限度を超えていると判断される可能性があります。
2. 騒音によって具体的な被害が発生していること
騒音によって睡眠不足になったり、精神的な苦痛を感じたりするなど、具体的な被害が発生している必要があります。
3. 大家さんや管理会社に改善を求めたにも関わらず、状況が改善されないこと
まずは、大家さんや管理会社に騒音問題を伝え、改善を求めることが重要です。その際、口頭だけでなく、書面で伝えることが望ましいです。

家賃減額請求に向けた具体的なステップ

1. 証拠の収集
騒音の状況を記録する:犬の鳴き声が聞こえる時間帯、頻度、音量などを記録します。可能であれば、録音や騒音計による測定も有効です。
被害状況を記録する:騒音によって睡眠不足になったり、体調を崩したりした場合、その状況を具体的に記録します。
2. 内容証明郵便の送付
内容証明郵便とは、郵便局が配達したことを証明してくれる郵便です。家賃減額を請求する旨を記載した内容証明郵便を大家さんに送付することで、後々の証拠となります。
内容証明郵便には、以下の内容を記載します。
騒音の状況(具体的な時間帯、頻度、音量など)
騒音によって被っている被害(睡眠不足、精神的な苦痛など)
家賃減額を請求する理由(賃貸契約における大家さんの義務違反)
減額を希望する家賃額
改善が見られない場合は法的措置も辞さない旨
3. 調停の申し立て
内容証明郵便を送付しても状況が改善されない場合は、裁判所に調停を申し立てることを検討します。調停とは、裁判官や調停委員が間に入って、当事者同士の話し合いを仲介する手続きです。
調停では、騒音の状況や被害状況、家賃減額の理由などを説明し、相手方と合意を目指します。
4. 訴訟の提起
調停でも合意に至らない場合は、訴訟を提起することも可能です。訴訟では、裁判官が証拠に基づいて判断を下します。
訴訟を提起する場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

その他の対策

防音対策:自分でできる範囲で防音対策をすることも有効です。例えば、窓に防音シートを貼ったり、厚手のカーテンを取り付けたりするなどが考えられます。
引越し:騒音問題がどうしても解決しない場合は、引越しを検討することも視野に入れる必要があります。

まとめ:諦めずに専門家へ相談を

ペット禁止のマンションで犬の鳴き声に悩まされるのは、非常につらい経験です。しかし、泣き寝入りせずに、まずは行動することが大切です。証拠を収集し、内容証明郵便で家賃減額を請求し、必要であれば調停や訴訟も検討しましょう。

また、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談することで、より適切なアドバイスを受けることができます。

騒音問題は、早期解決が重要です。我慢せずに、まずは専門家に相談してみましょう。

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