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ペット(犬)の損害に対する賃貸退去費用の減価償却:知っておくべきこと

#退去費用
 
引越せない友人から相談を受けました。ペット可の賃貸物件(2DKアパート、築年数不明、5年居住)で大型犬(黒ラブ)を室内飼育していたところ、退去時の修繕費用として80万円の見積もりが出されたとのことです。内訳は、全室の壁紙・フローリング、柱、壁、襖(破壊)、ハウスクリーニング、消毒代など。ペットOKの物件ですが、犬が原因の損傷に対する修繕費用が高額で困っています。住居年数に応じた減価償却を適用して費用を抑えられないかと考えていますが、「減価償却資産の耐用年数に関する省令」のどの項目を参照すれば良いか分からず、困っています。

退去費用80万円という金額に途方に暮れていらっしゃるのですね。心中お察しいたします。ペット可物件とはいえ、愛犬が室内を損傷させてしまったとなると、高額な修繕費用が発生してしまうケースは少なくありません。しかし、ご友人がお調べになっているように、建物の構造や内装材は時間の経過とともに価値が減少していくため、減価償却の考え方を適用することで、負担額を抑えられる可能性があります。

この記事では、ペット(特に犬)による損害に対する退去費用の減価償却について、具体的な事例や専門家の意見を交えながら、詳しく解説していきます。ぜひ、最後までお読みいただき、ご友人の退去費用問題解決の糸口を見つけてください。

減価償却とは?なぜ退去費用に関係するの?

まず、減価償却の基本的な考え方を確認しておきましょう。

減価償却とは、建物や設備などの固定資産が、使用年数の経過とともに価値が減少していくことを会計処理に反映させる手続きです。賃貸物件の場合、壁紙やフローリングなどの内装材も減価償却の対象となります。

なぜ減価償却が退去費用に関係するのでしょうか?それは、賃借人が退去時に原状回復義務を負う範囲が、「通常の使用による損耗」を超える部分に限られるからです。つまり、時間の経過とともに自然に劣化した部分は、大家さんが負担すべきであり、賃借人が全額を負担する必要はないのです。

ただし、ペット(特に犬)による引っ掻き傷や臭いなどは、「通常の使用による損耗」とは見なされず、賃借人の負担となる可能性が高いです。しかし、その場合でも、内装材の耐用年数や経過年数を考慮し、減価償却後の残存価値に基づいて負担額を算出すべきというのが、国土交通省のガイドラインに示された考え方です。

減価償却を適用するための具体的なステップ

では、実際に減価償却を適用して退去費用を抑えるためには、どのようなステップを踏めば良いのでしょうか?

1. 賃貸契約書を確認する

まずは、賃貸契約書に原状回復に関する条項がどのように記載されているかを確認しましょう。特約事項として、ペットによる損害に関する特別な規定がないかどうかも確認が必要です。

2. 損傷箇所の状況を把握する

次に、愛犬が損傷させてしまった箇所を具体的に把握します。壁紙の剥がれ、フローリングの傷、柱の損傷、襖の破壊など、それぞれの状況を写真やメモで記録しておきましょう。

3. 見積書の内訳を確認する

大家さんから提示された見積書の内訳を詳細に確認します。どの箇所にいくらの費用がかかるのか、具体的な金額が明記されているかを確認しましょう。不明な点があれば、遠慮なく大家さんに質問することが大切です。

4. 減価償却資産の耐用年数を調べる

国土交通省の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を参照し、各内装材の耐用年数を確認します。ご友人の場合、壁紙、フローリング、柱、襖などが該当します。
壁紙:6年
フローリング:15年
柱:木造の場合22年
襖:5年

5. 減価償却後の残存価値を計算する

各内装材の経過年数と耐用年数に基づいて、減価償却後の残存価値を計算します。例えば、壁紙の耐用年数が6年で、5年間居住していた場合、残存価値は1/6となります。

6. 大家さんと交渉する

計算した残存価値に基づいて、大家さんと修繕費用の負担割合について交渉します。減価償却の考え方を丁寧に説明し、双方が納得できる金額で合意を目指しましょう。

交渉を有利に進めるためのポイント

減価償却を適用した交渉を有利に進めるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
証拠を揃える

損傷箇所の写真や見積書など、交渉の根拠となる証拠をしっかりと揃えておきましょう。
専門家の意見を求める

必要に応じて、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談し、意見を求めることも有効です。
冷静かつ丁寧に交渉する

感情的にならず、冷静かつ丁寧に大家さんと交渉することが大切です。
第三者機関を利用する

交渉が難航する場合は、国民生活センターなどの第三者機関に相談することも検討しましょう。

ケーススタディ:減価償却で退去費用を大幅に減額できた事例

実際に、減価償却を適用して退去費用を大幅に減額できた事例をご紹介します。

Aさん(30代女性)は、ペット可の賃貸マンションに5年間、愛犬(トイプードル)と暮らしていました。退去時に、フローリングの傷や壁紙の汚れなどを理由に、大家さんから50万円の修繕費用を請求されました。

Aさんは、弁護士に相談し、減価償却の考え方を適用して修繕費用の負担割合を交渉することにしました。弁護士は、フローリングと壁紙の耐用年数と経過年数に基づいて、減価償却後の残存価値を計算し、大家さんに提示しました。

その結果、大家さんは当初の請求額を大幅に減額し、Aさんは15万円の修繕費用を支払うことで合意しました。

Aさんは、「弁護士に相談したことで、減価償却の知識を得ることができ、冷静に交渉することができました。50万円の請求が15万円になったので、本当に助かりました」と話しています。

専門家からのアドバイス:ペットと暮らす賃貸の注意点

ペットと暮らす賃貸物件を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
ペット可の条件を確認する

ペットの種類や大きさ、頭数などの条件を確認しましょう。
原状回復に関する特約を確認する

ペットによる損害に関する特約がないか確認しましょう。
ペット保険への加入を検討する

ペットが原因で発生した損害を補償するペット保険への加入を検討しましょう。
日頃からペットのしつけを行う

ペットが室内を傷つけないように、日頃からしつけを行いましょう。

獣医のB先生は、「ペットとの暮らしは、心豊かな生活をもたらしてくれます。しかし、賃貸物件でペットと暮らす場合は、トラブルを避けるために、契約内容をしっかりと確認し、日頃からペットの健康管理やしつけに気を配ることが大切です」と述べています。

まとめ:減価償却を理解して賢く退去費用を抑えよう

今回は、ペット(犬)による損害に対する退去費用の減価償却について解説しました。
減価償却とは、固定資産の価値が時間の経過とともに減少していくことを会計処理に反映させる手続き
賃借人が原状回復義務を負う範囲は、「通常の使用による損耗」を超える部分に限られる
減価償却を適用することで、退去費用を抑えられる可能性がある
交渉を有利に進めるためには、証拠を揃え、専門家の意見を求め、冷静かつ丁寧に交渉することが大切

今回の記事が、ご友人の退去費用問題解決の一助となれば幸いです。また、これからペットと賃貸で暮らそうと考えている方にとっても、この記事が役立つ情報となることを願っています。

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