結論:高額な請求には、まず内訳の確認と交渉を!
ペット可賃貸の退去費用は、トラブルになりやすい問題です。特に、愛犬との暮らしでは、匂いや傷などが原因で高額な請求をされるケースも少なくありません。しかし、請求されるがままに支払う必要はありません。まずは、請求の内訳をしっかりと確認し、原状回復義務の範囲を超えた請求ではないかを見極めることが重要です。
今回は、愛犬と賃貸物件の退去費用に関するケーススタディを通して、高額請求への対処法と、愛犬と快適に暮らすための賃貸選びのポイントを解説します。
今回のケースは、まさにペット可賃貸の退去費用トラブルの典型例と言えるでしょう。20平米の1Kで22万円という請求額は、相場から見ても高額である可能性が高いです。
今回のケースの問題点
クロスの全面張り替えの必要性: 築19年のマンションで、入居時から古かった場合、クロスの経年劣化は考慮されるべきです。また、壁紙シートを貼っていたのであれば、直接クロスに匂いが染み付いている可能性は低いと考えられます。
オゾン消臭とクロスの張り替えの重複: オゾン消臭は、匂いの元を分解する効果が期待できます。そのため、オゾン消臭で匂いが除去できるのであれば、クロスの張り替えは不要である可能性もあります。
フローリングのクリーニング費用: クッションフロアを敷いていたのであれば、フローリングへの直接的なダメージは少ないと考えられます。通常のクリーニングで対応できる範囲であれば、高額なクリーニング費用は不当である可能性があります。
解決へのステップ
1. 請求内訳の確認と精査: まずは、管理会社から請求内訳の詳細な説明を求めましょう。それぞれの項目の金額の根拠、例えばクロスの単価や張り替え面積などを確認します。
2. 原状回復義務の範囲の確認: 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などを参考に、原状回復義務の範囲を確認しましょう。経年劣化や通常の使用による損耗は、借主の負担にはなりません。
3. 証拠の収集: 入居時の写真や、壁紙シート、クッションフロアを敷いていたことを証明できるもの(購入時のレシートなど)があれば、証拠として保管しておきましょう。
4. 管理会社との交渉: 請求内訳や原状回復義務の範囲を元に、管理会社と交渉しましょう。不当な請求であると判断した場合は、減額交渉を試みましょう。
5. 専門家への相談: 管理会社との交渉が難航する場合は、弁護士や消費者センターなどの専門機関に相談することも検討しましょう。
愛犬との暮らしを始める前に、以下のポイントをチェックすることで、退去時のトラブルを未然に防ぐことができます。
ペット可の条件の確認: ペットの種類や数、大きさなどの制限を確認しましょう。
契約書の確認: 退去時の原状回復に関する条項をしっかりと確認しましょう。ペットによる損耗に関する特約がないかどうかも確認が必要です。
入居前の状態確認: 入居前に、部屋の状態を写真や動画で記録しておきましょう。傷や汚れがあれば、管理会社に報告し、入居前の状態であることを確認してもらいましょう。
退去時の立ち会い: 退去時には、必ず立ち会いをしましょう。部屋の状態を一緒に確認し、気になる点があればその場で指摘しましょう。
ペット保険の加入: ペットが原因で物件に損害を与えてしまった場合に備えて、ペット保険への加入を検討しましょう。
ドッグラン併設の物件: 敷地内にドッグランがあれば、愛犬との運動不足解消に役立ちます。
ペット共生型マンション: 他の入居者もペットを飼っているため、理解が得られやすく、情報交換などもできます。
トリミングサロン併設の物件: 近くにトリミングサロンがあれば、愛犬のお手入れが楽になります。
動物病院との連携: 万が一の時に、すぐに診てもらえる動物病院が近くにあると安心です。
賃貸契約に詳しい弁護士のA先生は、「ペット可賃貸における原状回復義務は、通常の賃貸契約よりもトラブルになりやすい傾向があります。契約書の内容をしっかりと確認し、不明な点があれば必ず管理会社に確認することが重要です。また、退去時には、証拠となる写真や動画をしっかりと残しておくことが、トラブル解決の助けになります。」と語ります。
愛犬との賃貸暮らしは、事前の準備と知識があれば、とても楽しいものになります。今回のケーススタディを参考に、契約内容の確認、入居前の状態確認、退去時の立ち会いなどをしっかりと行い、高額な退去費用を請求されることのないように注意しましょう。
もし、高額な退去費用を請求されてしまった場合は、泣き寝入りせずに、管理会社との交渉や専門家への相談を検討しましょう。
愛犬との幸せな賃貸ライフを送るために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。