里親募集、お疲れ様です!たくさんの応募があるのは喜ばしいことですが、その中から本当に愛情深く犬を育ててくれる里親さんを見つけるのは、まさに至難の業ですよね。しかも、残念ながら里親詐欺も存在するとなると、慎重にならざるを得ません。
そこで今回は、犬の里親希望者を見極めるための具体的な方法と、嘘を見抜くためのチェックポイントを徹底解説します。まるで面接官になったような気持ちで、一つずつ確認していきましょう。
まず、なぜ里親詐欺のような悲しい出来事が起こるのでしょうか?その背景には、様々な理由が考えられます。
転売目的: 里親として犬を引き取り、ペットショップやブリーダーに転売するケース。特に人気の犬種や子犬の場合に多いようです。
虐待目的: 悲しいことですが、動物虐待を目的とする悪質なケースも存在します。
繁殖目的: 無許可で繁殖させ、利益を得ようとするケース。
研究目的: 実験動物として利用するために犬を求めるケース。
これらの目的を隠して里親になろうとする人がいることを念頭に置いて、慎重に里親希望者を見極める必要があります。
さあ、ここからが本番です。以下のステップを参考に、里親希望者をじっくりと見極めていきましょう。
1. 応募者との丁寧なやり取り:
まずは、応募者全員に丁寧なメッセージを送り、自己紹介や犬を飼いたい理由、飼育環境などについて詳しく尋ねましょう。
質問への回答内容だけでなく、言葉遣いや熱意などもチェックポイントです。
返信が早すぎたり、逆に遅すぎたりする場合も、注意が必要です。
2. アンケートの実施:
より詳しい情報を得るために、アンケートを実施しましょう。
アンケート項目は、以下のような内容を盛り込むと効果的です。
氏名、年齢、住所、家族構成
住居の種類(持ち家/賃貸、戸建て/マンション)
過去の犬の飼育経験(犬種、飼育期間、死因など)
現在の住まいの間取り、広さ
犬を飼育する主な場所(室内/室外)
留守番の時間
犬にかかる費用(食費、医療費、トリミング代など)の負担について
犬の飼育に対する家族の同意
万が一、飼えなくなった場合の対応
その他、犬に関する質問(好きな犬種、犬の性格、散歩時間など)
アンケートの回答内容に矛盾点や不審な点がないか、注意深く確認しましょう。
3. 電話でのヒアリング:
メッセージやアンケートだけでは伝わらない、人柄や熱意を知るために、電話でのヒアリングは非常に有効です。
電話では、アンケートの内容を深掘りする質問や、犬との生活に関する具体的な質問を投げかけてみましょう。
例えば、「犬の散歩は毎日どのくらい行けますか?」「犬が病気になった場合、どのように対応しますか?」など、具体的な状況を想定した質問をすることで、応募者の本質が見えてきます。
また、電話での会話を通して、応募者の声のトーンや話し方、言葉遣いなどから、人柄や誠実さを感じ取ることもできます。
4. 写真や動画の提出:
住居の環境を確認するために、写真や動画の提出をお願いしましょう。
特に、犬が過ごすことになる場所(室内、庭など)は、重点的にチェックしましょう。
清潔で安全な環境であるか、犬が快適に過ごせるスペースがあるかなどを確認します。
もし可能であれば、応募者自身が犬と触れ合っている写真や動画も提出してもらうと、犬に対する愛情や接し方を知ることができます。
5. 必ず訪問(自宅環境の確認):
可能であれば、里親希望者の自宅を訪問し、飼育環境を直接確認することが最も確実な方法です。
訪問時には、以下の点をチェックしましょう。
住居の清潔さ、安全性
犬が自由に動き回れるスペースがあるか
犬用のグッズ(ベッド、トイレ、食器など)が用意されているか
脱走防止対策がされているか
家族全員が犬を迎える準備ができているか
訪問することで、写真や動画だけでは分からない、生活臭や雰囲気を感じ取ることができます。
また、家族構成員全員と会って話を聞くことで、犬に対する意識や愛情を確認することができます。
6. トライアル期間の設定:
里親希望者に犬を預け、トライアル期間を設けることで、実際に犬との生活を体験してもらい、相性や問題点を確認することができます。
トライアル期間中は、定期的に連絡を取り合い、犬の様子や飼育状況を確認しましょう。
もし、トライアル期間中に問題が発生した場合や、里親希望者が犬との生活に合わないと感じた場合は、遠慮なく犬を返してもらうようにしましょう。
7. 誓約書の作成:
里親希望者と正式に契約する前に、誓約書を作成しましょう。
誓約書には、以下の内容を盛り込むと効果的です。
犬の適切な飼育(食事、散歩、健康管理など)
虐待や遺棄の禁止
転売や譲渡の禁止
定期的な連絡
万が一、飼えなくなった場合の対応
誓約書を作成することで、里親希望者の責任感を高め、犬の福祉を守ることができます。
里親希望者の言葉や行動に、少しでも不審な点があれば、注意が必要です。以下のチェックポイントを参考に、嘘を見抜きましょう。
1. 質問への回答の矛盾:
アンケートや電話でのヒアリングで、同じ質問を繰り返し行い、回答に矛盾がないか確認しましょう。
例えば、過去の犬の飼育経験について、最初は「飼ったことがない」と答えていたのに、後から「昔、飼っていたことがある」と答えるなど、矛盾した回答をする場合は、嘘をついている可能性があります。
2. 犬に関する知識の欠如:
犬種や飼育に関する基本的な知識がない場合、犬を飼うことに真剣ではない可能性があります。
例えば、「犬の散歩は毎日必要ない」「犬はどんなものでも食べる」など、誤った知識を持っている場合は、注意が必要です。
3. 感情的な反応の欠如:
犬の写真や動画を見せても、感情的な反応が薄い場合、犬に対する愛情がない可能性があります。
例えば、「かわいい」「癒される」などの言葉を発しない、犬の仕草や表情に興味を示さない場合は、注意が必要です。
4. 個人情報の曖昧さ:
氏名、住所、連絡先などの個人情報を曖昧にする場合、身元を隠したい理由がある可能性があります。
例えば、電話番号を教えない、住所を詳しく教えない、勤務先を言わないなどの場合は、注意が必要です。
5. 急ぎすぎる態度:
すぐに犬を引き取りたがる場合、何か裏がある可能性があります。
例えば、「明日すぐにでも引き取りたい」「他の人にも声をかけている」など、急かすような態度を取る場合は、注意が必要です。
万が一、里親詐欺に遭ってしまった場合は、すぐに警察に相談しましょう。また、動物愛護団体や弁護士に相談することも有効です。
里親募集は、犬にとって第二の人生をスタートさせるための大切な機会です。愛情深く、責任感のある里親さんを見つけるために、今回ご紹介した方法を参考に、妥協しない選択をしてください。
そして、何よりも大切なのは、あなたの直感を信じることです。「何かおかしいな」と感じたら、無理に進めずに、立ち止まって考え直しましょう。
犬の幸せを願うあなたの気持ちが、きっと最高の里親さんを引き寄せてくれるはずです。応援しています!