この度は大変お困りのことと存じます。契約時にはペット飼育可能とされていたにも関わらず、後から不可となり、愛犬との生活を目前にしてお引越しを余儀なくされる状況、心中お察しいたします。しかも、引越し費用を全額負担しなければならないとなると、経済的な負担も大きすぎますよね。
結論から申し上げますと、今回のケースでは、管理会社や家主に引越し費用の一部または全部を負担してもらえる可能性は十分にあります。諦めずに、しかるべき対応を取ることをお勧めします。
まず、今回の問題点は、契約時の重要事項説明と実際の契約内容に矛盾があることです。重要事項説明ではペット飼育が可能であると説明されていたにも関わらず、後からオーナーの意向で不可とされた場合、これは債務不履行にあたる可能性があります。
宅建業法第32条の「誇大広告・不実の告知」にも抵触する可能性があり、これは仲介業者と管理会社、そしてオーナーの責任を問える場合があります。
1. 証拠の再確認と整理
契約時の重要事項説明書(ペット飼育に関する記述があるもの)
物件資料(ペット飼育可能と記載されたもの)
管理会社とのやり取りの記録(メール、手紙など)
宅地建物取引主任者との会話の録音データ
消費者生活センターや住宅相談センターへの相談記録
これらの証拠を改めて確認し、時系列に整理しておくことが重要です。
2. 内容証明郵便の送付
弁護士に依頼して、管理会社とオーナー宛に内容証明郵便を送付します。内容証明郵便には、以下の内容を記載します。
契約時の状況(ペット飼育が可能であると説明されたこと)
現在の状況(ペット飼育が不可となり、引越しを余儀なくされていること)
損害賠償請求の内容(引越し費用、仲介手数料、礼金など)
回答期限
内容証明郵便を送付することで、相手方にプレッシャーを与え、交渉のテーブルにつかせる効果が期待できます。
3. 弁護士との相談
内容証明郵便の作成や、その後の交渉は、専門家である弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士は、法律の専門家として、あなたの権利を守り、交渉を有利に進めるためのアドバイスやサポートをしてくれます。
1. 感情的にならず、冷静に
相手方に対して感情的に訴えても、良い結果は期待できません。冷静に、論理的に、あなたの主張を伝えることが重要です。
2. 具体的な金額を提示
引越し費用、仲介手数料、礼金など、具体的な金額を提示することで、相手方も対応を検討しやすくなります。
3. 譲歩案も検討
全額負担を求めるだけでなく、一部負担や、家賃の減額など、譲歩案も検討することで、交渉がまとまりやすくなる可能性があります。
過去には、同様のケースで、賃借人が引越し費用や仲介手数料などの損害賠償を勝ち取った事例があります。
Aさんのケース:
Aさんは、ペット可のマンションを契約しましたが、入居後、管理組合の規約でペット飼育が禁止されていることが判明しました。Aさんは、管理会社と交渉し、引越し費用と仲介手数料を負担してもらうことで合意しました。
Bさんのケース:
Bさんは、ペット可のアパートを契約しましたが、契約後、オーナーがペット飼育を認めないと言い出しました。Bさんは、弁護士に依頼し、オーナーに対して損害賠償請求訴訟を起こしました。裁判の結果、Bさんは、引越し費用、仲介手数料、礼金、慰謝料などの損害賠償を勝ち取りました。
不動産問題に詳しい弁護士のY先生は、「今回のケースでは、契約時の重要事項説明と実際の契約内容に矛盾があるため、賃借人の方に有利な状況です。諦めずに、しかるべき対応を取ることで、引越し費用などの損害賠償を勝ち取れる可能性は十分にあります」と述べています。
愛犬との新生活を心待ちにしていたにも関わらず、今回のトラブルは本当に残念です。しかし、泣き寝入りする必要はありません。証拠を整理し、専門家(弁護士)に相談しながら、粘り強く交渉することで、引越し費用などの負担をしてもらえる可能性は十分にあります。
今回の記事が、あなたのお役に立てれば幸いです。一日も早く、愛犬との快適な生活を取り戻せるよう、心から応援しています。