犬との生活は喜びも多いですが、賃貸退去時には原状回復費用という大きな壁が立ちはだかることがありますよね。特に、相談者さんのように、ペット可の物件であっても事前の申請をしていなかった場合や、犬による傷が目立つ場合は、高額な請求に繋がる可能性があり、とても不安だと思います。
この記事では、犬と暮らす賃貸物件の退去時に、原状回復費用の高額請求を避けるために、立会い業者を活用する方法について、具体的なアドバイスを交えながら解説していきます。
賃貸物件の退去時には、貸主(不動産会社やオーナー)と借主が立ち会い、部屋の状態を確認します。この際、原状回復が必要な箇所とその費用について話し合われるのが一般的です。しかし、
不動産会社側の説明が一方的で、納得できない
専門知識がないため、どこまでが自己負担になるのか判断できない
高圧的な態度で言いくるめられそう
といった不安を感じる方も少なくありません。
特に相談者さんのように、人見知りで意見を言いづらい性格の場合、不利な条件で合意してしまう可能性も考えられます。
そこで、頼りになるのが立会い業者です。
立会い業者とは、賃貸物件の退去時に借主の立場に立って、貸主との立ち会いに同席し、原状回復費用の交渉をサポートしてくれる専門業者のことです。
立会い業者に依頼することで、以下のようなメリットが期待できます。
1. 専門知識に基づいたアドバイス: 建築や不動産の専門家が、客観的な視点から原状回復の範囲を判断し、適切なアドバイスをしてくれます。
2. 交渉の代行: 借主の代わりに、貸主と交渉してくれます。不当な請求に対しては、法的根拠に基づいて反論し、減額交渉を行います。
3. 精神的なサポート: 立ち会いの場に同席してくれることで、精神的な負担を軽減してくれます。高圧的な態度や一方的な説明から守ってくれます。
4. 費用対効果: 立会い業者の費用はかかりますが、高額な原状回復費用を減額できる可能性が高いため、結果的に費用対効果が期待できます。
立会い業者を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
実績と評判: 過去の事例や利用者の口コミなどを確認し、実績と評判の良い業者を選びましょう。
専門性: 建築士や宅地建物取引士などの資格を持った専門家が在籍しているか確認しましょう。
料金体系: 料金体系が明確で、追加料金が発生しないか確認しましょう。
対応エリア: 自分の住んでいる地域に対応しているか確認しましょう。
相性: 担当者との相性も重要です。親身になって相談に乗ってくれるか、信頼できるかなどを確認しましょう。
Aさんは、ペット可の賃貸マンションに5年間、愛犬のラブラドールレトリバーと暮らしていました。退去時に、不動産会社から40万円の原状回復費用を請求されました。内訳は、フローリングの傷、壁の汚れ、クロスの張り替えなどでした。
Aさんは、ペットによる傷は仕方ないと思っていましたが、請求額があまりにも高額だと感じ、立会い業者に相談しました。
立会い業者は、Aさんと一緒に立ち会いに参加し、以下の点を指摘しました。
フローリングの傷は、通常の使用による経年劣化の範囲内である
壁の汚れは、犬のよだれによるものではなく、日焼けによる変色である
クロスの張り替えは、一部だけで済むはず
交渉の結果、原状回復費用は20万円に減額されました。Aさんは、立会い業者に依頼して本当に良かったと感謝していました。
立会い業者に依頼する以外にも、日頃からできる対策があります。
1. 入居時の契約書をしっかり確認する: 特約事項や原状回復に関する条項をよく読んで理解しておきましょう。
2. ペットによる傷や汚れは、できる範囲で補修する: ホームセンターなどで補修材を購入し、自分でできる範囲で補修しておきましょう。
3. 定期的な掃除を心がける: 壁や床の汚れは、放置すると落ちにくくなります。定期的に掃除をして、清潔な状態を保ちましょう。
4. 写真や動画で記録を残す: 入居時と退去時の部屋の状態を、写真や動画で記録しておきましょう。
5. ペット保険の加入を検討する: ペットが原因で発生した損害を補償してくれるペット保険もあります。
犬との賃貸生活は、事前の準備と対策をしっかり行っておくことで、退去時のトラブルを最小限に抑えることができます。
もし、高額な原状回復費用を請求された場合は、泣き寝入りせずに、立会い業者などの専門家に相談してみましょう。
今回の記事が、犬と暮らす皆さんの新生活のスタートを、より良いものにするための一助となれば幸いです。