この質問、本当に他人事じゃないですよね。犬との暮らしは本当に幸せですが、退去時のトラブルは避けられないことも…。今回は、そんな状況に陥ってしまったあなたのために、弁護士の先生に話を聞きながら、どうすれば納得のいく解決ができるのか、一緒に考えていきましょう。
結論から言うと、保証会社の言いなりになる必要はありません! 確かに、無申告で犬を飼育し、家を傷つけてしまったことに対する責任はありますが、「一式新品交換」が本当に妥当なのか、冷静に判断する必要があります。
法律の専門家である弁護士のA先生によると、賃貸物件の原状回復義務は、あくまで「通常の使用を超える損耗」を回復する義務です。つまり、犬がつけた傷が「通常の使用を超える損耗」にあたるのか、そして、その損耗を回復するために「一式新品交換」が必要なのか、という2つのポイントを検討する必要があります。
A先生:「犬を飼育していた場合、通常の使用では考えられない傷や汚れが発生することは容易に想像できます。しかし、その傷の程度や範囲によっては、『通常の使用を超える損耗』にあたらないと判断される場合もあります。」
例えば、フローリングの傷が一部だけで、専門業者による補修で十分回復できる場合、「一式新品交換」は過剰な請求とみなされる可能性があります。
A先生:「原状回復は、あくまで元の状態に戻すことが目的です。必ずしも新品にする必要はなく、補修や部分的な交換で十分な場合もあります。特に、今回のケースでは、リフォーム会社の方が『リフォームで済む』と言っていることから、『一式新品交換』の必要性に疑問が残ります。」
保証会社が「一式新品交換」を主張する根拠をしっかりと確認し、本当にそれが必要なのか、客観的な証拠を求めることが重要です。
1. 冷静な状況把握と証拠集め:
まずは、犬がつけた傷の具体的な箇所と程度を写真や動画で記録しましょう。リフォーム会社の方に、傷の状態とリフォームで修復可能かどうかを改めて確認し、書面で意見をもらっておくと、後々の交渉で有利になります。
2. 保証会社への反論:
保証会社から請求書が送られてきたら、すぐに全額を支払うのではなく、「一式新品交換」の根拠について説明を求めましょう。リフォーム会社からの意見書や、自分で集めた証拠を提示し、補修や部分的な交換で十分対応可能であることを主張しましょう。
3. 専門家への相談:
保証会社との交渉が難航する場合は、弁護士や消費者センターなどの専門機関に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、法的な観点から自分の主張を整理し、有利に交渉を進めることができます。
4. 内容証明郵便の送付:
自分の主張を明確にするために、内容証明郵便で保証会社に通知を送るのも有効な手段です。内容証明郵便は、送付した内容と日付を公的に証明するもので、後々の裁判になった場合にも証拠として活用できます。
5. 少額訴訟の検討:
交渉が決裂した場合、最終的な手段として、少額訴訟を検討しましょう。少額訴訟は、60万円以下の金銭トラブルを解決するための裁判手続きで、通常の裁判よりも費用や時間がかかりません。
実際に、ペットとの退去トラブルを経験したBさんのケースを見てみましょう。
Bさんは、猫を飼っていた賃貸物件を退去する際、壁のひっかき傷を理由に、保証会社から高額な請求を受けました。しかし、Bさんは諦めずに、自分で壁の補修方法を調べ、DIYで補修を試みました。その結果、保証会社との交渉で、請求額を大幅に減額することに成功しました。
Bさん:「最初は途方に暮れましたが、諦めずに自分で調べて、できる限りのことをやったのが良かったと思います。保証会社も、私の真剣な姿勢を見て、交渉に応じてくれたのだと思います。」
A先生:「ペットとの賃貸契約は、トラブルが起こりやすいものです。契約時に、ペットに関する特約条項をしっかりと確認し、退去時の原状回復義務について、事前に理解しておくことが重要です。また、万が一トラブルが起こった場合は、早めに専門家に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。」
犬との賃貸退去費用は、高額になることもありますが、諦めずに交渉することで、納得のいく解決ができる可能性は十分にあります。まずは、冷静に状況を把握し、証拠を集め、専門家のアドバイスを受けながら、粘り強く交渉を進めていきましょう。
今回の記事が、あなたのお役に立てれば幸いです。