結論から言うと、柴犬の飼育可否は賃貸物件によって大きく異なります。小型犬に分類されることもありますが、その曖昧な立ち位置が判断を難しくしているのが現状です。この記事では、賃貸オーナーの視点や実際に柴犬と暮らす方の体験談を交えながら、柴犬と賃貸物件の相性について徹底解説します。
柴犬は、一般的に体高が35~41cm、体重が8~11kg程度とされています。このサイズは、犬種分類においては小型犬と中型犬の境界線上に位置づけられます。そのため、トリミングサロンやドッグランなど、施設によって分類が異なる場合があります。
賃貸物件の規約では、飼育可能な犬種を「小型犬」と限定しているケースが多く見られます。しかし、小型犬の定義は曖昧で、体重や体高の具体的な数値が明記されていないことも少なくありません。そのため、柴犬が小型犬に該当するかどうかは、オーナーや管理会社の判断に委ねられることになります。
Aさんは、都内の賃貸マンションで柴犬の「ハナ」と暮らしています。Aさんが物件を探していた際、小型犬可の物件は数多くありましたが、柴犬の飼育を明確に許可している物件はごくわずかでした。
「不動産会社に相談したところ、『小型犬可』と記載されていても、柴犬のサイズだと断られる可能性があると言われました。実際に、何件か内見した物件では、オーナーさんに直接確認しても『少し大きいですね…』と難色を示されたんです。」
Aさんは諦めずに探し続け、最終的に、犬好きのオーナーが所有する物件に出会いました。
「オーナーさんは以前にも柴犬を飼っていたことがあり、ハナの写真を見せたら『全然大丈夫!』と言ってくれたんです。本当に感謝しています。」
Aさんのように、根気強く探すことが大切です。
都内で複数の賃貸物件を所有するオーナーBさんは、犬好きとして知られています。Bさんの物件では、小型犬だけでなく、中型犬の飼育も許可しているケースがあります。
「犬を飼うことは、入居者さんの生活を豊かにすると思っています。もちろん、トラブルがないように、規約はしっかり設けています。柴犬の場合、抜け毛が多いことや、吠えやすい性格であることを考慮する必要があります。きちんと対策を講じてくれる入居者さんであれば、喜んで受け入れたいですね。」
一方で、Bさんは、無条件にすべての柴犬を受け入れているわけではありません。
「過去には、柴犬の飼育を許可したものの、鳴き声に関する苦情が相次いだケースもありました。そのため、最近では、入居前に犬の性格や飼育環境について詳しくヒアリングするようにしています。」
Bさんのように、犬好きのオーナーであっても、トラブルを避けるために慎重な判断をしていることがわかります。
柴犬と賃貸で暮らす人々の体験談を見てみましょう。
Cさんは、柴犬の「マメ」と築浅のマンションで暮らしています。Cさんは、入居前に徹底的な準備を行いました。
抜け毛対策として、こまめなブラッシングと空気清浄機の設置
防音対策として、防音マットの敷設と無駄吠え防止のトレーニング
消臭対策として、消臭スプレーの使用と定期的な換気
これらの対策が功を奏し、Cさんはマメと快適な賃貸暮らしを送っています。
「周りの住民の方にも、マメを可愛がってもらっています。散歩中に会うと、声をかけてくれるんです。本当に嬉しいですね。」
Dさんは、柴犬の「ゴエモン」と古いアパートで暮らしていました。Dさんは、特に何も対策を講じずに入居してしまったため、様々な問題に直面しました。
抜け毛がひどく、掃除が追いつかない
ゴエモンの鳴き声がうるさいと苦情がくる
フローリングが傷だらけになってしまった
Dさんは、最終的に引っ越しを余儀なくされました。
「もっと早く対策をしていれば…と後悔しています。ゴエモンにも辛い思いをさせてしまいました。」
これらの体験談から、柴犬との賃貸暮らしを成功させるためには、事前の準備と対策が不可欠であることがわかります。
以下のチェックリストを活用して、柴犬と賃貸物件の相性を確認してみましょう。
[ ] 小型犬の定義が明確になっているか
[ ] 柴犬の飼育実績があるか
[ ] 防音設備が整っているか
[ ] ペット可物件であるか
[ ] 周辺に散歩コースや動物病院があるか
[ ] 共用部分の清掃が行き届いているか
[ ] 粗大ごみ置き場や犬用トイレの設置場所があるか
[ ] 抜け毛対策(ブラッシング、空気清浄機)
[ ] 防音対策(防音マット、無駄吠え防止トレーニング)
[ ] 消臭対策(消臭スプレー、換気)
[ ] 傷防止対策(フローリング保護シート、犬用爪切り)
[ ] 近隣住民への挨拶
[ ] 犬の登録と狂犬病予防接種
[ ] 毎日のお散歩
[ ] 定期的なブラッシング
[ ] こまめな掃除
[ ] 無駄吠えをさせない工夫
[ ] 近隣住民とのコミュニケーション
[ ] 規約の遵守
これらのチェックリストを参考に、万全の準備をして、柴犬との快適な賃貸暮らしを実現しましょう。
「柴犬は、賢く忠実な犬種ですが、警戒心が強く、吠えやすい一面もあります。賃貸物件で飼育する場合は、子犬の頃から社会化トレーニングを行い、無駄吠えを防止することが重要です。」
また、獣医K先生は、定期的な健康チェックも重要だと指摘します。
「柴犬は、皮膚疾患やアレルギーを起こしやすい犬種です。定期的に獣医さんに診てもらい、早期発見・早期治療を心がけましょう。」
柴犬との賃貸暮らしは、決して不可能ではありません。しかし、そのためには、物件選びから入居後の対策まで、入念な準備が必要です。この記事で紹介した情報や体験談を参考に、柴犬との幸せな賃貸ライフを送ってくださいね。